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eternal heart
この作品の『繭』と、もう1冊の『孵化』で一つのシリーズになっています。離島で父親と2人で暮らす少年と、この島に漂流した記憶喪失の青年との切ないラブストーリーになります。
離島に住んで父親以外に接点のなかったしぶきが、透という名前もあやふやな青年と知り合って、離島以外の世界を憧れていく様子が切なかったです。
なぜなら、父親がわざと、しぶきを離島という籠に閉じ込めていたからです。
それには、しぶきの悲しい過去があって。
しぶきの母親が、交通事故からしぶきを助けるために、亡くなっていたのです。父親は今でも母親を愛していて、しぶきに対して愛情と憎しみが交差していたのでした。
…と言っても、父親は実の父親ではなくて、しぶきの叔父になります。
そう、父親は母親とは兄弟で、実の姉を愛していたのです(もちろん本当の父親は別にいます)。
そんな異常な愛情ゆえの執着が、しぶきを苦しめます(しぶきは、本当の父親だと信じていますが)。透はもちろん遠ざけようとするし、島を離れた透からの手紙は燃やしちゃうし。おまけに、あろうことか、しぶきを凌辱しようとします。未遂で終わったけど、ショックを受けたしぶきは、島を出ることを決意します。
透を追いかけて東京に行ったしぶきは…というところで、次巻に続きます。
しぶきが、初恋と、約束されてる別離に悩む姿にキュンキュンします。おまけに、いつも一生懸命で健気なのが泣かせます。一方の透も、純粋にしぶきだけを求めるのが萌えます。
いつ記憶が戻るのか、本当の正体は…と謎にはドキドキするし。そして、しぶきの父親の異常な執着は、姉への想いを含めてただただ怖いの一言です。これ以上暴走することがないように願いたいです。