__モコ__
『雪よ林檎の香のごとく』同人誌4冊目。
まずはじめに。
竹美家ららさんの描く表紙に相当キュンと来ます…!
ふたりのたくさんのキス。最近涙腺が弱いのか、あぁ幸せそうだなと思えば思う程目頭が熱くなる私(笑)
『キスなんて大きらい』ってタイトルなのに!いっぱいしてる!
親知らずを抜いて頬が腫れていた桂。
前歯の乳歯が抜けそうでマスクをする志緒。
頬の腫れを気付けなかった志緒。
見れば分かると、前歯の乳歯に気付いて居た桂。
何でしょうね、もう絶妙なバランスって言うのでしょうか、このふたり。
アカラサマな単語で「大人」「こども」と言うのではなく、ちょっとした体の変化だとか、成長するに従って出て来る自然の摂理だとか、誰もが経験するその「ちょっとした」ことが、大きな溝になったり焦りを感じさせたりと、本当にお上手だなぁ…と思ってしまう。
クリスマス前夜に会おうと約束するのだけれど。
ちょっとしたことで言い合いになって、お互いがお互いに対してカチンと来るような言葉をぶつけて。
桂は「あー……」と頭で考えるけれど、志緒の突拍子のなさがここに健在。
会いに来て、マスクをしている真実を伝えて、と。
笑われることが嫌だった?こどもっぽさを知られるのが嫌だった?
志緒のそんな小さく大きな悩みを、いとも簡単に解決するのは、やっぱり桂なのだなぁと。
ぷつりと前歯を取るのは、桂の舌先。
その行為がひどく官能的というか、ぞくぞくさせられてしまって、何度も繰り返し読んでしまった…。
「大人になれ」。
桂の心の声が、初めて志緒に向けられたのでしょう。
そう言われた事が寧ろ嬉しい志緒が、とても愛しいなと思いました。
まぁ、歯で抜けたら凄いですよ桂先生(笑)
同じタイトルの絵本があるなー、とまず思った。
黒地にネコが腕組みしている絵の表紙、大人扱いして欲しいヤンチャ坊主の話。
http://www.amazon.co.jp/キスなんてだいきらい-世界の傑作絵本B-トミー・ウンゲラー/dp/457940100X
本編の最後、桂は「明日の朝起きたらキスしてもいい?」と聞いた。
でも夜が明けても、桂はキスをしてこなかった。
経験値の違いをあれこれ考えて我慢したり躊躇したりする桂の気持ちなんて分からない志緒。
何故?と苛立ってあれこれあれこれ…っていうのが、同人誌「Why Don't You」。
これはそのさらに続き、二月過ぎて12月。
昼は先生と生徒だけれど、夜になると恋人同士として電話で話す毎日だ。
付き合い始めた恋人達の、何を話しても楽しいけれど、なんとなくまだ落ち着かない感じ。
12月と言えばクリスマス、二人は敢えて24日のイブではなく23日に約束をする。
そして、世界中の初めてのクリスマスを迎える恋人同様の悩みを、違った風に悩み出す。
何をプレゼントしようと喜んでくれるのは分かっている、
分かっているけれどそれに甘えたくないと思う志緒くんと気位の高さが好き。
お互い付き合っている事は内緒なので、それぞれ23日にも遠慮なくお誘いが入る。
勿論二人とも上手に断ったのだが、担任として志緒達のクラスが23日に出かけることを聞いた桂は、
つい志緒にクラスの集まりに行く事を勧めるようなことを言ってしまう。
怒る志緒。
桂の大人としての罪悪感や迷い、志緒に向ける複雑な愛情を、志緒に分かれという方が無理だ。
歯のエピソードも可愛い。
同じ時期に歯のトラブルを抱えて歯医者にかかる事になった二人だが、
それはやっぱり大人と子どもの違いがある。
「先生が親知らずの話をしているのに俺は乳歯?それこそバカみたいじゃんか」
あー、可愛い。
こうして、年齢や経験や考え方や感じ方、そんな色々な差異に傷ついたり悩んだりしながらも
少しずつすり合わせて、生きていくんだろうな。
まだ序の口だね、二人とも!
「雪よ林檎の香のごとく」 の同人誌で 「Why don't you」 の続きです☆こちらピンでもかなりかなり楽しめるのですが、やはり前作も読んだほうが色々と倍増しますね…! ←
「Why~」 でもチュウをしなかった志緒ちゃんと先生。
すっごくネタバレですが、そんなの今更なのでもう関係なしにいろいろ吐露しちゃいますね…!
まさか…まさか歯で萌えるとは思いませんでした…っ
噛み付きプレイとか (?) にはよく萌えているんですけれど、歯それ自体のどうこうに萌えるなんてっ
高校生のころって、大人が親知らずの話をすると変にたぎりますよね。これ、すごく共感しました。私も高校の頃、政経の先生が親知らずを抜いた時の話を授業中の雑談としてお話してくださったとき、みんな異様に食いついていました。
「受験中になったら大変だよ~」 とか、「マジで痛くて失神しそうになった」 とか、先生が脅すたびに高校生の目は輝くんです。どうしてなんでしょうね?なんとなく、大人への通過儀礼というイメージが根付いているんでしょうか。
まぁそんな心理学は置いておいて…。
先生が親知らずの最後の1本を抜いたそうで、そこでまた志緒ちゃんは、大人との越えられない壁を感じてしまうんです。ほんとうに…いろんな形で、見せ付けられるんですよね。大人、子供っていう境界線は。
なかには、年を取っただけの子供みたいな大人や笑いもしないマセガキも存在しますが、でも身体的な違いは、相手に合わせることもできないし、自分でどうにかなるわけじゃない。あくまで自然に見えてしまうものだから、切ないんですよね…。
しかも、「先生が大人である」というだけならまだしも、「自分は子供である」 っていうことまで、他の誰でもなく自分自身によって見せ付けられてしまうんだから、切なさは倍増です…。
※ここから大いにネタばれます。ご注意ください…!※
ベタベタすぎるクリスマスになんて会えないと考えた二人は、イブイブにデートをすることにします。でも志緒ちゃんは、ちょうど今にも抜けてしまいそうな前歯の乳歯に、色んな意味で不安になってしまいます。
デートがあるのに、それにまだ学校もあるのに抜けたらどうしよう。
先生は親知らずなのに、自分は乳歯…?って。
それを隠すためにすれ違ってしまったり、でもそれは、種明かししたら先生が優しく笑ってくれるくらいに些細なことで。…ほんと…、ほんとうに志緒ちゃんて、可愛い。です。
大人じゃない自分を、いつも凄く気にしている。気にしているのが分かるから、先生は何も言わない。でも…今回はじめて、先生は「はやく大人になれ」って言いました。
もう…先生は、志緒ちゃんをいとしく思って仕方がないんだろうなぁ…。
改めて思います。こんな可愛い子でさぞたまらんでしょうと。
先生の 「大人になれ」 の願いが、ほんとうに切実なもので心臓鷲づかみです。そうですよね、はやくいろいろしたいですよね…。 ←
何かあるたびに二人はいちいち切ない反応をするから、胸がキュウンとしてしまいます。志緒が大人になるまでを、見守ってあげたくなります。
……でも、そろそろ別の作品の同人も見たいかな、なんてね!(あ。
やっぱり可愛かったです志緒ちゃん。
風邪でもないのにマスクで口を隠している志緒。
桂は親知らずを抜いたところだというのに、
自分は…乳歯。
乳歯!
そんなことを気にしちゃう彼のいじらしさに桂がメロメロなのが、手に取るように分かります。
結局志緒からのクリスマスプレゼントは乳歯なのでしょうか?笑
ららさんの裏表紙、キスで桂が勢い余ってるのを志緒が必死で止めてます。イイ!
コミック調で可愛いです。
実は無料配布ペーパー分の方が好きかもしれない。
キラキラ光っている志緒。
それによる桂の不安と、それを上回る嬉しさが詰まってます。