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表題作は分類するとすれば推理ものの
範疇に入るのでしょう。だから展開について
あれこれ言うのは差し控えておきます。
ただ、この方の他作品の味わいをご存知の
方ならきっと腑に落ちる味わいの筈です。
筆者選択のトーンの殆どは表題作に掛かる
ものとご承知下さい。
表紙も何事かをきっと語りかけてくるでしょう。
同時収録作は乗馬機械となっていた青年が
凍結されていた人間性を回復する物語。
回復の過程に静かに恋愛が絡み、そして
癒し手もまた何かを回復する、そう言う物語です。
一話目の「Jazz Tango」を読み終わって一言。。
山王丸、この子めちゃめちゃ怖い。
初めはただの奔放な子(なんたってラスト直前までほのぼのとした雰囲気で話が進むもんで・・)かと思いきや、心中まっくろくろすけですよ。
冷静に考えるとほんと最低な子なんだけど、いろんな環境がこういう子をつくるのかと考えてみたり・・。
いやいやでも人間としてそれだけはやっちゃだめだろ。
推理サスペンスものなんで詳しいこと書けませんが読めばラストの怖さが分かる。
壁に貼られた文字を見ながら、豹変した親友に・・。
2話目の「万物は・・」は馬術競技でオリンピックを目指す青年の話。
金髪碧眼の美青年ジャンと恋におちたり、ブラコン気味の姉や父親との葛藤。
またジャンの方にも従兄弟との関係やらスポンサーやらいろんなしがらみがある。
お互いに色々あって乗り越え選択していくのですが・・。
中でも、ジャンと病院で再開するシーンと、父親との和解の場面で頭を下げるシーンはとてもよく、うるうるっときました。
この後者の話はモノローグが非常に多く、
小説を漫画にしたような丁寧な心理描写で、読んでよかったという充実感がありました。
後者の話は特にオススメです。
評価は「神」がいいか、何が相応しいか、かなり悩んで「萌え」に。
神的な萌え、って意味わかりませんね☆
しかし、古い作品ばかりレビューしてスイマセン。
忘れられた本が整理していたら、本棚の奥から呼んでました。
夏らしく?ゾクリと怖い作品。
とは言っても、殺人事件も無いし、お化けもいません。
でも恐ろしい…。
何がって?
人が、です。
もうね、秋里ワールド、やはりすごい!
最後はカチンと凍りつきます。
男子校ものです。
水泳とサーフィンが趣味の、美男子な鳥羽一臣。
悪友の梅原はサーファーで生徒会長という切れ者。
ある日、水泳部の一臣のロッカーに「シダ」という落書きがされていたり。
母からは、彼の知らない所での、彼の目撃情報を聞いたり。
どうやらそっくりさんがいるらしい。
そっくりさんは、色欲ネタな情報ばかり。
バスでは手を握ってきた初老の女性に「ジャズ‐タンゴ」と暗号のように言われたり。
間違えてきた相手からは、文句を言われ。
そっくりさんの知り合いの男には、殴られ。
散々な目にあいます。
後日、電車でそっくりさんが目の前に…!
女性の制服にルーズソックス姿(懐かしい~)。
山王丸と名乗る男は、どんどん一臣の生活圏へ入り込んできます。
学校、部活、家庭、趣味の場(海)。
山王丸は、なんでも正直で、ウソは言わない。
言わないけれど…。
色々と、こちらが推察しなければいけません。
でないと、答えは出てこない。
答えがわかり、最後の行動の意味がわかると、更にゾクリ!
山王丸の怖さが、目的が、二つの意味で怖い!
ドラマか映画にありそうな世界観でした。
ほんと上手いなぁ、秋里先生。
神にしたいけど、あえて真ん中に。
だって、しばらくは、読む勇気無いので…。
なんていうか、社会派な漫画です。
今はBLに含まれるみたいですが、当時は単に秋里先生の漫画として買ったものでした。