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紅井採乃さんの、ライフワークとも言える長編です。
舞台はロス市警。主人公らの愛憎劇、職業的な思惑・葛藤……、めちゃ骨太な作品です。
絵柄的にも、屈強な男たちのオンパレード!
ラブだけを描いた話ではないため、それほどエッチシーンが多いわけではないけど、数々のしがらみの中で抱き合うという耽美世界に魅了されます。
このシリーズを全部追うとすると、結構大変で、同人誌でしか読めない話も多かったりするけど、それでも一度読んでみてほしいと思う作品です。
長い間、一つの物語に打ち込み、形にされている紅井さん、圧倒されるというか、重みがあります。
この新章完結編では、あとがきコメントもビッシリ掲載があるのですが、それを読むとジーンとして、なんだかこっちまで感慨深くなってきました。
父を亡くしたばかりのジャスティンですが、今度は目の前で兄クリスをも失います。
天然で童顔のクリスはひょっとしたらラウルとくっつくのもあるかもと密かに期待してただけにこれはちとショック。
いいカップルになるんじゃないかと勝手に想像してたんですが。
出て来たばかりの頃のただ跳ね返りだったジャスティンは大きく成長し、デニスと向き合います。
なんか釣り合う男になったな~って感じ。かっちょいいよ、ジャスティン!
前を向いて歩く様になったデニスを見守っていた様に父親とシンクロするシーンはこう感慨深いものがありました。
長い時間かけて描き続けられている作品だけに読んでいる方も少なからずその年月の重みの片鱗を感じる部分がありました。
これで完結か?と思いきや最後の最後で新キャラ出て来たー!
また波乱を起こしそうな気配。
珍しく単独読み切りが1作収録されてます。年下やんちゃ攻のライトな作品。
都合により「〜新章」は読んでおらず、この新章完結編を読みました。
1〜3巻、合わせての感想です。
新章を読んでいないので、新章以降で出てきたキャラへの感情移入度が低めかもしれませんが。
新章からの展開で、デニスは新しい恋を見つけたりしてお話が進んでいくのかと思っていましたが、そんなこともなく、お仕事して生活してはいるものの、デニスはずーっと死んでアイクのところに行きたいと思いながら生きてるんですね。
そしてアイク父は2人の仲を引き裂いたことを後悔し続けている。
新章完結編までかけて、ずーっとアイクのことを引きずりまくりな話なんだなーと思いました。
最後の方でやっとジャスティンがデニスに受け入れられたのかな?って感じで終わってましたが。
そしてもう1つ、別話としてレナードの過去話が1,2巻の半分くらいかけて語られます。これも新章の方から入ってたようなので、前半読んでないのは一緒なんですが、こっちの方が感情移入できて面白かったです。
最初の「きみは僕に〜」ではちょっとしか出てきてなかったレナードですが、こんな辛い過去があったとは・・・。
レナード祖父がレナードを売った事情がよくわかりませんが、酷すぎる。
そしてドレイク弟、悲しすぎる・・・。
ドレイク弟が助けたのにドレイク弟のことを忘れて、ジョーゼフばかり追いかけやがって、とレナードを憎く思っていたドレイクですが、レナードがドレイク弟のことを探すために軍情報部に入り、見つけられなかった、忘れていなかったということを知るドレイク。
レナードにドレイク弟のことをもう教えてあげれば?と思います。
それと、アイク妹の年齢がよくわからないんですが、先頭の人物紹介によると、デニスがSPをしてた頃から3年、とあるんだけど、その頃5歳だったと物語中で語られていて、そうすると8才ってことになるけど、アイク妹8才じゃないよね?
若くても10代前半ぐらいかと思うんだけど、そこがなんか謎でした。
このシリーズはすごく長い間書かれ続けていて、これからも続くようですが、最初の方で片方が死んじゃったカップルの話なので、ずっとその悲しい感じを引きずるんですよね、ここまでも引きずりまくりだったし、と思うと、私的にはそんなにずっと読みたい話ではないなぁと思いました。