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maestro no koibito
■プロローグ
若きマエストロ(オーケストラの指揮者)神崎 壮一郎(かんざき そういちろう)は
自身が指揮を担当する演奏会でオーケストラのメンバー達に演奏をボイコットされてしまう。
プライドの高い壮一郎は「演奏しないオケなど鳴らない楽器と一緒だ」と一蹴し、楽団の人間関係に亀裂を生じさせてしまう。
理事長から謹慎処分を言い渡された壮一郎は、同じ謹慎中の身であるヴァイオリニスト天美 奏太(あまみ かなた)と出会う。
避暑地で自然と触れ合いながら奏太と語らううちに、固くなっていた壮一郎の気持ちはゆっくりとほぐされて行き…!?
■感想
「オーケストラ」という大きな題材に目を向けた、ちょっぴり切ない恋物語です。
主人公の壮一郎はとてもプライドが高く、妥協しない性格の持ち主。
片や、奏太の方は暗い過去を持ちながらも、とても奔放な性格の持ち主。
「性格の異なる二人」を描きながら、背景に「音楽家」という共通の境遇が盛り込まれており、思わず魅了されます。
また、音楽に関する専門知識がふんだんに散りばめられており、広い世界観が描かれています。
凝り固まった考えを持っていた壮一郎が、奏太との何気ない日常生活の中で少しづつ人間性を成長させていく展開はまさに「圧巻」の一言。
読みものとして、とても内容が練られた作品だと思います。評価は「神」とさせて頂きます。
《総評》
★★★・・ :ストーリー
★・・・・ :エロス
★★★★★ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成
初見の作家さんでしたが、オケ物の漫画が好きなので読んでみました。
美しいけど繊細すぎずラフな感じのあるイラストがとても好きです。
キャラの二人もすごい好きだった~!
ストーリー、キャラ、作風、どれも既存のものに埋もれることなく、かといって野暮な奇抜さもないので、とても好感がもてました!
特に、食えない男・天美(攻)が好きですね~。
非常に私好みの殿方ですw
「人格の矯正には恋愛がもっとも効果的だそうですよ。」
こんなことを飄々言うんだから、ほんとくえねえw飄々としていて物腰柔らかだけど、実は言いたいことズケズケ言う意地の悪さがある。しかもそれを隠さない図太さも。優しくない男は好きです。
一方の高慢な若手新進指揮者・神崎も、なかなかにいいキャラしてます。
この男も結構意地の悪いことを平気で口にします。というか、彼にとっては正論なので意地悪を言ってるという自覚はないみたいです。思いやりとか知りません。
こういう実力備えたプライドの高いタイプの受の子は、常識不足だったり天然キャラだったりという属性がセットなんですが、この神崎はそうじゃないんですよ。それもよかった。
食えない男・天美を前にしても全然威勢負けしないし、キッパリと対抗するんです。しかも、激情家でもない!口論でヒートアップしても理性をなくさず、天美相手に対等にやりあってるのがいい。
天美みたいな男は相手を怒らせて言いくるめるのが定石だろうと予想してたので、安易にその流れにならなかったのが面白かったです。簡単に籠絡されなかった神崎にバンザイ!
一流ヴァイオリニストと一流指揮者。ともに対人関係に難有りでど田舎の避暑地なんて場所に追いやられたのですが、似たもの同士というかなんというか。そんな二人が相手といることで自分に足りないものをみつけていく…、というシナリオも単純明快でよかったです!
ヘタに重すぎる過去のトラウマとか出てこないのがグッド。
我の強いキャラとわかりやすいシナリオ。好みの絵柄に、オケという非日常の設定も新鮮です。あと、読後の爽やかさもいいですね。もう少し話していたかったのにあっさり「さよなら」を言われたような喪失感があるものの、うまくかわされたな~と思える爽やかさ。まあ1冊でまとめるにはこれがベストだろうと思える終わり方です。希望としては2巻くらいの長さで、もう少し丁寧にいろんなエピソードをみたかったなぁと思いました。
ストーリーに重きをおいてる作品なので、濡れ場は少なめ。そして、そんなストーリーよりも何よりもキャラに惚れた作品でした。もっと絡めよーと思う人には物足りないかも。
電子で読了
PCで電子本読むのになかなか馴染めない。
紙の本だと「読んだ」だけど、PC画面だと、どうしても「見た」になってしまう。
多分、電子でも紙の本でも、1冊分の分量は同じはずなのに、電子だと180Pがあっという間。
この作品も、オケが神崎をボイコットする理由も、天美が田舎に引っ込んでいる理由も、そして、神崎が天美を受け入れる理由も、どれも上滑りして、そんな展開にいつの間になったのやら、ちょっと呆然としたまま終了。
絵も丁寧できれいなんだけど印象に残らない。
どうもPCの画面に見開きで表示されるスタイルのサイズ感や、画面の明度とかコントラストに馴染めなくて、多分、紙の本で読んだなら、もうちょっとお話に入り込めそうなんだけどなぁ。
というわけで、ちょっとおまけして「萌」
この作品、ものすごく慨視感があり、携帯配信だったそうですが、それで見たのかな?それとも似たストーリーを見たのかな?
そっちの方に気を取られてモヤモヤモヤ~、、、よくあるストリーなのかな?
それを、置いておいても何だかな~結末に本当に解決したのかどうか怪しく腑に落ちず、な感じなんです。
楽団員とうまく交流することができずすれ違いのまま本番で演奏をボイコットされるという屈辱を味わった新進指揮者の神崎は、オケの理事にリハビリと称して田舎のある人物の指導をして欲しいと言われます。
ズブの素人かと思ったその人は、有名バイオリニストの息子の天美で、図られたと怒る神崎ですが、2人で田舎暮らしを過ごすことになります。
この天美のトラウマというか、彼がまっとうにバイオリニストとして活躍できない足枷を、神崎の率直な言葉によって解くことはできるのです。
オケのメンバーに「演奏しないオケなどならない楽器」と言葉を投げつけた神崎については、”奏者を楽器として見ている神崎”が問題なんだと思います。
楽器としてしか演奏できない天美を通して、心の通い合いや自分の演奏をすること等を学ばせようとしているのかな?とおぼろげに思うのですが、
神崎は、あくまでも神崎で、彼が隠遁して見出したものというものが明確にされてこないのでモヤモヤするのです。
「あ、自分にはそれが足りなかったのか」と神崎が気がつくシーンが全くないからです。
それが、どちらかというと天美が神崎によって覚醒させられて、神崎ラブになっちゃうっていう展開の方へシフトしてしまった為に感じる、不満なのかもしれません。
結局のところ、楽団を維持するために駒として使われた2人だったということなのですが、結末は想像通り。
設定は悪くないのですが、恋愛に持って行く過程としても田舎に2人きりというのはいい設定ですが、やはり神崎が、自分が何が問題なのかというより、ボイコットした楽団員が問題だったと思うんだけど・・・と思ってしまうような最初だったのが、説得力にかけてしまうきっかけだったような気がします。
絵は可愛らしくて私は好きでした。
また前の方のレビューにも書いてありますが設定は面白そうだなと思いました。
ただ一巻完結だから仕方ないのか話が詰め込まれ過ぎて物足りなさを感じます。
絵や設定が良かった分、話の内容の消化不良が残念でした。
神崎と天美の音楽に対する態度が明らかに専門的なそれでした。他にクラシック扱った作品に比べて、このへんはよく調べていらっしゃると思います。
あとがきのスペシャルサンクスにバイオリンの先生とあったので色々お訊きになられたのかなぁ…?
でも、うまく弾けたとかはどうでもいい、君たちの音を聴かせて欲しいって言ったら寧ろオケは喜んでついて行くと思いますけど。そんな指揮者素晴らし過ぎるし。コンマスあんな風に悩んだりするはずがありません。そして、お互いがどんな音楽を作りたいのか、話し合いの場を設けるかな。いくらなんでも仕事なのでどんなに指揮者がクソでもあのボイコットの方法は現実には有り得ないと思います。あんなことしたら指揮者でなく、オケの評価が下がります。
田舎暮らしのシーンがのんびりしていて楽しかったです。ラストの指揮棒振ってるとこは、ひとつ成長して、自分の中に蓄積されたんだなぁと思いました。
でも、あれでお互いが晴れて恋人になる理由がわからないです…やっぱり片方がゲイだとノン気でもその気になるのか…というわけで、萌えを求めるBL作品としてはいまいち欠けるので評価は中立とさせて頂きます。