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上巻に引き続きセックスしていても甘さの欠片もありません、この義兄弟。
義弟の玲二〔攻〕×義兄の和也〔受〕
玲二に抱かれている和也が、玲二に抱かれているんじゃなく「抱いているんだ」って思うシーンが凄く好き。
性格破綻者で和也にしか拘らない玲二に身体を貪られながらも精神的には「玲二を抱いてやる」っていうのが玲二と比べれば平凡に見える和也の対照的な強さ。
小説の方では「渇愛」はこの上下で完結ですが、CDのみで続編の「縛恋」も出ています。
個人的には小説よりCDの方が好きかもしれない……っていうかCDのインパクトが強すぎて小説がどうもやはりノベライズに思えてしまう。
CDは渇愛で3枚組、さらに縛恋で3枚組と怒涛の6枚で最後が尻切れトンボですががっつり吉原節を堪能出来ます。
下巻。ほぼほぼCDと内容は同じ。
トオル(エッジ)の弁天電話攻撃のくだりは渇愛CDには収録されず、縛恋(CDのみのオリジナルストーリー)に出てきます。
ひどいことが相変わらず和也に起こります。
かわいそうなくらいに。
アタオカが多すぎます。
和也は、徐々に玲二を受け入れます。
ただそれは、性愛というよりは家族愛なのかなと。玲二の執着を丸ごと受け入れ始めます。俺が抱いてやる…。とまさかのケツ抱きの決意を固めます。
こっちが辛いぜ。和也はね、懐が深すぎるんです。吉原作品、受けの子が良い子すぎ。
再び、兄弟か否かの考察。
和也は、玲二と高志に血縁を感じる描写があります。
和也自身は玲二と血の繋がりをあまり感じていないのでは?と思いました。
玲二は、どっちでも良い、というスタンスは変わらないので、血の繋がりがあるかもしれないことで、和也を繋げれば良いのでしょうね。
ただの恋では和也が離れてしまう懸念があるし、紙の上の関係では不安。もっと強固に繋がりたい気持ちが、禁忌の共有であり、和也を縛る術なのかな、と。
そして、読者の気持ちの持っていきようがない結末。2人とも若いしね。五年くらいしたら、関係性も変わるかもね、なんて思いながら、和也の幸せを願うのですよ。
下巻は少しパワーが落ちたかなァと思う。
物語の整合性のために残虐度がダウンしちゃったような気がする。といっても上巻との比較なので、じゅうぶん以上に残虐です。血みどろです。
好きとか愛してるなんていう甘っちょろいものより、妄執とか執念とかのほうが力強いんだろうな感じてしまうほど、玲二の持つ闇は狂気です。
ラストが惜しかったかなァ。もういっそ二人で死んでも良かったんじゃないかとw