条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ヤクザな展開がいっぱいで、ハラハラしながら一気に読んだ。甘さのないヤクザなので、犯罪だろうと倫理観無視で好き放題やってる。二人の逃避行と、その後の再会からの流れがとても好き。
下巻はずっと信二視点。東京に来てからの信二は、急激に惣一に心酔していく。
弱った心の欲する場所にぴったりだったのか、宗教にハマる人のようでもあり、心配になる。路彦が信二を求めるのとは違って、自身の心を無防備に明け渡し過ぎた危うさが見えそうな。
ヤクザを家族と言い、美化しているところのあった信二の理想は、あっけなく崩れ去る。惣一側の事情や考えは分からず何とも言えないが、必死に走り回る信二は、余裕を失くしながらも洗脳状態から復帰していく。
当然待っていたのはヤクザらしい残酷さ。追い詰められ、生への執着を見せる描写がすごい。生きるために、人はどれだけみっともなく縋りつけるのか。醜さ、惨めさ、情けなさ、そうしたものの全てを見せつけられている。
信二が最後に助けを求めたのは路彦で、その時にはもう、信二の中には路彦以外誰も残っていなかったんだろう。
信二にとっての路彦のような、最後の砦のような誰かがいると、人は強くなれる気がする。路彦にとっての信二も同じだろうと思う。こういう関係性を描いてくれる作品がとても好き。
逃避行から服役を経ての再会では、信二の臆病さが際立つ。精神年齢は完全に路彦に追い抜かされており、もはや大人と子供。信二がやっと正直に内面を見せ、二人が心を通わせるまでをじっくり読めて良かった。
エピローグは平和に口ゲンカしながらの旅行デート。主導権は路彦が握ってるっぽい。切ない終わり方で、読後感も良かった。
番外編の後日談とかないのかな。あればぜひ読みたい。
すごくよかったです。
上巻には「月に笑う1」「2」「3」が収録されていましたが、下巻は全部が「3」でした。いやもうそんな構成なんてどうでもいいです。面白くて、続きが気になって、一気読みです。
「1」ではいじめられっこで弱くて泣き虫だった路彦が、下巻では大学生~社会人、しかも頭が良くてなんだかんだ度胸もあり、目端が利いてすごく出来る男になっている。それもこれも全部山田信二のためなのが、すごくよいです。しつこいし焼きもち妬きだし、中学時代の刷り込み故か、山田のことばっかりなのが可愛い。小さくて細かった体格が、長じて山田を凌ぐのも、思いが強すぎて山田を犯すのも、最高過ぎました。
対して、山田はいつまでも中学生のときの可愛い路彦のイメージがあるのか、可哀相と思ってか、挿入を指までしか出来なかったのも良かった。(路彦が、山田のを入れてくれるのを待ってた、と言うのもよかった)
※リバがいやな方は御注意ください。
山田が路彦に初めて身体を開かされたとき、「異物が進入してくる感触に、覚えのあるそれに背筋がゾクリとした」と書いてあったので、かつて誰かにされたことがあったのかなと思ったのですが、その辺りのことは書いてませんでした(見落とし?)。勝手に美濃部かなあと想像してます。
言葉が足りなくて(山田が)、癇癪起こして暴力になる(山田が)ことから、二人は喧嘩も絶えないけれど、路彦が山田と一緒にいると喧嘩してても楽しいって言うから、もう二人にはずっとこうやって居て欲しいなと思いました。
上巻で、山田が自分と同じ歳だったらいいのに、って路彦が述懐する場面がありますが、あれがほんとに個人的にぐっと来たので、年齢は同じにはなれないけど、こうやって一緒に居られるようになって良かったなあとしみじみします。
下巻は、山田が成長する話で、読みながら目が離せませんでした。
短絡的ですぐ暴力に訴えるし、危なっかしいし、人を見る目も怪しいところがあるし、それでも根が真っ直ぐで優しいから、一度懐に入れた良太や路彦を自分の身を投じても助けようとする。そういう面があるから寄り添って読書でき、どきどきはらはらでした。(木原先生は、どう落とすか分からないし!)
色々あったけど、最終的にはこのような結末で本当によかったです。
表紙も、上下巻が対になっていて、すごく素敵です。イラストの梨とりこ先生、絵柄が美しく官能的で素晴らしいです。山田の背中の彫り物、見とれてしまいます。
最初、学生モノかな…とおもいましたが。
足掛け十年以上。路彦と山田の関係が変化しながら最後、エンディングに向かっていくまで一気に読み進められるのは、さすが木原音瀬さんです。
いじめられっ子で、良いとこの坊ちゃん的な路彦ですが、山田と出会ったことから自分で立つ、というのか自立というのか、そういう気持ちを持ち始めたような気がします。きっかけは窓から飛んだ人の死を目にしたこともあったでしょうが、子供ながらにいじめの構造や、人の関わり、希薄な関係…をちゃんと感じ取っているからこそ、山田という人間の情に惹かれ続けたのかな。
山田は結局ヤクザとは言え、最後の一線を超えられない、人としての情を捨てられない人だったんだと思います。だからこそ、路彦が思い続けた。
BL的な感想で行くと、最後まで受けは路彦だ他思いながら読んでいたので「え?あっそうなの?!」という驚きもあり。ただ、それも流れというかシチュエーションが自然ですんなり受け入れちゃいましたが。
そこに至るまでのイチャイチャ(とは言わないか、抜きっこですかね)、早いとこやっちゃって!とか思いながら読んでた私は腐ってますね(笑)
でもだからこそのストーリー展開になるので、あー、なるほどねぇ。って木原さんに唸らせられるわけです。。
そして、今回のお話は、結構みんな幸せになりますね!
路彦と山田のCPもですが、良太も美玲も上手くいってるし、そして良太の母親も。さらには玲香ちゃんも新しい彼と上手く行ってるぽい。
痛さのあまりない(登場人物の怪我や刃傷沙汰はありますが)ってのは珍しいかも。
月に笑うでも重要なポジションを飾っていた惣一。彼の変態さんについては、別のお話があるようなので、そちらを読みたいと思います。コレまた楽しみです♪♪♪
上巻は、青春やん♡なんて思ったけど、下巻はそんな甘くなかった。ヤクザの世界だもんね。
惣一の下で働く事になった信二。
ヤクザっぽくないインテリな惣一に心酔していく。
先に灰の月を読んでしまってる私としては
あの、惣一やろ要注意よと思ってたら案の定部下に対して無慈悲な対応。
これは、下がついてこんよ。どんな事があっても離れない嘉藤は奇特な人よ。
家族や仲間に憧れのある信二は誰かのために命をかけたいと思って、惣一はそれに値する人物だと思ってたのに、自分の舎弟がピンチの時や、大事な路彦をヤクザの世界に踏み入れさせたくないって願いをことごとく踏み躙られる。
子が困ってる時に見捨てる親にショックを受けてしまう。信二、義理と人情を大事にしてるんだな。だから、惣一を許せないし悲しいしなんだな。
絶体絶命!ドキドキハラハラ展開が中盤からずーっと続き読むペースが上がりました。
中学生の時あんなにいじめられっ子でヘタレな僕ちゃんだった路彦がとても包容力があって、先導してくれる頼もしい年下ワンコに成長してます。
信二は、すぐにカッとなって物に当たり散らすし、暴言吐くし、暴力も振るうけど、言い返して喧嘩しながらも気持ちをぶつけ合っていく2人がいいなぁと思いました。
長く一緒に居れば、言葉にしなくても察するなんてやっぱ無理。ちゃんと言葉で伝えないと気持ちは伝わらないと2人に教えてもらいました。
ほんとは抱かれるの待ってた路彦が逃亡先で信二を抱くシーン映画のようでとても昂まりました。
何年も掛けて結ばれて、同棲する様になってもまだ喧嘩ばっかして泣いたり笑ったりしてて
2人が微笑ましいです。
受攻情報間違ってませんよ。ビックリ…
ヤクザものは映画でもなんでもどうしても興味が沸かず、今回も路彦と山田は好きでもどうも熱中できず、いつも木原さんの作品は一気読みなのに休み休み読んでいました。
再会涙ラストか、はたまたそのままジ・エンドなのか⁉︎(怖いので何となく最後あたりのページをうっすら確認したりした)結局わちゃわちゃラストか〜と読み進めたら、最後には圧巻のラストが待っていましたね。流石です…なんて美しいんでしょう。
あんなに弱っちかった路彦が山田のために逞しくなって、それでも山田には泣いて縋って嫉妬する。その変わった部分と変わらない部分が愛おしく、この長い作品を完読出来て良かったと思いました。
そして挿絵が美しく、髪型や色、身体の大きさが成長とともに美しく表現されていて、彼らの哀愁や悲しみ、離れられないどうしようもなさがタイミングよく挟まれてとてもドラマチックでした。
ヤクザ・前科なら「薔薇色の人生」のモモちゃんがいますが(名前思い出すだけでちょっとホノボノする)、この『月に笑う』の二人はグラつき、成長とどこか退廃的なムードが激しいです。
木原音瀬さんの作品を見るたびに、好きじゃないんだよな、という感覚を持ちながらまたしても読み切ってしまった。
あらすじは他の方が書いているので良いとして、木原音瀬作品には一般的なBL作品のスマートさっていうものが無い気がする。
一見スマートないかにもBLに出てくる経済ヤクザ、惣一さえも臆病(追記:灰の月で受けた暴行を見たら臆病とは言えなくなります)で、人への愛情の示し方を知らない不器用さがある。
主役のカップルにもそれは言える。
最後の最後までスマートじゃないけど、人間ってそういうものだよね、とヤクザものなのにほっこりする終わり方です。
上巻同様あっという間に読み終えました。
山田がヤ●ザという仕事柄危険なシーンも多々あるのですが、心臓抉り続けるようなドシリアス爆盛りではないですしこのラストなら木原先生の作品の中でも読みやすい方ではないでしょうか。
う~ん。今回も良かったですね。
泣き虫な路彦好きなんですよね~。
山田が巨乳好きでわんわん泣くし体変えてもいいと思う健気さがね…
女々しいという意見は確かに分かるんだけど私にはとても可愛く見えました。
でもこれって子ども時代からの彼を知っているからってところが大きいんだろうなって思います。
最初から大人のビジュアルでこの性格だったら冷めそうなんですけど、体も中身も確かに成長しているのに、山田とのやり取りは出会いの頃の懐かしさも感じて…。
もはや素が出せる間柄で取り繕うことも必要なく思ったことははっきり言えるようになったところは成長を感じるんですけれどね。
しかし…ちんちんついててごめんねとか胸にシリコン入れる?とか聞いていた子が攻めやってるのは……こうクルものがありますな~~~。
というか上巻読んだ時点での私はここでの表記を見るまでは逆だと思ってましたとも。
過去に「お嫁に来てくれる?」と路彦は山田に聞きましたが結局、完璧に家事をこなす路彦を見て山田が路彦をお嫁にもらった気分になってるところとか…彼ららしくて特に好きですね~~~。
他作品だと攻め受けって結構重視しちゃうんですけど、これに関しては肉体的精神的どっちがどうでもいいじゃんって気持ちにさせられます。
これで心置きなく「灰の月」に進められます。
それにしても惣一さんのキャラ光ってましたね、スピンオフになるはずだわ。
ペニバンつけた女におかされないとイケない…ってなかなか刺激的で性癖が前面イメージになってしまったがいいかんじの顔の良さと性格に難アリ加減…そして木原先生お得意のクズの匂い……とても楽しみです。
最後の一線を越えないながらも、ほぼ恋人という微妙な距離を保っていた山田と路彦。ヤクザが自分の生きる道と思い定めていた山田ですが、路彦が組の仕事に巻き込まれたことで、気持ちが大きく揺らぎ始めます。
東京の組に移った山田が仕えたのは、組長の息子で、仕手師を囲ってスマートに莫大な金を稼ぐ惣一。頭が良くヤクザ然としない惣一に山田は心酔していましたが、かたぎの路彦を巻き込まないでほしいと頼んでも聞き入れてもらえず、弟分の良太も見捨てられたことから、惣一への不信感が決定的になります。惣一の元を離れる罰として裏切り者の仕手師を殺すよう命じられた山田でしたが、果たせず、逆に自分が組から追われる身になってしまいます。路彦の助けで二人の逃避行が始まるのですが、やがて追いつめられて…。
家庭に恵まれなかった山田がヤクザに求めていたのは、義理、恩、信頼で結ばれた疑似家族。しかし、それらはボス・惣一の一声で吹き飛ぶような脆いものでした。拠り所にしていたもの全てを失ったとき、山田に残されたのは路彦だけ。「…俺さぁ、お前のこと好きだと思うんだよ」。山田がやっと認めた本当の気持ち。家族を求めていただけでなく、山田は大きな組織に身を置くことで、自分を大きく見せたかったのでしょう。ちっぽけな自分に気付いて初めて、路彦に助けを求めることができたのだと思いました。
上巻ではいじめられっ子だった路彦に、山田は「自分のことぐらい、自分で始末つけろ」と言ったのですが、すっかり立場が逆転してしまいました。路彦が大きく成長したのは、いつか山田の力になりたいという思いがあったからのような気がします。
逃避行の中、それでもまだヤクザを辞めると言えない山田を、路彦が無理やり抱いて自分のものにする描写が圧巻です。路彦は山田が最後までしてくれるのをずっと待っていたのに。それができなかったのは臆病だからだ、と山田の弱さを暴き、「全部僕のせいにしていいよ。」と言い訳までくれる路彦が怖いほど雄で。ずっとヤクザのものだった山田を、路彦は抱くことで自分のものにしたかったのだと思います。路彦のこの行為がなければ、山田はヤクザと決別できなかった気がします。誰かのものになるとは、そういう不思議な力があるのでしょう。
山田が本当にどうしようもなく臆病で。路彦が撃たれた時も拘置所に逃げ、4年たって再会したときも、路彦に泣かれて抱きしめられてキスされて、失うのが怖いからそばにいられないのだと、やっと本心を吐き出して。臆病なうえに強情なんてどうしようもないですが、そこが山田の可愛いところで、きっと路彦もそんな山田だから放っておけないし、好きなのでしょうね。
路彦の言葉「寂しい思いはさせない。たとえ僕が先に死んじゃっても、一緒にいたことを後悔させない。」は、もうプロポーズの言葉にしか聞こえませんでした。
山田は、路彦から離れていた4年の間に、良太が生きのびて美鈴と幸せに暮らしていること、縁が切れたと思っていた叔母が実家を手入れしていてくれたことを知ります。大切なものが簡単にはなくならないことを実感したことも、山田の強情さを和らげたような気がします。ヤクザを辞めて自力で暮らすことも必要だったのでしょう。路彦の気持ちを素直に受け入れるまでに、長い時間がかかったことも納得できます。
物語の最後、路彦が山田に語りかける「これからも一緒にいてね。…一緒にいたいよ」が、とても胸に沁みました。
一緒にいたい。路彦のその強い想いがあったから、二人はずっとつながっていられたのだと思いました。月夜に裸で泳いで笑い合う二人。タイトルは、二人がやっとたどり着いたこの幸せのことだったのですね。
ただ息をひそめていじめに耐えていた中学生の路彦を変えた山田との出会い。それが路彦にとって、どれほど大きなことだったか。一緒にいるのが楽しくて、初めてキスした人で、性の喜びを教えてくれた人。偏見なく相手の本質を見る賢い路彦が山田を好きになるのは、自然なことだったのでしょう。山田も同じ気持ちでいたけれど、認めるのに長い年月が必要で。そんな山田の心の動きを描いた作品だったのだと思います。
誰かと関わったなら、自分もその人の中に温かい何かを残せたらいい。そんな気持ちになりました。
上下巻の下巻。完全に続き物ですので、上巻を購入の際には下巻も購入されることをお勧めし致します。なんかレビューというよりは、あらすじになってしまったかも…。ネタバレが含んでますので、嫌な方はお気を付けください。
●「月に笑う3」のあらすじ。(路彦18-23歳・山田22-27歳)
山田は良太と、その恋人の中国人留学生・美鈴(メイリン)の3人で、美人局を始めました。
美人局(つつもたせ)=男が妻や情婦に他の男を誘惑させ、
それを言いがかりにし て、その男から金銭をゆすり取ること
(語源由来辞典より)
これは組への上納金の主な収入源。山田はそのお金を納めに組を訪れます。すると制裁を受けボッコボコになった男が床に倒れていました。その後、よろよろと男は出口に向かいます。そこへちょうど入ってきた惣一とぶつかります。惣一は組長の一人息子。大卒で頭が良く、株取引で莫大な資金を稼ぎ出します。惣一は呟きます。「ケジメをつけさせろ」そして男は小指を1本失いました。
惣一。私の抱くヤクザのイメージとはまた少し違い、洗練されています。しかし、この冷徹さがめちゃくちゃ怖い。ひょんなことから、山田はこの惣一の下で働くことになります。情があり根は優しい山田と違い、この人の非情さは本物。そう感じたため、山田に何事もなければ良いがと祈る想いで読み進めました。
山田がスーツを購入するエピソードが楽しかったです。今までスーツを買ったことがないため、選び方が分からないのです。早速駆り出された路彦。すんなりと店員さんと話をつけ、無事スーツを購入。実は路彦も東京の大学に進学。近くの引越センターでアルバイトをしています。そのお蔭でしょうか。背が高くマッチ棒のような風貌だったのに、徐々に筋肉に覆われてきました。私の路彦への評価は高まるばかり。
さて、ここまでが上巻。いよいよ下巻です。
君嶋という仕手師の世話係、それが山田のお仕事です。この君嶋ですが、30前後のハゲデブのオタク。山田は年がら年中アキバにフィギュア等を買いに行かされます。お陰で路彦にも八つ当たり。
ある日惣一が襲われそうになった時、偶然傍にいた山田が庇い倒れます。手術した上30針縫う大怪我。路彦はボロボロ泣きました。大好きな山田がこんな目に遭ったのです、路彦の気持ちがよく分かり切なくなりました。山田が疑似家族と称するヤクザの世界。それは勘違いなのだと気付き、足を洗ってくれたらという思いが強く膨らみます。
私が好きなエピソードの一つに、惣一が山田を銀座のクラブに連れて行くシーンがあります。「どの女でもいい。お前に抱かせてやる」と言うのです。巨乳好きの山田は胸の大きな女を指名するものの、最後の一線を越えることはありませんでした。路彦に気を遣い、バレないと分かりつつ胸だけ触ってお仕舞い。山田と路彦の関係はなかなか進展しないものの、精神面ではしっかりいとくっついています。そのことが分かってとても嬉しかったです。裏切らない山田に拍手。
刺傷事件をきっかけに、山田は惣一から圧倒的な信頼を得るようになります。そして山田も、惣一を守るためなら死ねると思うのです。ところが、そんな山田に水を差す路彦。売り言葉に買い言葉の応酬が続き、二人は喧嘩別れしてしまいます。そんなある日、君嶋が大学の後輩を助手につけることになりました。山田はそれが路彦だと知り、大慌て。路彦をヤクザに関わらせたくない。それ程大事に想っているのですね。
されど君嶋はおろか、惣一がそれを許しません。そうこうしているうちに山田のケータイに良太からの電話が入りました。でも電話に出たのは良太ではなく、別の組のヤクザ。美人局の商売がバレ、良太が捉えられてしまいました。良太を救おうと必死に奔走する山田。それなのに惣一はけんもほろろに見放します。
ここで初めて山田は疑問を感じ始めます。組と言うのは疑似家族。こういう時にこそ助け合うものではないのかと。万策尽きた山田が最後に頼ったのは警察。これが功を奏し、無事山田を取り戻します。けれども、組への不信感は消えません。路彦の件と言い、良太の件と言い、自分の本当に大切なものを守ってくれない。そんなボスを信頼出来ない。山田は惣一の付き人をやめたいと申し出ます。
ここからがいよいよクライマックスです。山田の逃避行が始まるのです。山田は惣一から拳銃を渡され、言う事を聞けないのなら「君嶋を殺せ」と命令されます。山田はその命令を実行に移すことが出来ませんでした。それどころか目前にいる君嶋に「逃げろ」と伝え、自身も走ってその場を後にしました。どこを歩いても、組の人間がいるようで、山田と一緒になって恐怖に震えながら頁を捲りました。
慌ただしくスリリング。でも面白い♪このスピード感たるや、まるでジェットコースターに乗っているみたい。途中、路彦と合流。二人で追っ手を撒きつつ逃走します。緊迫感あふれて息詰まる展開が続きます。そうした中、ようやく二人が結ばれるシーンがあり、ラブ&スリルを堪能できます。ここからはあえて解説は致しません。是非ともご自身でお読み頂きたいです。最後はもちろんハッピーエンド♪安心して読めます。
最後になりますが、YouTubeの素晴らしいURLを張り付けておきます。ご興味のある方、または梨とりこ先生のイラストを拝みたい方は必見です。髪の毛がより黒い方が路彦(攻)です。惣一のイラストもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ismOBiyzWbE
真っ先に言っておきたいのは立場逆転の展開本当に神(泣)。ちびで弱くていじめられっ子だったのに、いつの間にこんなに頼もしい男に成長した。しかしいくら大人になっても口調は子供っぽいままで、信二さんの心の中ではまだまだ自分の手で皮を剥かれて泣いている中学生だったのだろうね…路彦が逃亡に力を貸してくれる前では。
信二さんの「君嶋が勝手に死んでくれたらいいのに」のセリフを読んだ瞬間なんか既視感があるって思ったら「…!」と同じことを言った路彦を思い出して、この流れを考えた先生に脱帽。本当に尊い!
信二さん目線もすごく良かった。ヤクザの兄貴、組長、舎弟を家族に思えるのは愛に憧れているのだろうね。子どものころから愛された記憶がないし、愛し方も知らない信二さんは命をかけても守りたいのはヤクザの「家族」そのものではなく、自分が生きていく目的と他人との絆だと思うね。なんて哀しい…
今回のイラストは梨とりこ先生で、繊細な筆触ですごく好み。少しシャープな感じもあって、華奢な中学生路彦のイメージそのまま。
上下2巻一気に読み終え、スッキリした気分。今回も素敵な作品、ありがとうございました!
まさかの攻め受け逆転!
結構びっくりしました。…よく考えたら身長が抜かれて引っ越しやで肉体改造され始めた時点であり得る展開でしたね。
上巻では攻めの加納くんを良くも悪くも導いてきた山田は田舎の人情ヤクザの下っ端でしたが、下巻では舞台が東京に移り大きな組の経済ヤクザ惣一さんの側近につきます。
優秀でスマートなインテリヤクザの惣一さんに心酔した山田は惣一さんに懸命に尽くします。惣一さんも身を呈して自分を守った山田を可愛がり物や食事を与えます。
良好な関係が続いていましたが、徐々にその関係に暗雲が・・。
山田の大切にしている加納がアルバイトとして自分の世界にやってきてしまいます。
詳細は割愛しますが、惣一さんに加納を自分の世界に巻き込みたくないと訴えても聞き入れてもらえず、子分の良太が美人局に失敗し敵対する組織に拉致られた時も見捨てられ、惣一やヤクザ社会に対して抱いていた疑似家族妄想が崩壊し現実に引き戻されます。
山田は惣一の側近をやめたいと申し出、惣一は嫌がらせのようにデブの仕手師を殺すように命じます。
山田は根っからの悪人ではないし、組織に裏切られたような気持ちで仕手師を逃がしてしまいます。そして自らも逃亡することに。
家族だと信じていた組織に裏切られ傷ついた山田が頼れ信頼できるのは加納しかいませんでした。縋るように助けを求めた山田を加納は、気の弱い大学生とは思えないほどの行動力で、まさに命をかけて逃がし守ります。
この時に、二人は結ばれるのですが、極限状態の中での逢瀬。
恋や愛、生と死、信頼、友情、複雑な感情がごったになった生々しいリアルさがありました。
上巻はわりかしほのぼのした展開でしたが、下巻は目を背けたくなるような痛々しい場面が盛りだくさん。
ラストはハッピーエンドですが、木原先生の作品なのでもちろん甘いシーンはちょっぴりです。
でも希望の見えるラストでよかったなぁっとホッとして読み終わりました。
とても素敵な作品だと思います。
上巻は導入部だと思ってたら、本当に見事に導入で、あの静かすぎる展開は下巻へと続く嵐の前の静けさだったわけですよねやっぱり。
下巻のジェットコースター展開は、もはやBLのお約束をことごとく無視しまくる木原節によって、具合が悪くなりそうでした。
この話の凄いところは友情だったふたりの関係が、親愛を経て恋愛へと移行していく様が、もの凄く自然に描かれていることに尽きます。
つっかかりも疑問も感じさせないくらい、本当にふたりが自然に気持ちが近づいていって、その描写が自然でリアル。
現実のどこかにありそうなくらい。
煮え切らない感じも否めないですが、面白かったです。
読後の疲労感も結構強めですが、読んで良かったと思える充実感。
気になるのはその後の惣一さんなんですが、こちらは薄い本の方で書かれているので、そのうちスピンオフとしてノベルズになればいいなー……と思ってるんですが、内容があまりにアレなので無理かな。でも読みたい。
上巻に続き、あらすじ抜きで感想をつらつら述べていきます。下巻も表紙が美しい。成長して山田より100倍頼りになる路彦が彼に寄り添うようなビジュアルが目を惹きます。
まず、読んでいて興味深いと思ったのは山田と路彦の思考の違いです。山田は典型的な男の人の考え方を持っています。まあ、かなりアホで巨乳好きでキレ性でどうしようもないですが...。一方路彦は嫉妬深くて面倒くさい女のような思考の持ち主です。すぐに泣くし、拗ねるし、山田をオロオロさせています。一度、路彦を怒らせた山田がその扱いに困って、弟分の良太に電話した時は夫婦喧嘩かと思いました笑 この考え方の違いが二人を上手いこと調和させてるのかと思います。
惣一から褒美にクラブの巨乳お姉さんをお膳立てしてもらったにもかかわらず、泣いてる路彦の顔が目に浮かんで何も出来ない山田。純情にも程が有る...意外と誠実な山田に微笑ましく思いました。
また、大学生になった路彦はとても成長しました。山田が惣一に男惚れして命を懸けているのをみて、「一人になるのが怖いから、ヤクザという仮性家族にしがみ付いてるだけなんだ」と正論を告げます。山田はそれに怒るのですが、その後偶然路彦が惣一の仕事を手伝うことになったと聞いて必死に止めに入ります。自分が心酔してる世界でも、路彦を絶対に引き込んではならないと信じている山田。そこに山田の過去が垣間見えて、切なくなりました。山田はそれを止めさせるために土下座をして惣一に頭を踏みつけられます。それでも頭を垂れる山田に路彦への愛を感じて萌えました。
そこからの路彦の逆転劇には驚きました。まさか路彦が山田に突っ込む日が来るとは... 最後まで、右左が入れ替わることはありませんでしたが、路彦は山田に求められたら簡単にお尻を差し出しそうだと思いました。リバカップルだと勝手に思っています。
最後の方の展開は急すぎて、もっと時間をかけて再開して復縁の下りを書いて欲しかった気もしますが、尺が足りなかったかな?それでも、全てひっくるめて神評価にしたいと思います。
*萌えたセリフ集*
⚠︎未読の方は読まないで!
山田が路彦のトイレを無理やり手伝った後で言う山田のセリフ
『俺はお前が恥ずかしがってんのを見てると、興奮する変態だからな』
いや、ほんとにただの変態...笑
八つ当たりされた路彦が健気にいうセリフ
『信二さんがオタクとか漫画読むのが嫌なら、僕やめるよ』
可愛すぎる...これには山田もたまらなくなったらしく抱きしめてました笑
ヤクザ物大好きなんですが、こうリアルなと言うか底辺な感じのは初めてでした。そしてバッドエンドが怖いワタシは恐々読み進めました。
後半は、どうなるの?この先と言う不安ととふたりの気持ちが切なくて泣きました。
路彦が中学生の頃からの長い長いふたりの物語は新たなスタートを切ったところで終了。けっこう壮絶な物語でした。
この先路彦の健気な気持ちに信二がずっとずっと応えてあげてほしいと思いました。
信二は素直じゃないけどw でも路彦のことは大好きだものね。
攻/受は自分の想像と逆だったのでちょっとびっくり。いつになったら信二は路彦を抱くのだろう?と思いつつ読んでました。
路彦ったらいつの間にそんなに男らしくなったの?急に雄?と、信二を襲うシーンで思わず心の中でつぶやきましたヨ。
最終的には攻であり嫁パターンです。路彦にはお似合いです。
リバもありかと思いましたが、そのシーンはなかったのがちょっとだけ残念でした。
上下巻と長い物語でしたが、長さを感じさせずあっという間でした。心地よい読後感です。
かつて信二が所属していた茂木組が解散し、本橋組に移ります。そして、そこの陰の実力者でもある惣一に気に入られ、信二は、彼の身の回りの世話役につきます。
一方、大学生になった路彦が、思わぬ形で本橋組との関係するようになり、なんとしても気質のままでいさせたい信二は焦ります。それでも信二のことが好きな路彦はどんどん本橋組の裏株操作に荷担してしまうのです。
信二のことが好きな路彦は少しでも近づきたいと思い、信二は路彦を近づけさせないと怒鳴ったりもするのです。路彦はヤクザをやめて欲しいというのですが、信二にはどうしてもこの世界から足を洗えない事情があるのです。彼には家庭の記憶がなく、これまでの人生でヤクザ、組を疑似家族とすることでしか家族を味わえないと思っているのです。そして、どうしてもこの正解から足を洗えずにいるのです。
中盤、惣一からの命令を受け入れられずに逃げてしまう信二は、自分が家族だと思っていた人たちからの本当の言葉を耳にして愕然とするのです。死ぬことも怖くてできない中、最後までそばにいてくれたのは路彦で、彼との逃避行が本当にどきどきでした。
路彦と一緒に逃げた倉には、花嫁衣装があり、その衣装を路彦は信二にあてがいます。どうしてもこの衣装を着せたかったという路彦は、実は結構抜け目がない人です(笑)
抗争後の結末も痛いのですが、痛い思いをしてからでないと、本当に守りたいもの、大切なものが分からないというのも残酷です。
下巻の方も重い内容になっているので、正直これも読むのが辛かったです。
上下巻通して読んで、実は路彦の方が受けだとおもっていたのですが、意外にもそうではないようです。上下巻を合わせるとひとつの絵が完成します。路彦、信二の身の上に流れた時間、成長した部分、失った部分など、ひとつひとにしっかりとした萌えを感じました。
痛み、残酷さも含めて、一つの映画のようなお話でした。その後にある二人は乗り越えるものが大きかっただけに、ほっとせざるを得ません。
とにかくこの作品は神の一手に近い作品です。
何が凄いって、山田の可愛さと加納の強かさです。
昔二人は逆の立場だったんです。でも成長と共に
二人は変わって行く……。
単純なヤクザモノと一緒にされたくない!
人間の成長ドラマと言っても良い!
そこに少しずつ流れ込んで来るBLエッセンス。
普通ならばそこまでエロく感じないBLならば
刺激的でも何でもない描写がとにかくドキドキしてしまう。
ラスト中盤の逃亡シーンでは、思わず涙してしまった……
私が泣いた数少ない作品。
まさに傑作だと思う。
一つ心残りがあるとすれば、オチまでの展開が少々間延びしてしまった感じ。
そこが残念だった……
ここまでやるかという、いつ誰が死んでもおかしくないような展開の中、誰も死ななかったのが奇跡。
敵対する相手(惣一)の甘さと運の悪さ、良太と路彦を助けた医療の素晴らしさに乾杯。
路彦は、中学生の頃がリアリティがあって弱さも狡さもうまく描かれていたけれど全て読み終えると信二にあそこまで傾くという部分において現実感がなかった。
物語は、路彦から始まったけれど路彦の目を借りて見た信二の物語だったような気がする。
結局、信二と良太は、やくざにはなれなかった。
甘いような気がするけれど更正?できて良かったんだろうなと思う。
正直blヤクザものはどうしてもヤクザの世界があまあまだったりという現実離れしている作品が多いのであまり好まないのですが、この作品では、下っ端の信二の立場の不安定さやヤクザの世界の恐ろしさがバックグラウンドにあったので、とてもリアリティのあるドキドキ感を味わうことができました。ヤクザを抜けるって本当に簡単なことじゃないんですね。。。
二人の逃走劇では映画を見ているようなハラハラドキドキがいっぱいで、時間を忘れて一気に読通していました。
本来は苦手なリバもこの二人だったら全然有り!!というか萌え萌えですッ!!
木原先生の作品の中でも特におすすめの一冊です。
上巻とおなじく読み始めたら、とまらなくて
なんだかあっという間に読み終えてしまった。それにしても木原さんは凄い。
路彦の成長も、成長と同時に感じる山田の弱さ、家族に対する憧れと恐怖の出しかた、
それらを痛感させられる瞬間の山田、挙げればキリがないけど
一つ一つが秀逸で素晴らしかったです。+。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚
惣一さんのおかげでペニバンという物の存在を知りました(笑)
略さないと言葉のまんまですね。
あらすじなどは皆さんレビューされているので、
私は個人的な感想を。
木原さんにしては、甘いなぁ
という印象はありました。
殴る蹴る暴言などは多々有りましたが、
本当の所お互いに想い合っている。
そこはすごく甘かった。
上巻からあわせて
路彦の成長っぷりは凄い。
いきなり魔法のように男前の頼れるイイ男になった訳ではなくて、
まだまだ甘ったれで女々しくて泣き虫だけど
確実に男らしく成長している…
その描写に密かに萌えました。
梨とりこさんのイラストも美しい…っ
襦袢の濡れ場には萌えましたな………。
最終的に皆さんハッピーエンドになってしまって…
いえ、ハッピーエンドいいですよ。
私はバットよりハッピーな方が好きですから。
ただ、良い意味で拍子抜けしました。
こんな幸せになっちゃえるんだ…。でも
幸せが一番いいですから。
路彦と山田はいくつになっても追いかけっこしてるんでしょうね(笑)
組が解散し、東京の組へと移った信二。
信二を追うように東京の大学へ進学した路彦。
信二は猫で、路彦は犬。
わたしにはそう思えるのですが
猫は猫なので虎にもライオンにもなれないのです。
犬は、たくましく忠犬になり猫を守るのです。
そんな感じのお話でした。
シナリオは、ヤクザものにありがちな・・・感じで
どんでん返しもなく(下克上は想定内です)
心配したようなことにはならなくて
ちょっとぬるいかな?なんて思ってしまった。
ファンタジーヤクザ系なら、てっぺん取っておしまい。
リアルヤクザ系なら、命落とすか、堅気になるか・・・
そんなに多くない選択肢のラストが用意されてると思うのですが
その範囲にすぽっと収まってしまって・・・
おもしろかったですけども、木原さんとしてはどうかな?と
欲を言ってみるw
森、良太・・・もう少し悪い人でもよかったかも。
私はどんだけ木原さんに最低人間を期待していたんだろうwww
“痛さ”はあれど、読後放心するような強さはなかった。
上巻にあれだけあっけなく人の死を描いていたので
死は等しく訪れるのかと思いきや下巻は人間の生のしぶとさを思い知る。
死なずにぼろぼろでも生きていく
人生を続けていくということは素晴らしいことだな。
信二と路彦には、クライマックスはなく終わったという印象よりも
はじまっていくような感覚が残りました。
本来であれば、ヤクザ物は避けてます。
痛かったり死にネタじゃないかと……。バットエンド嫌いです。
しかし今回は木原先生のサイン会につられ、あらすじも見ずに申し込んでしまった…。
色々あって(もう皆さんご存じだしょうから省略)バスで逃げるあたりから、急に緊張感が増しハラハラドキドキ。
初めて”美しいこと”でBLノベルズに出会った時のように、睡眠を削っても続きが気になり止まらなかった!!!
蔵に隠れた時点で警察呼べよっ!!と一人興奮してイライラしました。
木原先生に電話して教えてあげたかったくらい(笑)。
正直、最後の穏やかさに心底安堵しました。
(逆にみんな助かって良かったのに、物足りなさを感じるくらい。どっちじゃい(^^ゞ)
始まりは信二意地悪だし、路彦なんで懐いてんの?って不思議なくらいでした。上では信二死にかけたし…、本当に悲しい世界だな、ヤクザって、って。
でも、木原先生の力でどんどん読ませられました。
信二の「助けて」や「花嫁衣装」で事件性だけでなく、胸キュンもいっぱいでした。
久々に夢中になりました。
やはり木原音瀬さんは神。
後書きで緋襦袢を書きたかったんです、というのにちょっと
笑いました。 そういえばそんなのもあったかくらいの存在感でしたが…
今回もぐいぐい読ませるその疾走感はさすが。
今作品では、二人きりの世界といった閉塞感はなく、
賑やかな脇役勢が彩りを豊かにしている。
特に、女性陣がさりげなく良いと思う。
ペニバンで女にイかされたがる、ちょっと特殊な性癖の
惣一さんに対して、元パートナーの玲香のちょっとした一言
「あいつって変態だったけど、けっこう好きだったんだよね」に
痺れた。 山田には路彦がいた。 だから人殺しと言う
ホントのクズに身を落とさずに済んだ。
惣一にとっても玲香さんはもしかしたら特別な相手だったかも
しれないのに気付けなかった不幸がある。
他に居場所が無いから、誰もいないから…ではなくて、
さらにその先、押し広げた世界の中からただひとりあなたを選ぶ、
というのが良かったと思う。 笑う龍って、現実の持つ
中途半端さや惨めさにつながるイメージだと思うんです。
痛みを答えられなかった山田のハンパさ、無残さ。
以前のいじめられっこな路彦だったら、山田に出会う前の彼ならカッコワルイって
言っちゃうんじゃないかな。 今は違う。 そんなカッコワルイ
あなただから好きなんだ、背中の龍が綺麗なんだって言える。
そんな路彦の成長が凄く嬉しくなる。
山田を好きだっていう路彦、良い男じゃないですか。
多分出会わないままだったら、路彦は全然違う人間になっていた。
でも、本人も多分今の自分の方が好きなんだと思うんです。
山田がいてくれたから今の自分がある、そんな自分が好きだと
思える路彦が男前で良い! クライマックス、
「僕の人生のそばに来てくれてありがとう」の一言で
涙腺決壊! よくぞ言ってくれた…と喝采したいよ。
山田は山田で愛しいんだ。
「路彦さえいたら、自分は大丈夫だったのかもしれない。」
絶体絶命のとき、助けて、の一言を言える相手がいる幸せ。
どうしようもない、現実の痛ましさ、中途半端さ、
無残さ、惨めさを全部全部ひっくるめて、肯定する力。
これこそ恋愛の魔法じゃないの? とうっかり感動してしまったよ。
今作品は全体的に痛ましさは少なかった。 木原音瀬も
丸くなったのだろうか。 私は好きです、この作品。
自分の所属していた組が解散になり
東京の大きな暴力団に入る事になった信二と良太(信二の弟分)。
そして、信二を追うように東京の大学に進学した路彦。。。
2人の距離は相変わらずで
田舎に居た時と変わらない関係を続けていたのですが
そんな関係が劇的に変わるキッカケになったのが
信二が下に付く事になった、組長の息子・惣一だったんではないでしょうか。
この惣一、普段は株取引や株操作で金を稼いでいる一見穏健派なのに
気に入らない事があると、冷酷非道な面を見せるやっかいもの。
この惣一を怒らせてしまった事で
路彦も巻き込んでとんでもないことになってしまうのですが。。。
路彦も、信二の事となると必死だし
信二は、今までいろんな事から逃げてきた癖が抜けず
瀕死の路彦が死ぬかもしれない、という恐怖から逃れるために
路彦の前から姿を消しちゃうし
みんな不器用過ぎて、見ていてイライラさせられます。
でも、一番不器用だったのは惣一だったのかな?とも思いました。
暴力団組長の息子、という立場で育ってくる、ということは
人が人として備えるべきいろんな事が欠けたまま大人になるのかも、と。。。
そんな惣一の登場のおかげで
路彦は、危険な目に遭いながらも
自分の気持ちを信二にぶつける事ができたし
信二も本当に大事なものに気付けたんだと思います。
下巻は、惣一のおかげで
肉体的に痛い場面がたくさんありましたが
精神的に痛いことはなく
木原さんの得意の「理不尽」な結末でもなかったので
読後感はすっきり、恋愛小説を読んだな~、という気持ちになれますw
ラストシーンで月に向かって笑っていたもの。。。
それが、2人の物語のすべてを物語っていたみたいでとても綺麗でした。
下巻で何がときめいたか。もちろん作品はばっちりだったんですが、惣一さん・・・・女にペニバンで責められないとイケない身体。そこに思わぬツボを見出しまして、発狂するほどトキメイテしまいました(ノ´∀`)ノ゙祭りだw
脳内に妄想できるだけに画だけでヤバイwwあえぐ惣一さんをぜひ実写でww
おいといて。
お話は、東京の事務所に移った山田と少し大人になった路彦からはじまるお話。山田がヤクザという世界に求めたもの。欲していたもの。そして路彦への気持ち。路彦の気持ち。関係~を描いていくお話。
であったときには、強くてカッコいい山田。しかし、本当は失った父との関係、求めた愛の形。本当は弱くて、弱虫で泣き虫な山田。
そんな山田のそばにいて、大人になった路彦。
山田が好きで、大好きで。守ってもらってばかりだった自分が、今は山田を守りたいと強く~という成長記録という意味でも面白かったかなとおもいます。
別件。
キスシーンが多いのはよかったwチュゥチュゥしてるカップル好きです。もちろん描き方にもよりますがwそんで、巨乳がすきなのに路彦に興奮してしまう山田。ってのもウマw
濡れ場もエロくてマル。背中の刺青ウマ。
何度か死の恐怖~が描かれているんですが、結論カップリングがされるとわかってしまっているBLではイマイチ切なくなれないのが残念でした。
極論。路彦成長期!泣き虫な山田さん大好きですww
東京に出てきた信二が、いよいよ惣一の元につくようになるところから下巻は始まります。
上巻のラストの方で、惣一の冷酷さを目の当たりにしていたはずの信二ですが、惣一の下で働くうちにだんだん傾倒していくようになるのですが、、、
ここで、惣一を、BL的お約束な、完璧でカッコイイ頭脳派ヤクザにしないところがコノハラ流。
惣一は、全く人の心がわからない性格と、なかなか痛い性癖の持ち主。
偶然惣一の仕事に関わることになってしまった路彦を、惣一から遠ざけようとする信二。
しかし、惣一は信二の願いを聞かないばかりか、ほとんど嫉妬のように、路彦を仕事に引き込みます。
信二の心は、良太の事と路彦の事で、惣一から完全に離れるのですが、惣一はそれが許せず、壮大な、駄々っ子報復戦が始まります。
この追跡劇のハラハラ感と結末の不条理さは、「痛い方のコノハラ」要素満載です。
二人は、主に信二の方の理由で、始めから「かきっこ」という擬似SEXしかしてこなかったのですが、逃避行の最中にようやく完全に結ばれます。
黒紋付きの大振り袖という花嫁衣装と蝋燭の影。
極限状態でのたがの外れた際限ないSEX。
直後に訪れる別れ。
4年の時を経て、総ての物語にハッピーエンドが待っている。
月明かりの下で、龍は笑っている。
信二が東京の組に移り、組長の息子・惣一の下につくことになってからのお話です。
「上」ではテキヤがメインのヤクザでしたが、こちらは違法な株のやり取りで稼いでいるヤクザ。
大学で経済を学んでいる路彦も組の仕事に関わっていると知った信二は・・・
さらに舎弟・良太の不手際で、窮地に追い込まれてしまった信二は、惣一が放ったヤクザに追われる身になります。
好きだという告白とともに路彦に助けを求める信二。
手に汗握る逃避行の末、今度は路彦が瀕死の重傷を負い、信二は服役して離れ離れに・・・
変わらず根底に流れているのは、路彦にカタギでいてほしい信二の思いと、信二に犯罪を犯させたくない路彦の思いです。
お互いを想い必要とする二人が、紆余曲折を経て一番いい状況でハッピーエンドになってくれてホッとしました。
それにしても、チ○コ連発の信二なうえ遠慮なくそれに乗っかる路彦なので、これだけハードでディープな内容なのに、やっぱりニヤッとしてしまうおかしさがあちこちにちりばめられて、なかなか楽しい作品でした。
できれば、題名にもある笑う龍の刺青をさらに印象深くするシーンがあったらよかったと思いました。
脇役に、いい男だけど変態な惣一やオタクの君嶋という個性的なキャラも登場しましたが、この作品は主人公の存在が大きくて、脇に入れ込まないまま素直に読み進みました。
舎弟の良太とその彼女美鈴がハッピーエンドになったことは予想外でしたが、嬉しかったです。
木原音瀬だいすきっ子によるレビューですので偏りがあります。
ご注意くださいね(´・ω・`)
上巻に続き、読んでいて吸い込まれるような作風でした。
木原作品のなかでは読み終わりが「痛い」部類に入らない内容です。
ただ読んでいての「痛い」はありました。
いじめにあい、弱弱しい男の子だった路彦。
そんな彼をおちょくっていた端くれヤクザの信二。
強気だった信二が大人になっていくにつれてたくましくなっていく路彦に「助けて」と叫ぶシーンでは思わず号泣しました。
ふたりのここぞというときの台詞、震えますね。
信二、路彦にとって、絶対といえるのがお互いの存在。
そんな自分じゃない、彼のためだったら自分なんてどうなってもいい。
落ちていくように、堕ちていくように恋をする。
もう、恋をしてしまっている。
そんな内容に、是非涙してください。
個人的に梨とりこさんの挿絵も美しくてたまりませんでした←
上下巻で完結です。表紙が最高v
読み終わったら必ずや2冊並べて眺めて欲しい。
成長した二人の姿を見比べることで9年の歳月をしみじみと感じることができるはずです。
木原さんの作品にしては重たさ、痛さ、といった面は少ない感じなのかな?
私自身としては、読んで身を引き裂かれるような思いはしませんでした。
けれど、相変わらず人間の弱さ、汚さを書くのがそれはもうお上手な方なので、読んでて身を抉られるような、
「気持ちはわかるんだけど、それはしちゃいけないことだよなぁ」
と思ってしまうような場面はいくつかありました。
下巻はずっと山田視点。
上巻の「月に笑う1」は路彦視点だったのですが、路彦の気持ちは火を見るよりも明らかなので、癇癪や嫉妬一つとってもその態度がとてもかわいらしかった.+゚(*´v`pq))
下巻の最大の萌えツボだったのが和服花嫁衣装エッチw
赤い襦袢に襖に影、ってww
木原さんもかねてからの野望だったそうで、そりゃあもう萌えまくりましたとも!!
しかも着ているのは何の色気もなさそうだったチンピラヤクザ!!
いやーんvかわいいvv(*´゚因゚*))
と、こんな嬉しいシーンをはさみつつも締めるところはきっちり締める。
最後に路彦が山田に言うセリフがとてもよかったv
「僕の人生のそばに来てくれて、ありがとう」
それまでの辛い山田の人生を思うとほろりと泣ける言葉でした。
萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
木原さんお得意のロクデナシ系男。
こういうはみ出し者を書かせるとほんと上手いですね。「いい加減で、気分屋で、嘘つきで」という帯のコピーそのままに、加えて短気で、頭も口もガラも悪いヤクザの信二。
路彦だけはヤクザの世界に関わってほしくないと思ってはいても、縁を切ることもできず、結局は最悪な形で巻き込んでしまうような情けない甘えたちゃん。
だけど打算が全く無い。
裏返せばお馬鹿さんともとれるんですが(笑)、そんな面も含めて愛せる不器用キャラでした。
一方9年という歳月を経て、弱虫の面影もないほど(泣き虫だけど)イイ男に育った路彦。ぷるぷる震える仔猫ちゃんから番犬へ。信二とえらい違い。笑
でもここまでイイ男に成長したのは、信二がいたからこそ。
恋愛に殉じる、という一途さは木原作品の特徴の一つだと思いますが、路彦もまたその一人です。
上巻で、信二の刺青を初めて見て「中途半端で弱々しくて格好悪い」と感じたように、路彦は決して信二に盲目的なわけじゃない。
15歳だったその当時から既に、とっくに信二の本質を見抜いていて、むしろシビアな観察眼を持ってる頭良しっ子。
チンピラでも馬鹿でも半端者でも、どうしても信二が好き。そんな路彦の一途さに、恋愛って理屈じゃないよなー…ときゅーーーんときました。
『だって褒めるとこないもの。それでも好きなんだから、しょうがないかなって』
という路彦の科白がものすごく好き。
そのままでも認めてくれる、好きでいてくれる。
これほど嬉しい告白はないと思う。涙がでた。
臆病ゆえに関係をハッキリさせることを避けていた信二も、追いつめられてようやくちゃんと認められたけど、最後まで逃げ回るチキンなのがらしいなぁ…笑
家来でもあり友達でもあり家族でもあり恋人でもある。
そんな完全無欠な自分の巣(路彦)をようやく見つけられるラストは、やっぱりじーんとしました。
でもこれからも信二は、路彦に迷惑かけまくる気がする。笑
2冊も読んだにしてはちょっと食い足りないぞ~?と感じてしまうのは、二人の関係性にあんまり揺さぶりがなかったからでしょうか。
信二が無自覚なだけで基本ずっと両想いなので、安心するような物足りないようなそんな気持ち。
そして展開が派手だっただけに全体的にちょっとチープな邦画のようで、刺青や雪などのせっかくのエピソードも、(生死に関わるシーンが多用されすぎてて)その派手さに埋もれてしまった気もします。
心臓が絞られるようなあの「痛み」がなくて物足りない気ががするけど、かなり面白かったのは確かだし、ぐっとくるシーンも沢山あったし、心の繋がりが明確なので読後感は特に良かった。
十分満足の上下巻でした。
中学生の路彦がいじめを受けている現場に居合わせたチンピラの信二。
弱く幼い路彦に、ケンカの仕方を教えてやったりAVを見せてやったり。
単なる下っ端ヤクザでしかない信二も路彦の目には頼りになる存在として映り、信二もまた素直に懐いてくる路彦を可愛く思った。
二人は友情関係を築くと共に、互いの性欲を満たし合う関係にもなった。
その一方、経済ヤクザの惣一に心酔していく信二。
しかし惣一に対して思い描いた理想は幻でしかなかった。
惣一を裏切り、追われることとなった信二が助けを求めたのは路彦だった。
脆く臆病な男だった信二と違い、度胸があり機転の利く青年となった路彦。
信二を想う強さが、いじめられっ子だった路彦を成長させた。
そして信二は、自分がずっと追い求めていたものを与えてくれるのは路彦であることに気付く。
面白かったといえば面白かったです。
でも「読まなかったら後悔する」というほどではないです。
いつものようにきつい場面もありましたが、きつさが違うというか・・・。
主役の二人が愛情で結ばれていることは最初から疑いようもなく、恋愛のハラハラを読むことができませんでした。
色々と事件が起きましたが、すんなりと結ばれたように感じます。
受け・攻めも最初に口絵を見たために分かってしまいました。
一枚の絵となる表紙はすごくいいんですけどね。
それぞれの時の二人の関係もよく表れているし。
そういえば相手が目の前で死にそうになったりとか、放尿させたりとか、わざと同じことを体験させてるのでしょうかね?
それと途中から登場しなくなった路彦の両親。
息子のことはあきらめたのか。
木原作品が痛いからといって、構えた自分がバカでした。
家族にこだわり、一番大事なものを守りたい気持ちにこだわり、不器用なヤクザが、何年もかかって本当に大事なものを見つけた。
そんな話だったのだと、上下巻読んで思いました。
中学時代いじめられっ子で、ションベンたれと呼ばれ、弱かった路彦は、身体も心もすっかり強くなり、信二に甘えている部分もあるものの、きちんと自分で考えて、行動力のある賢くて強い青年に成長していました。
上巻はほんの序章でした。
東京の中堅どころの組に入った信二は組の幹部に目をかけられ、株操作をしている男の世話係として、後に息子のガードとして取り立てられます。
今まで任侠そのもののチンケな事しかしていなかった信二にとって、スマートな経済ヤクザの息子・惣一につくことは、目から鱗で目新しいことばかりでした。
嘘がなく、真っ直ぐな信二は惣一に気に入られ、信二はこの人の為なら命さえ惜しくないと思うようになるのです。
しかし、路彦が仕手に引き込まれそうになったり、信二の親友で舎弟の良二が組に見放された時、組に家族を見ていた信二は不信感を持ちます。
もう惣一には付きたくないと願い出るが、その引き換え条件はあまりに酷なものでした。
組から追われる立場になった信二を助けたのが路彦。
感情の起伏のままに、追いつめられる信二に手を差し伸べ、冷静に対処し、無事隠れることができた時、二人は本当に結ばれて・・信二は花嫁になりました。
子供の頃父親に酷い目にあわされ、その死を目にし、家族をヤクザに求めた信二。
家族の為には命をかけてもいいと思っていたのに、守りたいものは組より路彦だったという、信二が本当に気が付くまでには沢山の血が流れ、痛めつけられ、ここまでしなければわからなかったというのは、路彦との生まれと育ちが余りに違いすぎたからだと思います。
ここで、”1”の話がきいてくるんだなと思います。
強がっていた信二は本当は弱虫で、弱虫だった路彦が本当は誰よりも強い人だったというのは、中学2年から信二をずっと好きだった一途な気持ち在りきなのだと。
全体の感想として、2冊もの長編にしなくても一冊でまとまりそうな話だとは思います。しかし、丁寧にエピソードをなぞった為にこんなに長くなってしまったと、いくらか仰々しさも感じなくはないです。
年数は長いけど、さほどドラマチックでもなく、ごく身近にありそうな、現代に即した現実味のあるお話だったと思います。