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「ボクと恋人のフリをして頂けませんか?」
さらっと描いたような画に、奇想天外なストーリー。
この人しか描けないよなーと思わせる作家さんだと思います。
この本に関して言うと、
表題作があまり好きになれなかったのでこの評価です。
主人公の高校生に感情移入するとどうしても、なんだか虚しい。
ですがそのほかの短編はわたし的にはどちらも良かったです。
テンポがいいというか、グダグダは置いといて恋愛成分をぎゅっと抽出した感じ(何言ってんのって感じですがそう思ったので・・・)
ちょっと変わったBLを読みたい時にいいんじゃないかなーと。
なんかエキセントリックな雰囲気の作品でした。
この雰囲気が好きな人には面白いのかも。でも私はまったく面白くなかったです。謎の雰囲気についていけなかった。
書きたいことは何となく伝わってくるんですが、どうにもモニョる。
双子の近親相姦やら妻が妊娠中のセックス話を、禁忌感を出さず爽やか~に描かれてもなぁ…という感じ。その爽やかさに不快さが募りました。
双子は三十路らしいけど、こんな社会性なさそうな三十路にまったく魅力を感じないです。
他短編いくつか。
どれもやっぱり空気感が私には合わず。
読んでて疲労しました。
こう、
見てると、
私って
ホントに
背景いらない派だな。
人物はしゅっとした絵で、
画面の省略も効いてて、
フリーハンドでざっと書かれた背景も雰囲気が合っていて、
絵は結構好み。
しかし、如何せん、あの双子がどうにも受け付けない。
「お願いは聞いてやる」貫クンはかっこいいんだけどねぇ、、
前回の単行本が07年、これは08~09年の作品が収録されていますが、その絵の変化に注目してしまいました。
今回は短編集でなく表題『最初で最後のきみに』が割とがっつり4編に渡って続いているので、その世界観がわかりやすく、不思議ではあるんだけど、やっぱり好きな作家さんだな~って実感させてくれました。
貫が生まれる前、母親を助けた義理があると突然家に居候に来た三十路の椿という男が恋人の振りをしてくれというお願いに、貫は何故か断れなくて付きあううちに、惹かれる自分を意識しだす。
しかし、その椿には貫の生まれる前の父親との因縁があり、というトラウマ克服物語・椿の双子の弟・航からの自立、など様々な要素がてんこ盛りで入っているのです。
航の異常なほどの椿への執着や、禁忌の兄弟関係(?)もありながら、それは欲情としての愛ではなく、実に癒しとして、守る者としての愛が大きい部分、航がわき役ながらとても重要な役割を担っています。
当の椿については、恋愛という部分本当にそうだろうか?という疑問を持ちながらも、これは貫の亡くなった父とは別の人格なんだということはきちんと意識している様子。
そしてラストはまだこれから、、、という展開を見せるのですが。
少年・貫の最初は嫌々なそっけない部分がだんだんと可愛らしい、一途で真っ直ぐな、変に大人ぶらずにかといって子供っぽすぎない対応と、関与の仕方が気持ちがいいのです。
こんなに小難しい表現や、紆余曲折がなくてもいいのに、と思いがちですが、読むほどにそれは味わいを深く増していきます。
双子達の生活感のなさが、現実なのに不思議ワールドを演出しているようです。
1話と2話目の間があいているので、貫の髪や顔の変化に少しとまどうかも?
ちょっと少年マンガっぽい貫の髪型がチャーミングです♪
『アイウィルゴー』
新米刑事が、TVで見たあこがれと現実とのギャップに立ち向かい(?)先輩に翻弄される話
『ネバーエンド』
友人の命を賭けた(?)捨て身の攻撃に”永遠”を垣間見るイラストレターの話。
雰囲気系の作家さんなので、細かい突っ込みは無しで見ましょうww