水青
「しなやかな熱情」の番外総集編です。中でも「神」だと思った二作品を取り上げます。
『キスと浸透圧』
これはスゴイです。臣の色気、本領発揮なお話。
小山臣という男は本当に色気過剰というか、何をしてもイヤらしく感じる人らしいです。
シャツのボタンを一つ外すにしても、棒アイスを食べるにしても、公然猥褻罪レベルです。
そんな臣が、珍しく沈んでいる慈英を思いっきり身体で慰めるお話でした。とてもシリアスです。
暗く陰鬱な慈英を、淫乱を装い誘いまくる臣。さすがの慈英も煽られて、我慢できずに壁に押さえつけて襲おうとします。
しかしそこは色事に長けた臣。興奮する慈英を上手にあやして、ベッドまでおあずけさせて一気に雪崩れ込みます。慈英が獣みたいにがむしゃらに臣を求めているのが凄かったです。
最後も、買ってきてそのままの溶けたバニラアイスを気にかけるくらい余裕の臣。アイスより「こっち」を食べるからいいか、なんて言ってます。
…うん。スゴイ。臣の手管に完敗です。ホント「神」です。
『ミッシングリンク』
これもまた…ある意味スゴイ。臣の昔の男のことが出てくるのは初めてのような気がします。
臣が慈英と一緒に暮らすことになったので、今日は引越しの片付け。慈英が押入れの整理を手伝っていると、何やら白いビニール袋が。臣が止めるのも遅く、袋を開けるとそこからはなんとなんと、カラフルでクリスタルなローターやバイブがごろごろ…
慌てふためき叫ぶ臣を宥める慈英。しかし臣の様子がどこかおかしい。
実はこのアダルトグッズ、過去の恋人に強姦まがいに使われた品でした(!)
触れるのも嫌で押入れの奥に捨て置いていたのに、今さらこんなものを慈英に見つかって、過去のトラウマに呑み込まれそうになる臣。しかしそこから救ってくれたのもやはり慈英でした。
ようやく落ち着いた二人は、買い物をしてご飯を食べてお風呂を済ませます。そしてその後はもちろんベッドに。
二人が気になっているのはやはりあの卑猥な道具。「使う…?」と問いかける慈英に、臣は「慈英ならいいよ」と答えるのですが、今度は慈英の様子がどこかおかしい。
先程は臣を落ち着けるため、冷静さを装っていた慈英ですが、やはり思うところはあったようです。「正直他の男と同じことはしたくない」と、嫉妬の苦さを滲ませる慈英。
あんなものがなくても最高に感じられると、二人の絆は深まりました(;_;)
はぁ…本当に凄かった…商業誌では読めない慈英×臣と出会えたことに感謝です。
しかしやはり臣の色気は凄い…