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大正怪奇ミステリー(コメディ)浪漫!名探偵登場!
08、09年の作品と描き下ろしを加えて構成された第二巻。
一巻の最後の掲載が03年でしたから、5年も間をおいて、続いていたことにファンとしては嬉しい限りです♪
時は震災前のモダニズムあふれる東京で、挿絵描きの出泉と、出版社編集の南くん、芝居小屋看板役者の葛葉というレギュラーメンバーによって繰り広げられる、ちょっとオカルトなミステリー(コメディ)。
前作に比べてBL(ML)度はかなり低くなっておりますが、それでも色気あふれる男達が多々登場して、お約束のヘタレ南くんがいじられるのは変わらずに、出泉が謎解きをしていきます。
『懐古の蟲』から『後書』まで何気に続きになっています。
夫である作家・野之原の妻が死に、錯乱している彼に気がつく南。
野之原は、同じ作品を題名を変えそればかりに執着するわけは?
鵺のような不思議な生き物に変化した亡き妻と、野之原にとりついたイモ虫。
その表現がグロテスクながら見事です!
そして、その野之原の作品を戯曲化するということで、劇作家の幕翁氏の話へと繋がります。
次から次へと男女境なく愛人をつくっては回殺すという色難のある幕翁に、その養母であった美貌の亡き女優の怨念が絡んで、シュールにコミカルに謎が解かれていくのです。
霊能力があるという葛葉、そして就かれやすい南くんの霊媒体質などが、出泉の推理と相まって解決に運ばれていく様は、不思議空間や、義母の秘めたる恋心などが込められていて、その流れが粋でお洒落です。
ここに登場した片目の大尉というのが、次回作品に何やら関係してきそう♪
前作、鬼の腕の話の時に登場した青年・鶴吉もイイ男になって登場、なにやら葛葉に・・・?
オカルトものであるのに、全体を通してコミカルに進む中で、ラストの『寓話の飼育』は04年の作品で前作の流れを汲んでいるのと、唯一震災後という設定の為、割とシリアスタッチ。
ここで出泉の子供時代が出てきまして、なにやらその出生が気になる!
男×女もあれば、男×男もあり、しかし実に色気に溢れる作風で愉しませてくれる、読物としてもとても満足のいく作品です。
京極夏彦とか好きな人には、イケるんじゃないかな?