かわいい――愛しい――欲しい――。 高遠琉加2ヶ月連続刊行第2弾!

好きで好きで好きで

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好きで好きで好きで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神43
  • 萌×220
  • 萌20
  • 中立13
  • しゅみじゃない8

145

レビュー数
29
得点
368
評価数
104
平均
3.7 / 5
神率
41.3%
著者
高遠琉加 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784044550066

あらすじ

フラワーショップで勤める三浦は、高校時代に片思いをしていた同級生の堂島と再会する。しかし堂島には恋人がいると分かり、友人に戻ろうとする三浦だったが、ある出来事から、身体だけ重ねてしまい…。
(出版社より)

表題作好きで好きで好きで

堂島慎一,会社員,23歳
三浦郁彦,花屋店員,23歳

その他の収録作品

  • ラブソングみたいに
  • 君がしあわせになる前に
  • あとがき

レビュー投稿数29

(引)……いきなり襲ってはいけません。

作家買い。残念ながら一人称の文章が合わなかった。お堅い文体を無理して崩したみたいで違和感。
比喩表現はとても綺麗、だがそれが一人称なので、妙に文学的だったり乙女だったり日常的でなかったりする表現が全て視点主の語った言葉になってしまい、果てしなく夢見がちでポエミーな人間のよう。常に脳内で小説書いてる人みたい。

受けの三浦の片思いが軸のお話。最初の告白で、いきなり堂島を襲い始めてドン引きした。男だから気持ち悪いとか以前の問題で、突然襲ってくる相手なんて怖すぎる。なのになぜ三浦は自分が被害者のように振る舞っているのか。
しかしBLにおいて片思いする受けは何をしても擁護され、襲った罪など無かったように展開していく。
再会後の堂島はちゃんと笑いかけて偉いと思った。

そしてまた始まった三浦のぐるぐるは卑屈。今の堂島を見て更新された恋心でなく、初恋をただ忘れられずに未練が強くなっただけな印象。せっかく再会ものなのに、二人共に成長が見られないのはもったいない。これではキャラに魅力を感じない。

二章は堂島視点だが、一人称の口調が三浦と同じでポエミー。堂島視点で見る三浦は、これが女子なら計算高いとか狡猾だとか言われそうなことを自然に言ったりやったりしていて、惹かれる堂島に呆れるしかなかった。
三章はおまけ的な小話。転勤についていくのはやっぱり受けでゲンナリ。

この作品に限らず、BLでよくある(受けが振られる>攻めが襲われる)という扱われ方に納得がいかなかった。未遂とはいえ、襲うより振る方が酷いのか。これが受け攻め逆なら扱われ方も変わる。女なら襲っても罪にならない時代に生きている人の感覚が反映されているかのよう。
結局描かれているのは受けと攻めであって、同性の恋愛じゃないと思った。

好きになれるキャラが一人もいない作品だった。勝手に男だからと思い悩み卑屈になり被害者ぶる三浦が特に無理。
高遠さんの小説は恋愛重視でない方が好きかもしれない。

0

片想いがテーマ

2004年の文庫化に加筆した新装版と言っても、これは2010年2月発、
何方にしても古い作品。
高遠琉加さんは、20年以上前から執筆活動していた作家なんだなー、と。

「好きで好きで好きで」
「ラブソングみたいに」
「君がしあわせになる前に」・・書き下ろし 彼らと彼女のその後
あとがき

繊細で泣き虫、思い込みが深いタイプの受が、著者の作品には多く登場。
ずっと一人を想いづづける三浦君もそうだし、「神様も知らない」の司も似たタイプ。 

淡々とした、日記のように出来事を積み重ねて綴ったよう構成だった。


0

微かに感じるずるさと歯痒さ

2010年刊。
2004年刊行b-boyノベルズからの加筆新装版らしい。
高遠さんの小説って攻め受けの感情の掘り下げにぐっとくるものがある。
作者あとがきにある通り、受けの片思いをじっくり読める貴重な話だが、それぞれの未練の連鎖で最後まで読ませる引力はさすがだとは感じた。

苦しい胸の内の告白を受け入れてもらえず物別れしたまま、5年後に偶然に再会してしまった三浦と堂島。
しかも堂島は三浦が勤める花屋の娘(由布子)と付き合っているという。
失恋した時の辛さを抑えようと、堂島の前では務めて友人として立ち振る舞う三浦の姿は少し痛々しい。

懸命に好きな気持ちを押し隠そうとしている三浦が「気持ち悪いと思わないで」「消えてしまいたい」とまで吐露しているのに、肝心の堂島はそこまでの思い詰めた心情を汲み取れていないだろう歯痒さが見えてしまう。
ノンケの男が同性から恋愛対象として見られているのを受け入れられないというのは分かる。
しかし、過去に振った三浦の目線がまだ切ないのを知っていて受け流したり、由布子との付き合いに迷いが出た時に、三浦は今も俺の事を好きでいてくれるだろうと期待するのは、微かにずるいと感じてしまうのだ。

由布子のほうも同じ女から見ればいい印象がない。
既に堂島と付き合っていながら、元カレとの関係を断ち切れないどころか常に気にしているなんて、端から見てなんだかなぁと感じるよ。
これじゃあ三浦に二股と非難されるのも無理はない。

切ない展開をなるべく淡々と読みたかったのだが、どうしてか作中での他人の恋愛に口を挟みたくなってくる感覚ってのは、多少なりとも感情移入してしまうところがあるからだろうか。
まぁ登場人物の中で一番不憫だった三浦が救われた点は良かったのだろうね。

1

ツボな設定ではあるのだけれど

先日ちるちるさんのBLニュースで紹介されていて、興味をひかれ購入。健気な受けさんというが個人的にとってもツボなんです。

高校生の時に友達の堂島くん切ない恋をしていた三浦くん(受け)。
告白するも玉砕し吹っ切ったつもりが、5年後に偶然再会して自分の中にある彼への恋心を自覚して。
なのに堂島くんには恋人がいて。

三浦くんの、堂島くんへの想いが何しろ重かった。
悪い意味じゃないんですよ。ツボではあるんです。三浦くんみたいな健気な受けさんって。
ただ、「諦めなくちゃいけない」という想いを抱きつつ、それでも忘れられない。
というグルグル加減がちょいうざかったかなあ、と。この辺りはもう好みの問題としか言えないと思うんですけどね。

そして堂島くん。
彼の良さが全然わからんかった…。
「これ」というきっかけもないのに好きになってしまう、というのはわからなくもないし、ストーリーとしては全然問題ないとは思う。けれど堂島くんのカッコよさがまったく理解できないので、少し感情移入しづらかったです。

前半は三浦くん視点、後半は堂島くん視点でストーリーが展開するので、堂島くんの心情はきっちり理解できるんです。前半の三浦くん視点を読んだ時点ではなんだかな…、としか思えなかったのですが、後半を読むと堂島くんの葛藤も理解できるし『家族』というものに自分の理想を持つ彼の心情もわかる。
けれど、そう思っていた堂島くんが、一体、いつ、三浦くんへ恋愛感情を抱くようになっていたのか、がよくわからなかった。自分は恋人がいるのに嫉妬に駆られてひどい言葉を投げつける彼がどうにも男前には見えなかったな、と。

けれど一番よくわからんかったのは由布子の元カレの存在。
堂島くんと由布子を、きれいに別れさせるためだけの存在だったなあ、と。
むしろ由布子は堂島くんのことが好きで、ノンケの堂島くんには由布子のほうが良いに決まっているのに、でも三浦くんを選んだ、というストーリー展開のほうがよかった気がします。あまりに安易な設定だった気がしました。

全体を通して、健気な三浦くんは可愛かったし、グルグル遠回りしながらも三浦くんへの想いを自覚する堂島くん、というストーリーは非常にツボだったのですが、ツボだったが故に、ちょいちょいと引っ掛かりを感じる部分があったのが残念でした。

1

片思いからの…

とにかくハピエンになって良かったぁ!

もうこの一言です。

1

人を好きになることに理由はない

高校の同級生堂島に片思いをしてしまった三浦。
気付いたら堂島の背中を目で追ってしまうくらい好きで好きで仕方ない、そんな片思い。
卒業前に思い来て告白したものの振られてしまい、そこからは堂島を避け会わないようにしてきました。
それなのに社会人になってからアルバイトで始めた花屋の娘さんが堂島の彼女という悲しい展開。

再会後も普通に普通にと笑顔で接する三浦に対し、堂島は三浦の前で彼女と仲良くしたり三浦に優しく近づいたりと、わざとじゃないにしてもちょと鈍感でひどい。
後半の堂島視点のお話で、堂島の本心が分かったからよかったけど、三浦視点の話だけ読んでしまうと三浦がかわいそうで胸が締め付けられます。

三浦が男の自分が好きだということを申し訳ないと思い、堂島に「好きでごめん」とか「気持ち悪くてごめん」と謝るのが、自分ではどうしようもできないくらい好きなんだなと伝わってきてせつなかったです。

本当にどっぷり片思いで、逆に気持ちいいくらいでした。

3

ガッツリとした片思いものでした

片思いものを読みたいなあと思いながら高遠先生のこの小説に辿りづきました。
タイトルからいかにも片思いものな感じです。
クラスメイトである堂島(攻め)の弓道をやっている姿に惹かれ、いつの間にか彼に目を追うようになった三浦(受け)。
一人暮らしの堂島が病気になったところを熱心に看病してあげたのをきっかけに、二人の距離が自然に縮まってきたと同時に、堂島への思いは重ねてくる。
卒業を目の前にして、もう会うことはできないかもしれないと焦った三浦はついに堂島に告白してしまう。
甘酸っぱい告白だろうなと想像したがかなりの迫力だった。
重くなる思いに押しつぶされて爆発したように堂島に自分の思いを打ち明けて、一度でもいいから抱いてくれとまで迫った。
ノンケの堂島はびっくりしてハッキリと拒絶したわけです。
よく「玉砕の思いで」と聞くが、これは本当の玉砕だった。
その後三浦は堂島を避け続け、二人は気まずいまま別れてしまった。
それから五年、そんな過去があった二人は偶然に再会した。
そして最悪のシチュエーションだった。
ずっと仕事を転々としてフリーターの三浦がやっと馴染んだ花屋に、かつての片思い相手堂島がやってきた。あれから違う人生を歩んできた堂島はすっかりいい男になり、そして三浦の尊敬している先輩である花屋の看板娘彼氏になったのだ。
堂島と彼女の姿を見るだけでも苦しかった。でもせっかく好きになった仕事場を簡単に離れない。堂島が何もなかったように普通に接してくれるのが嬉しい半面、自分の思いは彼にとってただの過去だっだのかとがっかりすることもある――皮肉なことに自分は五年経っても好きな気持ちは変わってないのに。
三浦の心理描写は本当に教科書みたいな片思いっぷりでした。
切なくて切なくて、それでも好きで好きで止まらない。
「消えてなくなりたい」
堂島を好きな気持ちが抑えずに店をやめて三浦だが、追いかけてくる堂島に二回目の告白をする。
このシーンがとても繊細に描写されていて、マックスと言ってもいいほど何度も読み返した。
片思いの醍醐味である告白シーン、この話の中には2回もあった。
一回目は高校生の時、二回目は再会のあと。
2回ともとても苦い思いだった。
高校生の時はきっぱりと断られて玉砕だったが、泣きながら二回目の告白をすると、「これでけじめがつくなら一回だけやってもいい」となんと堂島から言われた。
好きな人からの誘いを断られずセックスはしたが、これでは恋が本当に終わってしまたと思う三浦の気持ちは切ないそのものですよ。
堂島、ひどいな…
そんな堂島でイライラしていたら、後半の攻め目線がサービスしてくれました。
こんな長い攻め目線初めて見ました!
この番外編長っ!と思っていたらちゃんとした本編だった(笑)
攻めの目線から話が進むのがすきです。
段々三浦に惹かれて、この気持ちに悩んで、矛盾して、それでも最後は思いっきて三浦を追いかけていく堂島を見ていると満足するなあ~
終わってみればいい片思い話でした。
彼女の恋事情もなかなか面白いし、やはりこの頃のblのなかの女性ってみんないい人で都合がいいなあとツッコミだくなるほど。
三浦が辛かったから堂島をひどいと思ったりもするけど、じっくり読むとそれなりの理由があるし結局合理的なキャラ作りだと思いました。
ただ受けの不憫さを引き立てるためのひどい男ではなく、ちゃんと筋が通ってるところがすごくいいと思います。
あらすじが話を三分の二を説明していたほどのシンプルな話なんですが、こんなシンプルな話こそ作者の描写力が試されるのです。シンプルな話をくどくなく時間かけて展開させる高遠先生はさすがです。
片思いものが好きな人には満足できる一冊でした。
ちなみに、受けがあまりにも切ないと耐えられなくなりそうだったら、126ページから読むのをおすすめします(笑)

7

これでもかこれでもかというほどの片思いのお話し

 あとがきで高遠さんも書いているように、これでもかこれでもかというほどの片思いのお話し。息が苦しくなるほどの。

 高校の同級生だった堂島のことを好きになった三浦。ずっとずっと好きで。一回振られても好きで。振られても5年の間好きで、偶然再会した堂島に気持ちを隠せずにボロボロ泣く三浦が切なかった。しかも3回も。
「俺だってこんなつらいのもう嫌だ」と三浦が堂島に気持ちを吐露するところも切なかった。
 そうなんだよ。報われないと分かっていても止められない。コントロールできない。生まれることと、死ぬことと、恋することは思い通りにいかないんだよ。
 そんなまっすぐな思いを自分に向け続ける三浦を気にしだす堂島。おう。よかった。堂島がいいやつで。
 
 好きになってもらえて、自分のその相手に思いを返せることってすごく幸せなことだ。この作品を読んで、人が人を好きにあることの尊さについて、あらためて気づかされた。恋って、怖いけれど、やっぱりいい。

7

後半は攻め視点

ネタバレなしで書きたいと思います。

高遠さんの作品は『神様も知らない』シリーズでハマりました。
硬い感じのものを選んで買っていましたが、たまには毛色の違う高遠作品も読んでみたくて。


受けの三浦は23歳。
就職先を半年で辞めいくつかバイトを転々とし、今はフラワーショップでバイト中。

攻めの堂島は、三浦と高二時のクラスメート。
端正な顔立ちで、寡黙ながら目につく男。


高三の冬、好きだと堂島へ告げたけれど、諦めて欲しいと言われてしまった三浦。
五年経ち、再会した堂島は三浦の働くフラワーショップの娘、由布子とつきあっていました。

前半は受けの一人称です。
ノベルス版に加筆修正した作品ということで後ろに書き下ろしが入っていますが、前半、「ちょっとー、こんなとこで終わっちゃうの?!」
という感じです。
いや、びっくりしました。
そして後半は堂島の一人称。
わたしはこちらの堂島一人称の方が好きでした。
一人称はそのキャラに思い入れないと楽しめないので、三浦がもう少し儚げか可愛い感じならもっと前半も入り込めたかなあと。

2

人を好きになる気持ちがせつない

誰かを好きになる。
相手が自分のことを思ってくれなくても、その気持ちがどうしようもなくあふれてくる。
本当にタイトルがしっくりくるお話でした。
堂島が幼い頃の父との別れ、思春期での母の再婚、気持ち的に欠けた部分をもった人だったので本人がそのことを自覚するまでが長かったように思います。
「消えてなくなりたい・・・」と思うくらいに傷ついて、それでもずっとひとりの人を好きでいつづける三浦は本当に強い人だと思います。

4

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