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ドS天才画家、新米ムスコを飼育開始!
鹿乃しうこさんが、「初田しうこ」名義だった94年に出版されたコミックスの文庫版。
どれもが90年~92年頃の作品なので、すごく、すごくノスタルジックな絵と作風に、今のあの肉体派の絵の欠片はみじんもなく、当時の流行の絵柄に思わずニヤニヤしてしまいます!
学生なのに画家として知名度を上げかけている嵯峨が拾った、親を亡くし親戚からも捨てられた少年・郁夫と養子縁組し親子関係になりながらも、本当の”愛”を見つけて育てていくお話が、嵯峨の過去を織り交ぜながらオムニバス形式で表題作として5本。
ごくごく短い短編が4編で構成されています。
ちょっと背伸びした雰囲気系の作風で、実に当時を思わせて懐かしい進行です!
よりどころを亡くし、嵯峨に拾ってもらったものの、その意味が見つけられずに深海魚になりたいと願う郁夫。
その後に語られる、嵯峨の過去と遍歴。
結構すさまじいものがあるのですが、ある種淡々として、、
嵯峨と郁夫が似たもの同士というのは、心が似ているのかもしれない。
それを6歳だけ先輩の嵯峨によって、お互いが引き合うことによって、救い合っていたのだと気がつかされる。
初めて愛を語るのは、実に十数年に渡る長い時間の後だが、しみじみしたものを感じます。
ほとんどが同人作品なのですが、その流れは少女漫画といかにもJUNE的な、と月並みな表現しかできませんが、やはり、今の鹿乃さんがあればこその、原点だなと思いました。