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inu no seikatsu
それぞれしっかりとプロットが練られているのを感じられる短編集。
それだけに、「もっとじっくり読めたら…」という物足りなさも感じます。
【犬の生活】 萌
駆け足で進むのがもったいない!
元資産家のおぼっちゃまと元お世話係の話です。
引き取られてからのしあわせな日々から没落、さらにその後の人生の選択と再会が1話に詰め込まれているので、ダイジェスト版になってしまっているのが残念。
何話かかけてもっとしっかり読みたい作品。
【方舟管理人】 萌?
ある離島で「方舟の準備」という名目のもと、1種類につき1組の番しか残さないという仕事をしている史伸(しのぶ)と元獣医の矢嶋。
複数生きているものを殺し、新しい命が生まれれば年老いた方を殺す。
殺伐とした仕事に疲れた心と体は…、という話ですが、そこに付随する要素が物語により深みを加えています。
短いけれど読み応えがあって、「萌」では評価できない作品でした。
【夜夜】(よや) 萌
吸血鬼の話ですが、「蜂のひと刺し」のような感じで、死ぬ瞬間に噛まれると吸血鬼になるという設定が斬新。
ひょんなことからずっと封印されていた棺桶から吸血鬼を出してしまった少年との関係が描かれているものの、心理描写がないので、会話から読み取るスタイル。
2人のなれそめは分からないけれど、深い愛は実感できます。
【解体屋】 萌
リーマンの比嘉には裏の顔がある。
裏社会の人間と、同僚の平山だけが知っている彼の職業は遺体の解体屋。
暗くて重い空気の中で平山が語る夢物語が切ない。
【モノマニア】 怖
デリヘルでバイトしている大学生の崇。
客の三田村は人を「モノ」としてしか愛せない人間で…。
名前、職業、人となり、表情など、どれも人をモノではなく「人間」にする要素で、それを知ってもなお愛したいと思える存在に出会えたら…、という話かと思いきや、最後に背筋がゾッとしました。性癖ってこわい。
【犬のように駆けていくよ】 萌
年上の恋人に「受験が終わるまで会わない」と言われた受験生の短い話。
タイトル通りです。
【春の足音】 萌
習字教室のエンちゃん先生に惚れて、10年通っている洋介(16)。
教室を閉めて引っ越すエンちゃんに…。
薄寒くなるような作品が続いたあとで、ほのぼのしたこの作品が救い。
【ドアを叩いたのは誰だ】 萌2
骨折して入院した外村(そとむら)お見舞いに来た見知らぬ男。
いきなり告白をしていった男(木内)にだんだん興味がわいてきて…、という話。
収録作品の中で一番「ザ・BL」という感じの作品。
ノンケに惚れては悲しい終わりを経験してきたゲイリーマンと、ノリが軽いノンケくんのほのぼの時々胸きゅんな話でした。
ラストがほのぼのだったので、読後感はほんわか。
収録数が多いし、いろいろなジャンルを読めるけれど、「どかーん!」と突き抜けて胸に刺さったり、激しく揺り動かされたりはないかな。
初読み作家さんです。
電子書籍サイトで丸ごと1冊無料だった時に読みました。
短編集で全部で8つの作品が収録されています。
全体的にはほのぼの、少し切ない系の作品が多かったです。
表題作や『方舟管理人』、『モノマニア』には独特の設定が見られて好きだったのですが、どれも短かかったのが少し残念でした。
先が気になるお話やもっとじっくり読みたかった作品が多かったので萌え度は中立で抑え気味にしています。
ワンコや健気なキャラも多め。H度は少なめな作品が多かったです。
短編8本のショート集ですが、どれもちょっとブラック風味で、題名に誘われると、地雷を踏む人が出る可能性があるので取扱注意!な作品集です。
8本のうち、バッドエンドではないものの、そこそこ甘いものは後半の3本(うちラストはネガです)のみ。
モヤっとするのを嫌われる方は避けたほうがよさそうです。
といいつつ、自分的にはこのモヤっと感といびつ感が好きなので評価は萌えです・・・
表題は、犬として金持ち坊ちゃん宅に引き取られた桂の、人生を分かってもそれでもなお且つ犬であることを辞めない、徹底した犬っぷりが見事すぎるほどの見事さなのですが、
それは、再会したご主人様である総一郎を選んだ先に見える、苦労も予感させるので、犬としてはどんな苦労もいとわないのかもしれませんが、第三者的には心配になってしまうかもしれません。
『方舟管理人』
各種類の動物を番のみ生かし、あとは殺してしまう。
そんな”疑似楽園”である離島で動物管理をしている二人の男。
ラストに、そこからの脱出と新しい未来を予感させるものをもってはきましたが、それまでの離島での生活シーンが、本当に人格を壊してしまいそうなほどに怖いです!
『夜夜』
吸血鬼に血を吸われて仲間になるのは、死の最後のひと噛みだけということで普段は人畜無害であるのだが、その吸血鬼が手違いである家族の元にやってくる。
少年と離れがたい存在になる吸血鬼だが、同じ仲間になる日は一体?
さらっと軽く流せば愉快な話であるのだが、寿命とか長い時を生きる苦労を思うと何故か明るく済まされない気がしてくるのです。
『解体屋』
この本の中で最もわかりやすい、ある種のホラーだ。
普段会社員をしている比嘉の裏稼業は死体の解体仕事。
それが比嘉の性的嗜好なのです。
そんな彼を愛する男は、いつか南の島で隠居して、そこで殺す生き物が亡くなったら自分を殺してもいいからと言う。
カニバリズムでないだけまだいいが、何か怖い愛なのです。
『モノマニア』
売りで好きになった男性は、声を出したり反応したりしないように、モノのようにならないと行為ができない。
彼を愛してしまった売りの青年は、モノでなくなると愛してもらえなくなるからと、モノであり続けようとする。
ラスト、偶然とはいえ包帯まみれになってしまった青年の姿に瞠目する彼。
治らない性癖の怖さを持つ者を愛してしまったあきらめに似た自己犠牲が、その前の「解体屋」の作品と少しリンクして、怖さを感じる。
この上記5作がイタイ作品で、自分的に好き。
主人公のモノローグ風に進むので、ちょっと小説っぽいのだが、話としては分かりやすいと思う。
ブラック風味を求める方へお勧めします。