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routashi amaki mitsu no katashiro
花降楼シリーズの中でまだいくつか読んでいない作品がありまして、この作品も読むのを後回しにしていた作品の1つでした。
元々、綺蝶と蜻蛉が大好きだったので、この2人が廓を去ってしまった後のお話を読む気になかなかなれなかった・・・というのもあるし、なんといっても綺蝶と蜻蛉の間を引き裂こうとした岩崎様が主役という事で躊躇していたんです。
「愛で痴れる・・・」の時の岩崎様には嫌なイメージしかなかったので・・・
しかも、綺蝶に似ている子を光源氏のごとく育てていく・・・という設定にも抵抗があって・・・
でも、ある日突然そんな岩崎様がいったいどのような形でイメージアップされているのか、そしてどのように物語が収拾するのか無性に気になり、読む事にしました。
今のところ始まりや途中は不幸だったり、色々とかわいそうな事態が起こりつつも絶対にハッピーエンドになっているので、この作品もそうだろうと信じて読み始めました。
結果、読んでみて良かったです。読みたいと思った時が読みごろ!!!だったのでしょうね。
今だからこそ岩崎様の気持ちや行動を理解できるようになりました。
それに、娑婆での綺蝶と蜻蛉も思いがけず登場し、嬉しかったです。
それに、今回は、おそらくシリーズ第一作目の「君も知らない邪恋の果てに」以来、受け様がただ一人だけに抱かれる・・・というお話にもなっています。つまりは椛は岩崎様以外には抱かれずに済むんです。
現代のお話ではありながらも、吉原の中では時代が昔に戻ったかのような雰囲気を感じ、口調や小物(携帯電話とか・・・)は現代でもあり・・・
でも、それらがうまくマッチしていて、何ともいえない不思議な雰囲気を醸し出している花降楼シリーズ。
樹要先生の描かれる攻め様がまたとても妖しく美しくて・・・
とても大好きなシリーズです。
今作に出てきた藤野と諏訪様のお話「恋煩う夜降ちの手遊び」は今回のお話と時間軸が一部連動しているとの事で、続けて読む事をお勧めします。
花降楼シリーズ第九弾、第二弾で蜻蛉を身請けしようとしたものの、すんでのところで逃げられてしまった岩崎がメインとして再びの登場です。
岩崎の過去、花降楼でどんなことがあったのか、また岩崎は若い頃どんな男だったのか、というのを知っていた方が話に入り込みやすいと思うので、こちらを読む前に、少なくともシリーズの第二弾は読んでおいたほうがより楽しめると思います。
第二弾が好きだけどこちらはまだ読んでいないという人は、綺蝶と蜻蛉のその後も出てくるのでぜひ読んでください。
少しだけの登場ですが、密度の高い数ページでした。
岩崎はあの事件以来、花降楼からは遠ざかっていました。
ですが友人に紹介を頼まれて久々に登楼したところ、蜻蛉に良く似た面立ちを持つ禿の椛を見つけます。
それから岩崎は椛が仕える傾城の藤野の客という体をとりながら実質まだ禿の椛の客として花降楼に通い始めます。
そして椛を甘やかしながら、傾城のあるべき姿と称して椛を蜻蛉のように育てようとするのです。
そんなことは何も知らない椛は、ただ優しくしてくれる岩崎に好意を寄せていきます。
でもそんな関係はうまく行くはずありません。
ついに椛はなぜ自分がこんなにも岩崎に目をかけられているのか、その理由を知ってしまいます。
ただ一心に岩崎を慕ってきたのに、岩崎はずっと椛の後ろに蜻蛉を見ていた。
椛はとてもショックを受け、さらに岩崎が椛の変化に気付いたのか強引な手に出てきてさらに傷付き…でもただくよくよするんじゃなく、ちゃんとやり返すんですよね。
しかも廓のルールに乗っ取ったやり方で。
そこがすごく良かったです。
椛まで失いかけた岩崎は、仕事で行った海外の空港で蜻蛉と綺蝶を見かけます。
幸せそうで、岩崎の知る頃とはずいぶん変わった蜻蛉。
そして何より蜻蛉を見ても椛のことばかり考えている自分に気付きます。
ここのシーンもすごく好きです。
シリーズを読んでいる人にとってはご褒美のようなシーンでありつつ、必要不可欠なものでもあって。
岩崎にとって蜻蛉は手に入れられなかったからこそ執着し思い出はどんどん美化されていたように思うんです。
なので蜻蛉との決別には、現在の蜻蛉を見ることが必要でした。
そして最後はもちろんハッピーエンド。
椛はシリーズとしては第一弾の蕗苳以来の、攻めしか知らぬままの受けになりました。
空港のシーンで綺蝶が蜻蛉を本名である尚と読んでいるのがすごく良かったです。
今までも二人のラブラブになってからの番外編はありましたが、どこか花降楼にとらわれているような所を感じていました。
あのシーンを見てやっと、ちゃんと前を向いて歩き出しているのだなと実感できて、ホッとするような気持ちになりました。
読んだらなくなっちゃうから、かたくなに読むのを拒んでいたのですが、ついに読んでしまいました。
最初、一回目の心の動きって、一回目にしか味わえないので、それくらい大好きなシリーズです。
さて今回の主人公は、その昔、蜻蛉にいたく振られた岩崎さん。
かなりの時を越えてからの再登場です。
実は彼のことはかなり気になっていたので、もう一回出てきてくれて嬉しい。
けど、ツンツンしてる蜻蛉を引き取ろうというんだから、もう少しできた大人の人なのかと思ったら実は中身はあまり成長がなく……(失礼)
蜻蛉に似ている椛を見つけて、若紫計画をぶち上げてしまうような残念な人……。
まあ、それだけ蜻蛉の残してきた傷は深い……ということだとも言えると思うので、相変わらず、蜻蛉は罪だねえ……と。
まあ、そんな大人の思惑なんて知らない椛は、久々に優しくしてくれる大人が現れたことに大喜びで、あっという間に心の中が岩崎でいっぱいになってしまう。
けれど自分は、蜻蛉の身代わりにされているに違いない……ということに気がついて……
という椛側からしたら相当に切ない話。
でも、もちろん最後はハッピーエンドなので問題はありませんでした。
ただ、水揚げされてしまう前に、岩崎においしく持って行かれてしまったので、残念なことにあんまり廓っぽさはなかったかなあ……。
想い人はただ一人なのに、他の人にも抱かれないといけない悲哀……っていうのが廓ものの醍醐味だと思うので、ちょっと残念。
けど、こういう話もあっていいかなあ……とは思います。
このシリーズもずいぶん長くなって、これは第3世代?
蜻蛉と綺蝶が花降楼を出て数年、
二人のいた頃の記憶が微妙に朧になりかけている、
そんな楼での、土壇場で蜻蛉に逃げられた、あの、岩崎のお話です。
大きすぎる蜻蛉の呪縛から、二人はどうやって解き放たれるのか?
ハッピーエンドには、やはり、蜻蛉と綺蝶の登場が不可欠だったようです。
「舞台が花降楼」であれば、人を替え、時代を替え、いくらでも書き続けられるのがこのシリーズ物のいい所。
今回の趣向は、郭物なのに、売られてきても苦労を全く知らずにただ慈しまれて育ち、他のお客をとることなくそのまま身請けされてしまう、色子にとって究極の夢。
この先も、どんな趣向を見せていただけるのか、
それとは別に、なんの波乱も万丈もなくていいから、時々は綺蝶と蜻蛉の、平和で甘甘な暮らしも垣間見させて欲しいなぁ。
花降楼シリーズ第9弾。
今回も、甘かった~。
ほぼ、ほぼではありますが毎回主人公が違う花降楼シリーズ。
花降楼という男遊郭の娼妓とお客のお話。
もう9作ですかー。
今作は、蜻蛉を身請けしようとしていた岩崎様が再登場で救済シナリオ。
蜻蛉に逃げられ、花降楼からも足が遠のいていたのですが
一見様お断りの花降楼に友人を紹介することになり足を運ぶわけです。
そこで蜻蛉似の椛にである。
まだ禿の頃から大事に大事に育てあげていくという光源氏趣向w
ただ、ただの育てゲーではなくて
岩崎は蜻蛉を椛に重ねているので、それを知った椛の悲恋。
まあでも悲恋ばかりでもなく椛だけが耐え忍んでいるわけじゃなく
してやったり!な場面もあって、読者としてはスカっとして読めた。
小さい頃からお膝に乗せかわいがってきた椛が成長しても
やっぱりお膝に乗せて座位でエッチするのが
個人的に超ツボでwよかったです。
今回、挿絵がとってもエロくて秀逸でした。
楽しかった。
蜻蛉と綺蝶の近況もうかがい知れたし、なかなかのファンサービスでした。
「花降桜」シリーズ・第9作目です。
さて今回の美妓は、その面差しは伝説の美妓に生き写し!
禿の頃に見出され、掌中の珠のように慈しまれた…
いかにも廓のプリンセスめいた…椛にございます☆
このお話は、現代の遊郭に咲いた、おとぎ話のような源氏物語です。
伝説となった美貌の娼妓・蜻蛉を失った岩崎は、
わずか12歳の禿・椛に、愛する人の面影を重ねて…
宝石のように大切に、理想の傾城に育ててゆくはずでした。
ところが…ひょんなことから、身代わりであることを知ってしまった椛は…
兄の様に慕っていた岩崎に、無理やり犯されてしまうことに!
子供時代に終りを告げるような残酷な事実は、
椛の淡い恋心まで…一足飛びにに大人にしてしまいます。
そうです、この子はこの日から、戦う恋をすることになります。
見えない敵・蜻蛉を相手に、理想の傾城のように振る舞うことで!
抱いても脅しても、意のままにならない椛に、岩崎の心も穏やかじゃありません。
本当は椛自信を愛していることに、やっと気付いたようですねぇ。
さて椛ちゃんをご覧になった皆様、可愛いと思いませんか?
まさに廓のプリンセスって役どころですねぇ。
(絵に描いたような不幸なゆきさつで)売られてきた妓が多い花降楼の中で、
ここまで愛を受けて育ってきた妓も、本当に珍しい!
(↑この妓の場合、売られる前は母親の愛情をたっぷり受けてて…
母親の死後は、すぐに廓に売られたけれど、
それからはもう、ずーっと岩崎に大事に見守られてるんです。)
だから椛の可愛さは、愛されて育った子だけの独特の、
(それこそ)お姫様気質みたいなものでして…そこに将来性のある美貌が加われば、
いやでも華のある可愛さになるんですねぇ。
最終的に岩崎を「自力で」射止めたパワーも、きっとこれですよっ。
一言で言えば「可愛くて華のある我儘」っぷりです(笑)
同じ我儘でも、前作までに登場した面々…見栄っ張り&パワフルな椿や、
気まぐれ&プライドの蜻蛉とも、デキる&主張する玉芙蓉とも…ちょっと違う…。
椛の我儘は基本、「欲が無くて華がある」から、お姫様っぽいんです。
(↑簪よりもキャンディボンボンを喜んだり…
外国に行ってみたがったり、岩崎を名前で呼んでみたがったりねっ。)
見栄とか損得をゼロにして、相手と一緒に楽しくなりたいっ…っていうのに徹すると、
我儘ですら純粋培養の、ちょっと高尚で優雅でお姫様っぽくなってしまいます。
(↑庶民根性では、なかなか無理な境地ですが…)
これにクラリときたんでしょうね、岩崎は。(←男なら、たぶん…みんなそうでしょう。)
まあ遊郭とはいえ若紫ですから、これくらいでないといけません!
さてアノ場面ですが…初めて奪われるシーンが1番萌えました。
だって源氏物語ですから(←おい、それはちょっと…)
思い切り泣かせていただきました。゚(゚*´Д⊂グスン
気持ちよくなけてスッキリ。こういうの好きです。
舞台は相変わらずの遊郭。主人公は、昔、蜻蛉を身請けしようとしていた岩崎さん。そして蜻蛉に良く似た面影をもった、水揚げ前の椛くんであります。
正直、あんまり岩崎さんの記憶がないので、どんなものかと思いながらのスタートでしたが、まったく問題なしw気持ちの変化や動きがわかりやすく描かれているのでより楽しめたんじゃないかと思います。
話の始まりは、蜻蛉に振られてやさぐれて、もう来ないであろうと思っていた娼館へ足を踏み入れた岩崎。そこで目にしたのは、蜻蛉に面影が似ているまだ新造にも満たない椛に出会う。光源氏よろしく、紫式部を育てる様に椛を蜻蛉に育てようと始めた館通い。早くに両親を亡くしていた椛にやさしくしてくれる岩崎。椛が気を許し慕うのにも時間がかからなかった。ところが椛はある時真実を知ってしまう。岩崎が椛の陰に見ている相手のことを・・・!?
基本的には、椛の視点で話はすすむんですが、思わず岩崎さんに感情移入してしまう。蜻蛉のことで負った心の傷。椛とであって変わっていく気持ち。変わっていることに気づかなかった日々~なくだり。なんともこれが良い!明るくて、ころころと懐き、大人ぶってみてもやっぱり子供な椛がかわいかった。蜻蛉の影を追っていたはずなのに、、、というこのもどかしさがなんとも言えないのです。椛に冷たくされてした酷い仕打ちもろもろ~がなんとも胸を痛ませてくれました。水揚げ~な下りも胸がイタイイタイ。
どれだけ椛をかわいがっていたか、かわいいと思っているのか。どんな風に・・・をわからせた後での~なくだりだけになお更。
好きでしかたなくて、かわいくて仕方ない子がほかの男に・・というジレンマがなんとも゚(゚´Д`*゚)゚ニュゥ
ただまぁ、結局さいごの告白~はありきたりだったかなというのはいなめなくもなく。。。。贅沢はいっていられないんですけども・・
でもまぁ、岩崎氏には幸せになっていただきたいですね。もちろん椛にも。
俺様源氏さま。な登場でしたが、恋に狂う岩崎氏はかわいかったです。
追伸。
蜻蛉と綺蝶の登場wちょっとトキメイタw
ここはガッツリお互いにほかの男たち~のくだりがあるので無駄に心が痛いのですが、幸せそうな二人には思わず嬉しくなってしまいました。
ここのカップルの二冊目がまだ未読なので早くよまねば!と思ったしだい。
お勧めです。