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あんたとふたり、檻の中。
大好きな本仁戻さんが定期連載以外で短編を描いたという、スランプに陥って、かなり苦しまれている様子をHPで伺っていましたので、是非これは見たい!と思いまして購入です。
”プリズン”というお題通り、刑務所モノももちろんありますが、それは”囚われの身”であったり、出られない状態に押し込められたというものもありで、ズバリの刑務所モノは4作品でした。
■本仁戻さん『黒のヴァルハラ』
耽美小説風、本仁さんらしい作品に仕上がっていたと思います。
二つの槍と呼ばれ、片方は「お前が生きているから生きて行ける」と言う。
その片われが陰謀に巻き込まれ行方不明に。
6年かけて探し出した彼の姿は、その以前と変わりなく、しかし本当は・・・という幻想風の、友情以上の心の結びつきを描いた中世を舞台にした作品。
ネームに苦しみ、それと絵との融合にも苦しんだと書かれていましたが、『サンビカ』に挿入されている幻想調の作品の復活のように見えました。
セリフや展開が劇風でセリフが多いですが、充分にその雰囲気が伝わってきます。
本仁節だなぁ、と、この作家さんらしい作品に、これで早い復活をしてくれればいいな、とエールを送りたいです。
■池玲文さん『女帝の首狩り』
中国の王朝を舞台にした赦されざる主従の禁断愛とその結末を描く作品。
エロは一切ありません、気持ちのみ、それも押し殺した。
巻頭のカラー表紙がとても素晴らしいです!
刑務所モノは、日野ガラスさん、真枝真弓さん、七織ニナコさん、本庄りえさん、ですが、単純なものではなくどれもトラウマなどを抱えて人間関係がクローズアップされた、秀逸な出来でした。
真枝さんは、看守と囚人の関係をSMの裏と表でなかなかに面白い作品。
看守はS受けで、囚人がM攻めなんですが、それが途中で逆転して、、、怖い感じもして、この二人壊れてる感じがしてゾクっとします♪
本庄さんの作品は、独房に2人という状態で同室になったのは、加害者と被害者の家族だったという、これもラストが恐ろしい!
この4編は、真枝さんが変態モノである意外、切なさが前面出しの心を打たれる作品です。
腰乃さん、主人公は本田と渋谷のリーマンカプ(って言っていいのか?)
この二人って、過去作品で出てますよね?
バス待ち中にもよおした渋谷ですが、立ちションがどうしてもできなくて、しようがないから、近くにあったラブホに本田が連れていくと、空いていた部屋はSM部屋でリモコン弄ってたら渋谷が檻の中に!?
本田の渋谷いじめが何と・・・!!
ブラックきいた苛めに、かわいそうなんだけど笑ってしまいますww
千歳ぴよこさんは、遺産争いに監禁された跡継ぎの少年と、社長秘書。
蛇龍どくろさんは、とじこめられた不良がそこで出会った伝説であこがれの少年。
琥狗ハヤテさん・・・これはプリズンといえばとりようによればだが、どちらかというと擬人化とか、ひきこもりとか・・・何故にプリズン?な紅茶の精の話。
1作品以外ベタでなく、ひねりが効いていてこなれていました。
本仁さん、年内には青猫出せそう?スタンレーホークも、頑張ってほしいです!
よくよく考えれば分かることなんですけどね(笑)
独房とか、刑務所ものなんだから多少は暗い話が多いとw
腰乃先生のジャケ写にみごとに引っかかってしまいましたよw
えっとそうですね、比較的、すっきりするものはないですwほとんどww
体でつながる看守と受刑者・・・
愛し合った人との関係が、まさかの加害者被害者の関係だったりと・・・
このラストがまた怖い!恨みと愛と狂気と・・・・
なんかもう怖くて『萌え』とかじゃなかったです(;´∀`)
陳腐な例えをすると『昼ドラ』って感じが多かったです。
『萌え』を求めて読むものじゃなかったかな・・・・
あまり記憶にも残ってないので。