愛を乞う

愛を乞う
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神36
  • 萌×229
  • 萌21
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
17
得点
365
評価数
96
平均
3.9 / 5
神率
37.5%
著者
夜光花 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
榎本 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥543(税抜)  
ISBN
9784199005473

あらすじ

「これから6年間、息子の性欲処理の相手をしなさい」。両親の借金の形に、13歳で大富豪・綿貫家に売られた氷野春也(ひのはるや)。同い年の一輝(かずき)は、人に命令し慣れた態度で春也を物扱い。口と手で一方的に行為を強要してくる。ところが、全寮制の高校で同室になって以来、なぜか春也にキスや愛撫をするように…。一輝の態度が変わったのは一体なぜ? 理由がわからないまま、契約終了を告げる卒業の日が迫り――!?
(出版社より)

表題作愛を乞う

綿貫一輝,売られた先の息子
春也,借金のかたに親に売られた

レビュー投稿数17

性と恋心の純粋さと成長する二人

もしも魂が目に見えるなら、俺たち絶対汚れてないよ。一樹だってそうだよ、俺のこと……ずっと守ってくれたよね?

滅茶滅茶良かったです。最初の綿貫(春也を一樹の玩具に当てがった奴)がヤバ過ぎて少々怯えながら読み進めたのですが、奴隷と主の関係で二人くっついて大人になり、性と恋心の純粋さが混ざり合っていくのが良かった…
それもこれも一輝が結構良い奴だったから。

春也は最初強制的にフェさせられたり剥かれたり辛そうで、またそれも良きなのですが、キスや兜合わせも一度してみれば毎日のようにしてしまうとか、興味に純粋でキスや性を覚えては夢中になる学生ものはツボでした。一輝が春也のをフェした後、不味くて春也に笑われるの、可愛くてすごく良いな。
垣間見える一輝の優しさに春也が懐いていき、高校に入ってからは彼らの自由な高校生活が解放感があって、主従だからベタベタくっついて甘さのある関係になるのが良かったし、挿入もお伺い立てるし、怖がる春也に指で慣らす期間が長いのが最高でした…!甘いのに二人は両片思い!
二人の純粋な気持ちも、綿貫に対峙する春也の震えや嫌悪も手に取るように感じられる文でした。
春也が普通に女性と付き合ったのは意外だし、一輝がこんなに鈍感だと思わなかったけど、奴隷だった春也を大人になってから探して必死に詰め寄る一輝は良かったです。離婚もしちゃって。

二人とも、お互いがいたから真っ当な人間性の欠片を何とか持っていられたような危うい環境でしたね。とにかく大人が悪い。
子供の頃からの従属が無くなりただの大人ふたりになった彼らがやっと結ばれる、長い道のりだったけど良かったなぁと思える読後感でした。
「笑ったのが可愛かった」なんて純粋で尊い感情で理由なんでしょう。

1

縋るものが相手しかない関係

11年前の作品かぁ……
今はなかなか書けないだろうなぁ。
そもそも『借金のカタに性奴隷として子どもを売る』ということを現代の話として書かれてもあまりリアルに感じられないのだろうと思うのです。
ただですね、親に抑圧された子どもの話として充分面白かったです。
何て言うか、子どもが『どんな最低な親でも親』と思ってしまう所とか。

最低な、そして異常な出会いをした2人ですが、それぞれが相手を『モンスター』ではなく『同じ年の子ども』と、じわじわと気づいて行くところが面白かったんです。
私はこの2人の結びつきを『純愛』と言うより『他の誰とも分かち合えない経験を共有する人』みたいなものに感じられたんですね。例えば一緒に暮らしている家出少年とか、そんな感じ。
縋りつくものが、相手しかいない感じ。

親によってかなり歪められてしまった一輝が、春也への愛情を素直に表せられない不器用さに萌えました。

1

X年愛がお好きな方に

何世代か前のやおいって感じの痛いBLです

BLの攻めってスーパーマンで向かうところ敵なしの天下無敵、親をもやり込めるってのが多いですが
こういうどう足掻いても敵わないリアルな圧迫感と闘うのもいいですね
借金のカタに買われる、ってのはBL定番だけど
もし現実社会であったら「イケメンが大人の男を」よりも本作のように「ヒヒジジイが児童を」売買っていう方が近いんでしょうね

高熱が出てもテスト受けたのも
今まではペットの方を殺されてたのにそのときは自分が殴られたのも
その後すぐ全寮制の学校へ春也を入らせようとしたことを考えると
春也のため(殺すって脅された?)のかも
でも腐女子キャラは要らなかった、場違いでしょうw
最後自分たちの手を汚さず、Xじゃうのはご都合主義かな

1

夜光花さんの学園寮モノ

夜光花さんの作品で主人公がミドルティーンというのはとても珍しいと思い、ワクワクして読みました。

導入部分こそ面目躍如とも言える不穏な雰囲気ですが、それぞれ幸せとは言い難い家庭環境で育った二人が補い合うようにゆっくりと心を添わせていく様子が嬉しく、切なかったです。また、舞台が学園寮に移ってからは二人の心情の変化とともに切なさも増してキュンとしました。学園寮モノを夜光花さんが書くとこんな感じになるんですね~。

途中、何度も不幸の落とし穴に消えてしまいそうな春也を救い出す一輝が不器用ながらカッコ良かったです。

3

おかしな始まりなのに、まさに純愛

期待以上でした!
正直あらすじを読んだ時に「性欲処理って…おいおい」っと思ってまして、
それでもって読み始めの冒頭からびっくりの連続で「はぁ〜っ?」っとなりまして、
解っていた事とは言え「おまえら頭おっかしいんじゃないのっ?」状態。
しかも一輝も春也も13歳?
冒頭から全力疾走で、唖然となりました。

でも最初それだけ落とされたので、
その後の2人が読んでて楽しかった。
子供ながらのエピソードを交えながら、
関係はおかしなものだけど、
2人が成長していく姿が読んでて楽しかったです。
後半は、もう2人がかわいそうで。
親友も超えたような2人であるのは明確なのに、一緒にいる事が出来ない。
なんでこんなに縛られなきゃなんないのか…。
しかもなんなんですか、綿貫!
なんなんですか、あの女!
成長した春也が「ペットでいいから…」っというシーンは、今思い出しても悲しくなりますっという言葉では足りない位、悲しかった。
ここまで救いようがない親を読んだのは初めてかも。
親なんだからどこかひとかけらでも救いがあるのが当たり前と普通に思う自分を鼻で嗤われてる位。
でもまたもう1人の自分は、ここまではっきりしてるからこそいいのかもと思ったり。
ここまでやっといて、反省の色なんか見せられたら、訳わからなくなりそう。
1冊の長さだけじゃ納得いきません。
…っと言いながら、ちょっと高校卒業後があっさりしててちょっと物足りなかった…。
もう少しゆっくり読みたかった。
最後が駆け足な気がして、勿体無かったです。

あとがきに少しずつ互いを好きになるような、段階をふんだエロが書きたかったとありましたが、
まさにその通りにそこを楽しみながら読みました。
純愛ですね。
最後「笑っててくれ」と手を繋いで歩く所、良かったなー。
最後の駆け足感がマイナス1萌。
後は神に近く楽しく読みました。

5

性奴隷っていっても、結局は純愛なのさっ!

1冊まるまる1つの話です。
マイナススタートというか、最低最悪から始まる話、大好きです。
俺様だけど、受けの事を好き過ぎてそれがダダ漏れという攻めのキャラ、かなり萌えます。
これ、ポイント。
この愛があるから、性奴隷云々の汚い話も、純愛になる!
いいもの見せてもらいました。
ありがとう。

と、満足なのですが……いや、贅沢言ってるのはわかってるんです。
わかってるんだけど……これでもいいのだけど、最後にもう一声欲しかった。
キレイにまとまり過ぎて……。
夜光花作品は、こんなものではないはず!!

でも、胃がキリキリ、心臓ワシ掴みで激しく心を揺さぶられましたので、神評価にさせて頂きます。

2

切ない純愛

最高に面白かったです!

借金苦で両親に売られた春也と、春也を買った男の息子の一輝の純愛モノです。
設定自体はBL作品では「よくある」類のモノですが、ふたりの成長とともに、恋愛がスローテンポで進んでいく様子にキュンとしました。

もともと春也が一輝の「性欲処理の道具」として買われていたため、お互いに惹かれ合いながらも、恋愛感情を素直に示せないのが切なかったです。

また、ストーリーの面白さだけではなく、キャラクターの魅力も凄まじかったです!
健気で可愛い春也はもちろん、不器用で鈍感な一輝がたまりませんでした。
夜光先生の描かれる不器用キャラはハズレがないです!

一輝の父親や春也の両親からの酷い仕打ちがあっても、ふたりを思い遣ってくれる人達やお互いの絆があったから、一輝も春也もスレずにやってこれたんだな…と思うと切なくて泣いてしまいました。

オススメです!

2

父親は絶対に許せないw

ものすごい暗くて重い話です。
借金のカタに富豪の家に売られるという設定はよくありますが、
この話はそれだけではすみませんでした。

六年間という期限を定められて、
一輝の性欲処理を請け負うことになった春也。
初めは物扱いされ、ひどい行為を強要してくるんですが
途中から扱いが変わり、キスや愛撫をしてくるようになる・・・。

何年かぶりに再会したのは、
一輝が結婚するという話を耳にしてからでした。
家に訪ねてくる一輝に葛藤をおさえながら出迎える春也。
噂が真実だったことを本人の口からきかされ絶望して
家から追い出す。しかし、後日また訪れ、今度は
「恋人になりたい」と言う。
受け視点で進むため、こいつはいったい何を言ってるんだ?
お前嫁はどうしたんだ?と心の中で突っ込みながら読みましたw
とにかく、受けの母親と攻めの父親に憤りを感じて怒りで指が震えましたw
受けの母親は金をせびりにくるし、攻めの父親は「愛人にならないと」と
鬼畜な所業で受けを追い詰めるし・・・。
様々なBLを読みましたが、とんでもない屑がふたりも
でてくるなんて、本当に想定外ですw
めっちゃ腹立ちました・・・。

衝撃的なシーンは、受けが全裸に首輪をつけられているところです。
しかもその場面には挿絵が入っているので、絶望的な
春也の表情と、愕然としている攻めの顔が見られます。
「ペットでいいから・・・」という台詞で涙腺が決壊しました。
それからすぐに諸悪の根源がしんでしまうんですが
こんなにも全力でざまあみろ!!と思ったのは
二次元ではいつぶりでしょうか・・・。
それくらいに腹立っていたので、なんだかすっきりしました。
あまりにも呆気ない消え方だったので、拍子抜けもしましたが。

そのあといろいろあって、受けも母親と決別することになるので
ふたりとも肉親との絆を断ち切り、これから先は
何にしばられることもなく、一緒に歩んでいく事ができるようになります。
「笑ってくれ」という攻めのセリフにも、また涙が出てきました。

何度心臓がつぶれそうになったのか、それくらい心揺さぶられました。
本当にいい作品で、それと同時に腹立つことばかりだったんですが
それでもやっぱり読後感の程よい余韻が素晴らしい作品でした。

8

素っ気ないけど、受に惚れ込んでいる攻

きゅんきゅんしました!

主人公カプの親がどちらも頭がおかしすぎてビックリですが、ラブラインはちゃんと萌えました。

受がルームメイトの攻に犯され続けて悪夢のような高校三年間を過ごした…とかいう使い古されたしょっぱい話ではありません。

かといって、トラウマ持ちの受を王子様のような攻が癒してあげるという甘々な話でもありません。

愛情不足を補うかのようにくっついていた少年達が成長してちゃんとした恋人になるまでの過程がじっくりと(えろもじっくり!)描かれています。

肝心な時に踏ん張る大人しい受と肝心な時にヘタレちゃう俺様攻のカップリングはやっぱり美味しい!

ハイスペックなのに恋愛オンチな攻が好きです。

えっちはするけど、なるべく受を傷つけないよう気遣うところとか、別れを決めたのにやっぱりお前じゃなきゃダメだとほざいて出戻っちゃうところとか、実に情けなくて微笑ましいキャラです。

攻の父親は受と攻を精神的に追い詰める悪役でありながら、ふたりの仲を引き裂く決定的な行動を起こしません。

なまぬるいなと思っていましたが、最後もなんだか中途半端な形で退場してしまいます。

でも、中途半端だからこそ心底恨めなくて厄介なのかも。

不浄の回廊シリーズがお好きな方は楽しめると思います。

両作品とも攻が素っ気ないけど、受に惚れ込んでいるので。

3

思春期

攻めの一輝の性欲処理のため、父親が与えたのが受けの春也。
受けが一方的に虐げられている構図な訳ですが、実は淋しい者同士、というのがせつない。
寄り添う相手がいたことで、お互いの不幸を乗り越えられたと言えるかもしれません。お父さんのようにならなくて良かったね一輝。

まぁそういうことより私が印象に残ったのはエロのリアルさ。
最初興味のない相手にはとりあえずフェラさせる、愛着湧いたら相手に触れてみたくなる、その先にセックス。という。
思春期の男の子の性がすごく良く表現されていると思います。

この作者さん、他の作品でも若い男の子が妙にリアルだと思うのは私だけじゃないはず・・

個人的に純愛モノがイマイチ苦手なので中立ですが、とてもいいお話です。

3

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