いとし、いとしという心(2)

itoshi itoshi to iu kokoro

いとし、いとしという心(2)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神61
  • 萌×225
  • 萌17
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
22
得点
456
評価数
106
平均
4.3 / 5
神率
57.5%
著者
かわい有美子 

作家さんの新作発表
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イラスト
南田チュン 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
いとし、いとしという心
発売日
価格
¥850(税抜)  
ISBN
9784862636836

あらすじ

屈指の名門旅館の跡継ぎである兄の陰で、ひとり鬱屈した思いを抱えていた千秋。彼にとって、素直で愛らしい隣家の幼馴染み・侑央は唯一の救いだった。侑央が兄に恋い焦がれてさえいなければ──。侑央を抱きしめ、兄に似た声で侑央の耳に甘くささやく。「目ぇ、閉じとき。そしたら兄貴としてるみたいやろ?」大人気の「いとし、いとしという心」待望の続編! すべての因縁が始まった高校生編と大量書き下ろしを収録!
(出版社より)

表題作いとし、いとしという心(2)

井筒千秋,29歳,老舗旅館・井筒屋の若当主
観月侑央,28歳,紙司・兎月の跡取り息子

その他の収録作品

  • ユキウサギ
  • 啼かぬ蛍が…

レビュー投稿数22

衝撃的なほどの余韻

いや、本当に神作。「神」評価って、こういう作品のためにあるんよね、と思うほど、恐ろしく余韻の残る片恋物語の完結編でした。

こんなにも切ない攻めの一途片想い、なかなかないよー……
特に序盤の、二人の高校生編。
もう美しすぎて素晴らしすぎて、息つく暇がなかった。。

いつかきっと兄ではなく自分を見てくれるんじゃないか、と淡く甘い期待を込めて手を出し続けるも、笑顔が失われ体も痩せていき、離れていくユキの心。

壮ちゃん(攻めの兄)を想っているのに、その弟と関係を持っている(本番はないけど)という事実に、自分のことを穢らわしい・汚いものだと思って一人涙を流すユキ…

二人のすれ違う思いが切なくて切なくて、、
「胸が締め付けられる」って、こういうことだよね、と実感。

だからこその、読後味わえる幸福感を噛み締めました。

「ボク、昔からユキちゃんとの約束、破ったことないやろ?」
ー「好き」という直接的な言葉はついぞ使わず、狡くて寂しい伝え方をする攻め・千秋に末長く幸あれ…!!

と願わずにはいられない、素晴らしい余韻の残るラストでした。

はあ……神。

1

前半と後半のギャップ

前半の高校時代のすれ違いが苦しい、にがい、しんどい…
千秋の思惑とは裏腹にどんどん頑なになるユキ。
拗れに拗れたことを自覚して、千秋が「もう逃がしたるわ」と去っていくのが切なかったです。こんな別れ方をしたのに…って思うと、1巻での要求や千秋の想いも深まります。

そして、1巻の続き、現代に戻るわけですが、
前半がヘビーすぎたので、あれ?こんな仲良かった?と戸惑い、1巻に戻る羽目に…
少しユキの心が解れてきたとこで、次巻やったねと思い出すものの、気持ちを整理するのがちょっと大変でした。

気持ちはハッキリ伝えないものの昔みたいな幼馴染みの気安さ、恋人未満な甘さが可愛くて、変わらぬ千秋の周到さにもニヤニヤしちゃうわけですが、千秋の結婚話!!ユキが迂闊に母親に話したから変に大事になったのでは?ちょっと考えなしなとこ多いな…とイラっときてしまいました。が!千秋の「ボクと一緒に地獄まで堕ちよ」には、うわーーーって頭の抱えました。好きが深すぎる。狡くて甘い!!最後の膝枕もほっこりして、あ~良かった!なんですが、電子はあとがきもないので、あれ?終わった?老舗を担う2人の未来は?え?ってなってます。

0

成仏できました

京都BLの名作の呼び声高い作品ということでずっと気になっていたのですが、やっと読めた達成感と余韻にしばし浸ってしまいました。京都弁って、もだもだしてる2人の関係性を伝えるための最高の言語ですね。いい歳した大人の男の同士の”ちゃん”呼びにも萌えポイントが高いです。

前作読み終えたときに、”え~、受の気持ちが決まってないやん!”と攻が不憫な気がしてならなかったんですけど、やっと成仏できました。これはまとめ読みじゃないと、気持ちがおさまらないやつですね。千秋の育った環境ゆえの屈折がめちゃくちゃわかりやすいだけに、ユキちゃんの靡かなさ(一途さ?)にはじれったすぎて悶えました。そのじれったい続きで、”高校生編”って!?(しんどいやつ?)と不安に慄いたのですが…、確かに千秋がユキを好きすぎててしんどい、、という部分もありましたが、2人とも若すぎて互いの気持ちを慮る余裕がなかったんだな(本当はユキ→千秋も大事な存在だったのに)と現在の関係修復(誤解を解いて再構築?)にスルっとつながりました。

やっと恋人っぽさが出てきた“啼かぬ蛍が…”のいちゃこらが最高でした。特に、千秋の結婚話にユキがモヤるところがいいです。え、あのユキがここまで千秋に対する感情をあらわにできるようになったの?おめでとー!な気分でにやにや読み耽りました。

0

しっとり、しっぽり。

2巻まとめての感想です。
電子なのであとがきはなし。

・京言葉素敵。
・作品に満ち満ちている京都の風情が、関東のマンション住まいの私からするともはや異世界。
・侑央の未亡人感ときたら……!!

・気持ちの一方通行感がすごくて「ままならなさ」を強く感じた。
大好きな侑央が、兄に想いを募らせていく様子を傍らで見続けなくてはいけなかった千秋の苦しみ。ツラァ……。
そして想い人が死んじゃった侑央。
おまけに死んでもなお侑央の心をとらえ続けている兄。

・弟への不遇な扱いに気づく事がなかった兄にやり場のない怒りが……なんで気づかない。
不憫な千秋……

・やっぱり執着攻め、最高。粘り勝ち。

・壮一へのあれほどの想いから、やがて千秋へと移り変わっていくところが、なんか微妙にはぐらかされてる感。
壮一への想いを完全昇華してほしかった。

・心のうちでユキに別れを告げるシーン(下巻)が切ない。

・あの女帝のような祖母をギャフンと言わせてほしかったけど、ああいうふうに人誑し全開でだまくらかす方が千秋っぽいなと納得。
「一緒に、地獄まで墜ちよ」というところが痺れたけれど、最強の狐となった今、周囲をうまく籠絡して「男同士云々よりも、千秋に井筒屋を去られるほうがよっぽど地獄」みたいな状況に持っていくんだろうなぁ。むふふ。

5

学生時代と、新店舗開店までの物語

感想
侑央がもし女性だったら、長男の壮一の嫁にすんなり納まっていたかもしれない。
侑央が男性であったから、この物語のようなおもしろい展開になったんだけど、本当に長男の壮一は、侑央の気持ちに気づいて居なかったんだろうか、と疑問。
薄々気づいて居たんじゃないかと思う所がありました。

二巻は、学生時代の思い出に頁を多く割り割かれていて、読みたかった新店舗開設とこれからの事についての物語が、頁数が詰まって少なくなってしまった感じを受けました。尻つぼみ。
それで、調べるとこの二巻の後の続きが、小冊子で出ています。
著者のHPに同人誌の紹介があって、HPからリンク先のサークル名義の頁に行くと、ダウンロード可能です。今現在の価格は¥462。会員登録なしでゲスト購入が可能でした。45頁ほどが¥462の価格設定が、安いのか高いのか分からない。
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https://bit.ly/32z6Fbw
寝ても覚めても忘れぬ君を… A5、P44 オンデマンド本
「いとし、いとしという心」の番外編。子供時代から、大人になって二人で花見に出かけるシーンまで、こまごまとした古都の日常です。千秋と侑央の子供時代から、今の二人のいる風景まで。
サークル名 Blue on the Heaven
2010年12月発売
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発売日が2019年03月24日付けになっているので、DL委託先を都度変えているのかもしれません。著者HPのチェックを是非お勧め、です。



1

文句無い名作…

一巻でお家事情や、複雑な恋愛関係を知った上で臨んだ二巻は、登場人物の過去の境遇や心情等がより鮮やかに描かれていて、更に物語に入り込める仕様になっていました。恋愛部分もしっかり描かれつつも、京都の街での家業の日々の営みや季節の風情も堪能でき、非常にバランスの取れた理想的な小説に思いました。味わい深い作品ですので、読み継がれて欲しいです。

高校生編では、侑央から荘一、千秋から侑央への一方通行の想いが決して交差される事が無い様に読んでいて切なかったです。千秋の家庭事情もリアルで、千秋が複雑な人間性を持つに至った過程に説得力がありました。一巻では、それほど侑央に思い入れがなかったのですが、一途で好き嫌いがはっきりしている所に好感が持て、途中から千秋目線で楽しめました。健気で可愛いw

一巻、二巻通して、千秋や侑央の気持ちが痛いほどわかり、続編の中で余りに長い年月を経てやっと二人の心が通じ合った時は感無量で本当に良かったなーと思えました。千秋と祖母キミとの和解(?)のシーンは涙がうるっときました。恋愛は辛口気味ですが、かえって味があって良かったです。
千秋と侑央は幸せになって良かったけれど、高校生編を読むと、荘一の事を考えてしまって辛い…。こういう事って世の中に普通にある所が人生ままならず、人生色々…と実感しますね。読後に余韻が残り色々考えさせられる作品でした。

3

男女問わず京言葉は色っぽい

前作は侑央がやっと千秋への態度が和らいだ…というところで終わってたから、もどかしさが残っておりました。
なので今作の侑央の気持ちの変化が嬉しい!
今後結婚やら跡継ぎやらで揉める事必至な二人だけど、とりあえずハッピーエンドです。

本は二編に分かれてて、一つが2人の高校時代の「ユキウサギ」、もう一つが前作の続きの「啼かぬ蛍が…」。
「ユキウサギ」は読むのが辛かったです。
二人の交わらない届かぬ想いがなんとも切なくて。
前作で千秋贔屓となってしまったからか、侑央に対して酷い事しているのにもかかわらずやはり千秋に同情する割合が大きかったかな。
千秋が侑央を解放する場面では胸がしめつけられそうでした。

そんな切なさいっぱいの「ユキウサギ」に対し「啼かぬ蛍が…」はなんだか甘酸っぱい。
千秋の結婚話でモヤモヤしたりする侑央が見られるとは!
千秋良かったね…(;ω;)

二作通して、京都のしっとりした雰囲気がとても素敵でした。
交差しない片想いのお話が、京言葉が相まって切なくエロティックに作用していた気がします。
この寒い季節に似合うお話でした。

1

京都に行きたくなります♫

前作の終わりが「えっコレでおわりなの?!」という終わり方だったので、読み終わった後そのまますぐ続編へ。
この作品、この二巻まで読まなきゃ本当の作品の良さに気づけないと思います!その点では損している作品ですよね…。
今は二巻まですぐ読めるからいいけど、当時リアタイで一巻を読んだ姐さん達は続きが無いことにかなり焦れたのではないでしょうか。。。

私は一巻の追い詰める攻めの千秋と、それに戸惑うユキちゃんの仄暗い関係性にも最初から萌え萌えしまくってたんですが、やっぱり千秋への思いを自覚してからのエッチは甘くて幸せ〜〜な気持ちになりますね!
ユキちゃんが千秋を自ら求める姿に、ずっと千秋を応援していた私は、千秋よかったねえええ〜と感無量でした。゚(゚^∀^゚)゚。

かわい先生の書かれるストーリーと京都弁がしっかりマッチしていて、全体的にしっとり、、、
な中に時折千秋の熱情が織り交ぜられて、
まさに冷静と情熱のあいだ(古い…)なこのお話が大好きです!
同人でもいいので千秋にもっと幸せな思いをさせてほしいです…!

次のゴールデンウィークには、2人を求めて京都へ聖地巡礼に行く予定ですw

4

攻の必死具合が気の毒になる

いやぁ……前回、見事にモヤモヤエンドだったので、今回は素敵にほろ苦エンドでとっても良かったです。
無駄な甘さはなく、最後は静かに甘い。
苦いお抹茶を頂いた後に、落雁食べた時のような……そんな感じのいい塩梅でした。
甘酒と塩昆布みたいなね。甘すぎず、苦すぎず、しょっぱすぎず。

作品世界は相変わらず和風で、情緒の塊のような空気感です。
そして、ストーリーに抑揚は本当にありません。
こんなに山場のない小説も珍しい気がしますが、それが逆にいい味を出してます。
起承転結がはっきりしてて、次から次へと問題がわき起こるジェットコースターみたいな話が好きな方には向かないかもしれませんが、私はこういった淡々とした話は大好きなので非常にツボでした。
全体を通して静謐な空気が満ち満ちていて、ぬるっと話が進みます。
しっとりとしていて、静かな感情の動きも秀逸でした。

そうだ、京都に行こう。
と思い立って本当に京都に行きました。

4

天然毒婦、なるほど。

これ、1、2じゃなくて、明らかに前編、後編ですよね。
前回が本当、途中で終わっていたので、やっとこ完結した感じです。

前回は攻めのよさがいまいち分からなくて、受けに最後まで拒絶したれやとまで思いましたが、こっちを読むともしかしてユキの方が酷いんじゃないかしら?と思い始めました。天然毒婦、なるほど。
此処まで読んでやっと、「千秋が可哀想」と思えてきました。
過去編で上京する時の「もう逃がしたるわ」のシーン、此処はとても好きです。
過去あっての1巻目なので、これはもしかしたら時系列で並べた方がいい小説かもしれないです。ずっと引きずるほど、故人に魅力を感じないのもあまり切なくなれない要因かも。
皆それぞれいい人で、やり切れない感じだった方が切ない気がします。
何か皆それぞれ自分勝手なところが気になるかなあ。まあ、それがリアルだといえば、リアルですが。

BLはハッピーエンド?がいい派なので、ラストの話は二人が上手くまとまって良かったです。
よく考えるとこの二人に未来があるか分からないのですが。
取り敢えずは幸せそうで何より。

同人誌がニ冊ほど出てるみたいなので、もしかしたら色々補完されているのでしょうか?
もう読める機会はないだろうなあ。残念。
とても読みやすかったので、もう一歩踏み出してくれたら神評価だった気がします。
そしてやはり、京都物は色気があっていいですね。

1

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