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tales of mother goose
マザーグース自体がイギリスらしい暗黒な面の、ブラックを含んだとても意味深な伝承歌謡なのではあるが、その世界観はBLにふさわしい!
各作家さんとも、それぞれの歌詞を独自に解釈してちょっとぞっとする、もしくはかわいらしく仕上げている。
自分がひいきするからというわけではないが梶本レイカさんの「クックロビン」あまりに有名なあの唄は、代原の急な依頼で仕上げたとは思えない素晴らしい出来に、感嘆するのです!!!
■『ボクの大好きな』
母の再婚で新しく出来た兄。
楽しくて嬉しくて、弟の姿はメリーさんの羊の歌詞そのまま、、、しかしその弟は果たして皆のアイドルなのか、はたまたスケープゴートなのか?
■『サー・オースティンの個人的な思い出』
キラキラ星の歌詞は、星は旅人を導くという内容。
これは崖から落ちたオースティンがもう死ぬのかと星を見上げて、過去の学生時代の想い出=早世した学友を星に思う話。
■『テディ・ベアのゆううつ』
テディ・ベアは良い子で何でも言うことを聞くといった歌詞。
しかし、このテディベアは可愛がりすぎると・・・ダーティだけど愛のあるブラックあふれる作品
■『ハートのクイーン』
クイーンが作ったタルトを食べてしまったジャックをキングがお仕置きという歌詞。
ここに登場する3人はそれぞれを取り込んでしまうという、実に不気味なお仕置きで、壊れている!!←こわいよーー。。。
■『優しい悲劇』
ハッシャバイ=ねんねんころりよですね。
しかし中身は弟の兄への以上な執着愛です。
兄さえいれば、何もいらない、歪んだ弟が怖いです!
■『ぼくのおんどり』
原題は”ぼくのめんどり”唯一のショタ作品
うちの鶏は卵を産まないおんどりなのでたべてしまおうとお父さんもお母さんも言うんだ。
でも、ぼくは働き者のおんどりが大好きだから殺されないように卵を産むところを見せようと思うんだ♪←ご想像通りですwww
そして■『誰が駒鳥殺したの?』
まだ小さい弟をカストラートにする為の去勢をさせるのはかわいそうと身代わりになった兄、、
しかし弟は本当は唄いたかった、兄と・・・
歪んだ兄弟愛の行きつく先には・・・
衝撃の結末に、ただボーゼンとするしかありませんでした。
この歌の由来に、兄弟殺しの一説もあることを思うと、ひょっとすると梶本さんは、それをベースにしたのかもしれません。
しかもその比喩が実に唄を歌うコマドリを弟の雀が・・・という。
ある意味、忠実な作品なのかもしれません。
何だか、この作品の重さにアンソロという部分を飛び越えて別格の神を見てしまった気がします。
こんな短編なのに、胸につきささって、痛くて、涙が出ちゃう!
本当恐るべし作家です。梶本レイカ。
まだマザーグースには沢山の唄があるので、この本第二弾、第三弾と、出してほしいなと思いました。
だって、本当にこの世界観は素材としてBLにもってこいなんです!
凄かった素晴らしかった。
当初は梶本さんの為に945円か・・・と思ったがとても素晴らしいアンソロだった。
マザーグースの詩から着想を得たBLマンガのアンソロジー。
カストラート(去勢された歌手)を題材にした梶本さんの作品
■誰が駒鳥殺したの?
が凄まじくて購入して真っ先に読んでから軽く鬱に。いつものことだけど(笑)
実は急遽代原で一週間で描かれたとのことで、このアンソロを本屋で見つけただけで私は発行が間に合ったことに泣きそうになってしまった。
サイトの日記でヒーヒー言いながら頑張ってる梶本さんを毎日見守っていたので、更に感無量。頼まれて一週間で完成したとのことなので正直期待しないように心がけていたし
受けが攻めと出会ってセックスした・という内容でも受け入れようと覚悟していた(笑)
でも流石というかやはり梶本さん。あまりの鬱エンドにあたふたして救いを求めて
他の作品にも目を通したのですが、それが読み応えが有りお陰で救われました。
■ボクの大好きな
メルヘンでおとぎ話から抜け出たような可愛くて綺麗な絵
一見かわいらしいエンドだけど考えようによっては怖い
マザーグース原文を知ってるともっと楽しめるかもしれない
■サー・オースティンの個人的な思い出
キラキラ星を見つける、最後のページに涙した。
優しい物語が鬱エンドで傷付いた私のハートをマイルドに包んでくれたのでした(笑)
優しいお話に救われた。
■ぼくのおんどり
産卵・大好物です
■誰が駒鳥殺したの
中世ヨーロッパ?のオペラ歌手の兄弟の愛憎もの。
カストラートの兄に嫉妬する弟だが、やがてカストラートの人気がなくなって
立場が逆転する。
しかし弟は兄を離さない、出家しようとする兄をも許さない。
客席に向かって怒鳴る弟の姿を、後ろから見つめる兄のページが印象的で辛い。
誰が駒鳥を殺したのか?
歌の歌詞なら雀である弟なのだろう、でも原文にはあらゆる動物が駒鳥を取り巻く。
それらは彼ら兄弟を取り巻く親戚や観客、支配人や環境そのものなのではないだろうか。
駒鳥は殺したのは・・・結局は自分自身なのだろうか・・・。色々考えてしまった。
あの弟この先どうやって生きていくんだろう。気が狂ってしまうんじゃないだろうか・・・?
シェイクスピアのハムレットやリゴレットを思わせる内容にただただズズーン・・・
当初はどんなアンソロか判らないので梶本さん目当てで購入したのですが、アンソロという形式で良かった。
テンプレ話は一つも掲載されていなくて全て独自の解釈が光る唸らせられる一冊になっていてとても読後感充実しました。
買って凄く良かった。余韻が残る一冊で完成されたアンソロでした。
ひとつ注文を言うとしたらーマザーグースの原文に翻訳が掲載されていればもっと楽しめたのに、そこはちょっと不親切かなーと思いました。
しかし24ページでこういう内容を描いてしまうって頭の中どうなってるのかしら。
梶本さん一生連いていきます!
一週間で24ページということは三週間で72ページということですね!!
わくわく(冗談ですよ!笑)