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行方不明になっていた音次の兄との再会、そしてその葛藤。
その再会を通してジョーと音次は離れられない関係に気が付き始めるのです。
やはり彼らのセックスは、要所要所に必要なものとして登場する、そのリバが効果を果たしており、気持ちの確認に役だっているのです。
ジョーの父親の根津が常盤組の透に殺されて、最後に残した音次の兄・静一の行方。
異常なサディスト透から逃れるように、ジョーと音次は静一に会いに台湾へ飛びます。
そこで出会った静一にそっくりなサックスプレイヤー安立(アンリー)、彼は自ら兄だと名乗り、音次を愛するあまり、兄から別人になろうと台湾へ渡ったと告白して、音次と寝ようとします。
音次も兄を愛していましたが、そこへ嫉妬したバンドのボーカルのリーインが。
音次はわかっていました、一体だれが兄の静一なのか。
兄と身体を重ねようとする音次に言いようもない嫉妬を覚え苦しむジョー。
そんな時、日本で透が死んだとのニュースが・・・
それらの話の中に、ジョーの母親との再会と、本当は寂しいのに一人で生きていくとつっぱる姿を包み込む音次の姿があり、また、ジョーも父親である根津と近親相姦の関係であったことに、嫉妬を覚える音次の姿があったり。
何より、常盤組の透の異常なジョーへのサディスティックな執着が今後の展開のカギになります。
一つ一つ、障害を乗り越えて二人の少年が結びついていく様はドラマチックな仕立ての展開を伴い、次巻の佳境へと続きます。
『どぶさらい』は同人誌掲載作品です。
ここで兄・静一の弟への想い、そしてジョーとの出会いなど、過去がわかるようになっています。
先にレビューされている茶鬼さんも書いてらっしゃいますが、いよいよ名作としての本領を発揮せんとばかりに怒涛の展開を見せる2巻は、読んでるだけでも息切れしそうでした。
ジョーの保護者がわりであり、ドブ板で生き抜くための後ろ楯でもあった〔根津〕を失ってしまったことで、ジョーの足元が一気に脆くなり、母親との再会を通して垣間見えるジョーの孤独だったり、所詮10代の少年がヤクザと渡り歩こうとすることに無理があることを突き付けられる展開に胸が痛みます。
その一方で、ジョーと音次が自分にとっての一番大事なもの、手放せないものが何であるかに気付く、大切な巻でもあります。
ジョーの母親の登場の他に、ジョーがヤクザになってしまったり、音次の父親がドブ板を訪ねてきたり、ついには兄・静一との再会だったりと、とにかく展開が目まぐるしい!
中でも一番の目玉は、言うまでもなく、台湾を舞台に繰り広げられる音次と静一の再会劇ですが、これがまた中々に手の込んだ驚かされる展開。
さすが定広さんと言うか何と言うか……ガッツリ読ませてくれます。そしてガッツリ近親相姦です。
自分なりの宝物と居場所をそれぞれに見付けた兄と弟が、普通ではない方法とは言え、それまでの兄弟としての関係にしっかりと決着をつけ、生きる道をハッキリと違えていく姿が切なくもあり、たくましくもあり。
しかし兄の心情を思うと胸に詰まるものがありました。
兄に別れを告げた音次は、ジョーと共に自分達が戻るべき場所、横須賀へ。
最終決戦を迎える3巻へと続きます。