花の慟哭

hana nodoukoku

花の慟哭
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神47
  • 萌×213
  • 萌13
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
16
得点
331
評価数
79
平均
4.3 / 5
神率
59.5%
著者
夜光花 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
凍る月~漆黒の情人~
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784812439531

あらすじ

「君のいない人生がどれだけつらいか、頭がおかしくなりそうなこの気持ちが、君にはわかる?」特異体質のせいで、幼い頃から研究所で育ってきた巴は、その研究所を破壊しにやってきた「組織」の須王に助け出される。しかし、巴の存在は、その組織でも混乱を招くものだった。組織の者に陥れられ、須王と引き裂かれた巴は、ある医者に再び監禁されてしまう。巴を救えなかったことを激しく後悔する須王と、須王のもとに戻りたいと願う巴。強く惹き合う二人の運命は、嵐のように膨れ上がりー…。
出版社より

表題作花の慟哭

須王仁 獣人リーダー
巴 須王の餌

レビュー投稿数16

溺愛を期待したけど受けが酷いことされる印象の方が強かった

「花の残像」と合わせての感想です。

先にこの2冊のあらすじを読んで溺愛っぽかったので気になってたんですが
シリーズ物のスピンオフということで、本編3冊を先に読んでみました。

本編の方も、それほどはまらなかったんですが、
この2冊も、期待したほど溺愛、甘々ではなくて、
巴が酷いことされる印象の方が強かったなと思いました。

先にレビューも見てたので、巴が酷い目に遭うのは知ってましたが
もっとサラッと流されるかと思ってたんですけど私が思ったよりは、しっかりそれなりに描写があり、
そこら辺は嫌なドキドキをしながら、早く助けに来てーと思いながらざっと読み飛ばしました。(花の慟哭の最初の方の)

須王の巴に対する態度は、溺愛甘々かもしれないけど
その描写はそれほど多くなくて、それより巴が救出されてからも
トラウマに苦しむ、巴に嫉妬する餌に絡まれる、忍に囮にされる、また捕まって酷い目に遭う、のオンパレード。
「花の残像」の方でも冒頭から始まって、組織に来てからも餌の嫌がらせ、神木の嫌がらせによる拉致、等々、巴が酷い目に遭う方が印象に残りました。

そしてそれに対する報復描写が少ないのも不満でした。
酷い事をされたらされただけのそれなりの制裁を加えてくれないと、酷いシーンを読むので受けた心の傷が癒えないんですけど・・・。

巴をハンティングしてた人達は、首謀者も一般人も含めて全員死亡したけど、死ねばいいってもんじゃない。
巴は2年も銃で撃たれ続け、トラウマに苦しむほど心に傷が残ってるんですよ。
あっさり死んじゃっただけじゃ、ちっとも報復になりません。
猟奇的な描写を望んでるわけじゃないですが、巴の描写と同じ程度にはされた事とか、相手が許しを請うとか何か相手が反省するか苦しむかして言ったことを聞かせてほしいんです。
せめて須王がなぶり殺しぐらいしてほしかったけど、ヨハンが全部やってくれちゃったので、須王が巴のために報復するという描写さえなし。
ちっともスカッとしませんでした。

最後も、巴は後ろは守られたけど、口ではやらされてしまい、それもすごく嫌でした。その事に関しても、ヨハンが助ける時にサクッと殺してしまって、それでお終い。
その後、ヨハンの事で須王も落ち込んじゃったので、巴が口でやらされたーと須王が知る描写もなし。

巴に薬を盛って敵に渡しちゃった餌二人も、見かけなくなったというだけで、おそらく殺されたんだろうと匂わされるだけでお終い。
巴に嫌がらせだけですまずに、殺そうとまでした二人のギャフンが見たかったんですが・・。

という感じで、巴が酷い事をされ続け、それに対する報復描写はあっさり終わってしまってるのが、スカっとできなくていまいちでした。

あと気になったのが、契約している獣人は餌が痛みを感じなくても居場所がわかるんじゃなかったっけ?
本編3冊では、痛みや動悸に関係なく、餌の居場所はわかるって事だった気がするんだけど。

kindle unlimited

0

これ以上彼らにつらいことが起きなければいいな、と祈りたくなります。

「凍る月」のスピンオフの2作目。「花の残像」が気になる所で終わっているので、即続けて読みました。

主人公の巴は、まさに生き地獄といった状況に落とされていて、そのへんの描写はもう悲惨でたまりません。組織を中心とした人間関係(人間というか、主に獣人や餌ですが)は実に複雑で、起きる事件のひとつひとつが誰のどういう思惑から起きているのかが複雑に絡み合っていて飽きずにどんどん読み進めてしまいます。

やっぱり展開自体は少年漫画テイストなんですよね。うっすら思い出すのは「寄生獣」とか「亜人」とかそういった作品。"本来ラブ要素の無い少年漫画に「やおい」要素を加味して二次創作で盛り上がる…"みたいなのが最初から用意されてる感じとでも言いましょうか。

バトルシーンにドキドキしたり、切ない思いに涙したりしながら、ラブとセクシーなシーンにもキュンとする。読みどころの多いシリーズだと思います。そしてこのスピンオフは、本編よりもむしろ惹き込まれ度が高いと思います。彼らのその後もぜひ読みたくなりました。

1

やっぱり面白い

「凍る月」シリーズのスピンオフ、
「花の残像」の続きの1冊。
「凍る月」3作を読んでいなくても問題はありませんが、「花の残像」は必読。
リアルタイムで読まれていた方には待望上位ベスト3の1冊であったのではないでしょうか。
私も初めて読んだ時は、確か本屋を駆けずり回ったような気が…
でもこういうのって探してない時はよく見るのに、いざ探すとないんですよね…。
それ位「花の残像」と繋がっているお話です。

思いっきりネタバレレビューです。

今回再読なのですが、やっぱり面白い。
前作「花の残像」の再読の時は、
「あぁだったな、こぅだったな」の楽しさがあったんですけど、
今作はお話として再読でも面白かった。
というより先を知ってる分、更に面白いっというのがあった気がします。
冒頭の所は勿論の事、やっぱりヨハンが…。
前は勢いで読んでるから「わ!」とか「そうなの⁈」等ぶわぁ〜と読み進んだんですが、
今回は落ち着いて読んでるので、しみじみヨハンの事を考えながら読んだ感じ。
須王を語らせれば1時間の可愛いヨハンでありますが、
本当悲しい選択。
どうしてそうしか出来なかったんだろう。
その事を軸に読んでると、蓮や須王や相模の気持ちは勿論の事、
彼らを取り巻く組織という存在?を感じ、
それが読んでて悲しくもあり、単純に読み手として面白かった。
色んな1人1人の考えとか思惑が重なり合って動く重い歯車になす術ないような感じ。
自分の意志に反するのに、その歯車を回さなきゃいけないような。
まぁその悲しさとかやるせなさは、この後続く「凍る月」シリーズではもっとスケール大のものが待ち受けてるのですが…。
と考えると、再読の勢い止まらず、このシリーズを最後迄読みたくなります。

巴と須王の再会には、初めての時程ではないけれど、やっぱり泣けました。
今迄読んだBLの中でも1番泣いてしまうシーン。
本当に落涙してしまう程。
初めて読んだ時、巴が記憶を失くしてるってのは思いもしなかったので、びっくり。
しかもあんな状況で、あんなに幸せだったな巴が
死にたくて、楽になりたくて、それが今の1番の望みって…
なんだ、その1ポイントって。
最後にもう一度だけ指輪が見たい…と手を掲げた時に、指の間にすっと陰が通って須王の登場という所は、
もぅそりゃ泣くでしょ。
また、ここのイラストもいいんですよね。
巴の気持ちも須王の気持ちも、もう痛い程解って…
ここまでテンポ早めで、一気に頂点まで登ってくるので、
このシーンは何度読んでもいいなーと思う所であります。

けれどここで万事丸く納まるってものでなく、
その後巴は受けた傷のトラウマで、言葉は喋れなくなってるし、夜はうなされてしまう。
忍のクラッカーがきっかけでパニック状態になる所は悲しいですね。
その時須王がなだめてくれるのが読んでてあったかくて、優しくて、また逆に須王の苦しみもあって。
夜中うなされた時に須王も苦しそうな顔をしてるのに、目が合った途端に優しい表情になるとか、
その他たくさんのシーンがありますが、
須王も巴の事で苦しんで、大事で大事でしょうがなくて、
一方巴も須王に心配かけたくなくて、
お互いがお互い、相手を大事にしたい気持ちに溢れてて、それが純粋で愛おしくて、
読んでて本当楽しいです。
いやはや本当須王はかっこいい。

最後の終わり方も好きでした。
強くって、優しくって、かっこいい須王が巴の肩によりかかってるって…
一方巴は、自分の気持ちが須王に伝わってしまうから、一生懸命心の中でも泣かないように頑張ってるんですよね。
もう〜どんだけ可愛いんだ、巴。

2人のラブシーンも、いつもより数多く濃厚な気がします。
巴の気持ちも感じられるようになった須王、
そりゃ盛り上がっちゃうよなー。
私は再会した後の初めての時が、今迄BL読んできた中でも1番好きだな〜と思う位好きな気がする。
今回の再読で思いました。

他の作品でも再読する事はあるのですが、
中でもこのシリーズは再読しても楽しい度が高い方だと思います。
でも、再読もいいけどこの2人の話をもっとを読みたいなー。
夢のような理想の2人、
この2人の話なら、何度でもどんな話でもいつの話でも楽しめそうです。

4

痛さも他より少なく甘めです

前作『花の残像』で陥れられた巴のその後からスタートです。
完全に続きのお話なので、前作も読まれることをおすすめします。

カップルは引き続き獣人の須王×餌の巴。

巴は行方不明の間にドえらい目にあっていたわけですが、この辺りはもう少し掘り下げて欲しかったなあと思いました。
もちろん書かれていただけでも悲惨なのですが、もう少し描かれていたならば、もっと巴への同情が湧いたかと。
巴は『自分が一番悪い』と考えがちで、そういう部分がイライラきてしまう方もいらっしゃると思いますし。

今回は蓮の思わぬ熱さも描かれていたり、相変わらずな須王の元・餌たちやストーリーの肝であるヨハンの心情などが細かく書かれていて読み応えあります。
えっちシーンも相変わらず夜光さんらしく濃厚で、回数も多いです。
須王がいかに巴を愛し、自分よりも大切に思うさまが伝わりとても良かったです。
あー、やっぱり優しくて紳士最高!

展開的にはヨハンの行動はひじょうにわかりやすく、読んでいて途中で判明してしまうと思いますが、それでも楽しめました。
わたしは本編シリーズよりも好きです。

2

ちょっと厳し目に萌x2

限りなく神評価に近い作品です。
何度泣いたことか…
今回もとてもドラマチックな展開です。
ネタバレはしたくないので、詳しくは書きませんが、前巻と合わせて読み応えのあるストーリーだと思います。
須王は相変わらず完璧で、これほど心遣いできる男性はいないだろう~という程ですし、巴も相変わらず可愛い。^^

ただ、なぜ神評価にしなったというと…ちょっと似たような展開が前にもあって、まんまとそれに受け様が引っかかっている…ていうか、今回はほぼわざとという…^^;
この展開は前巻にもあったし、本編の光陽にもあったので(しかも1度だけではなく^^;)、シリーズを初めから読んできている者としては、またか…という思いの方が強かったです。多分、夜光さんのお好きな展開なのかな…他の作品でも読んだ気がします。
確かにこういう系統のお話だと、そういう展開が避けられないのかもしれませんが…
巴の性格もなんとなく光陽と重なるところが出てきたような気がして、そこも気になりました。
あと、中盤でヨハンの思惑が分かってしまったこと。多分、こういうつもりなんだろう、いや、これしかないだろう、と思って読んでいると、本当にそうだったのが少し残念でもあり、切なくもあった。

とても些細なことではありますが、好きな作家さんだからこそ、厳し目に1評価下げて萌x2にしました。
でもドラマチックで、推理も楽しめるお話がお好きなら、間違いなくお薦めできる作品です!^^

4

おおお!!

凍る月シリーズは好きなので
須王さんってどんな人なんだろう~と思っていました
梁井さんと光陽のカップルも、もちろん好きですが
個人的に須王さんと巴のカップルのが好きです
ラブラブな感じが!!

4

濃密

面白かったです。
ドラマ性抜群で、登場人物みんな魅力的。
夜光花さんがあとがきで「二冊に分けたかったお話」というのに納得、ストーリーがテンポよくドラマティっクにぐいぐいと進んでいく。
シリーズ的には五冊目なんだけど、シリーズ物って巻を重ねるごとに薄ーくつまんなくなっていくものが多いもんで、これは凄いと思いました。
ヨハンに生ぬるい救済を与えなかったところが好き。最後まで暗い信念を曲げなかったところが好き。

ただ、受けの性格がひたすら「僕のせいだ」「みんな仲良くして><」一辺倒なのは私の趣味じゃなかったな。
サバイバル参加者の死を聞いて、私は「当たり前じゃボケ!ヤツラは苦しんで死ぬべきだ」と思ったんですが、受けは「死まで望んでなかった…」なもんで、ちょっとカクッときました。ありゃ、私だけが必死?みたいなw
あれだけのことをされたんだから、人間らしい暗い喜びぐらいは感じてほしかったな。で、喜びを感じる自分に嫌悪感持つとかさ。

攻めは最後の最後まで徹底的にイケメンの王子様でした。
深い悲しみを背負ったことで、彼はより魅力的な男になったな…と思いました。

1

順番がわからず、ランダムに呼んだら内容がつかみきれない!

記憶喪失の巴。
記憶の中の暖かい手は誰のものかわからず、時間だけが自分の傷を更に広げていく。
死なない自分によってくるあやしい人。
誰が味方かわからないまま不安になる。
不安でいっぱいになったとき、須王や組織の仲間に出会い、暖かい手は誰なのかがわかって、ホッとするが、記憶喪失の間に受けた虐待に震え怯える。
暖かい手の須王により、震え怯えることもなくなる。仲間により、幾分和らぐ生き方が出来る。

0

健気さに涙、涙

幼い感じのコが受け、というのは本来あまりわたしの趣味ではないんですが、凍る月シリーズはお話が面白く、夢中になってしまいます。
この作品は本編を上回るか?というほど面白かった!!
お話もダイナミックで、無駄なく充実してます。
巴の幼さや不器用さを表すオムライス、2人の絆を象徴する金の指輪といった小道具も効いていますし、キャラも魅力的です!(粗暴な忍をだんだん好きになってきた…作者の術中にハマってしまったかも~)。
巴の健気さも無垢さも、施設育ちという経歴から不自然に感じず、ヒネたわたしでも素直に泣けてしまいました;
巴の受けた仕打ちの過酷さ、須王と互い想い合う姿に涙、涙…。
そして、ヨハンの盲愛も萌えでしたっ。
須王に傾倒するあまり須王本人をもだまし、陥れたた彼ですが、その一途さには敵(?)ながら心打たれました。
この作品を受けて、今後本編にいっそう深みがでてくるのではないか、と期待が高まりました!

4

期待以上の一冊でした

前作の『花の残像』に夢中になりすぎて、ものすごく続編の発売を心待ちにしていたものでした。
ウチの近所だとBL作品はあまり入荷してくれないのでネット書店に予約入れておいて届いたと同時にむさぼるように読んだ本でしたよ!(いまや懐かしい話…)
こういう場合期待値があまりに上がりすぎてしまい、読んでみると微妙に「あれ?」ってこともままあるのですが、この作品は本当に期待通りの出来だったと思います。
いや、もしかしたら期待以上だったかも…。
出てくるキャラ全てが愛しく、終盤読み終わってしまうのが本当にもったいなかったです。
何度でも繰り返し読み返したくなる愛しい愛しいお話。

あまりに好きすぎて、普段はスルーしているラブコレも5だけは購入してしまいました(笑)
かわいくて素敵だった~。

このスピンオフを出してくださった作者さまと出版社サイドにひたすら感謝の二冊でした。
うう、須王と巴の話をもっともっと読みたいです…!

5

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