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yasashii ryuu no koroshikata
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
前半部分はアーカンジェルの昔馴染みの女性聖騎士フェンリエッタの物おじしない竹を割ったような明るい性格で、アーカンジェルとのやりとりやウランボルグを全くの年下扱いとして小僧扱いしたりするのが面白い。
ウランボルグがアーカンジェルと仲の良すぎるフェンリエッタに嫉妬したり、独占欲を見せたりと色々と読んでいて楽しい。
しかし、後半はついに長かった戦い、誓約者とドラゴンの悲しい関係、全てに終止符が打たれると言う事も有りとてもシリアスな展開になって行きます。
ウランボルグとラーサルグフルとの戦いは横に置いといて、ですが。
やはりクライマックス部分のアーカンジェル、ウランボルグ、ダンタリオン、セファイド、アウロラ、それぞれの決着がついていくシーンは何度読んでも涙が出ます。
ナディアとセファイドが世界のバランスを保つ為に、いたしかたなく世界を陰と陽に二分割する魔法を使った事から始まった、誓約者と竜の悲しい運命。
それがウランボルグとアーカンジェルの代でやっと、終わるのです。
ここまで来るための犠牲は大きく、歴代の竜王、歴代の誓約者の想い全てが報われるときです。
特に光王・カーライルの残した手紙、失った竜アルファードへの想いを切々と書きしたためた手紙、ここは何度読んでも切なくて潤みます。
過去から何も学ぼうとしなかったと嘆き後悔するダンタリオン。でもダンタリオンもアウロラを失って、自分だけが残されて、辛い思いを沢山したはず。
ただ、その想いを竜を失わせた世界を恨み復讐するという捻じれ曲がってしまった気持ちでしか表現する事しかできなかったのだと思うと、これもまた切ない。
救いはウランボルグの憑依魔法でアウロラと再び合う事ができたことでしょうか。
前後しますが、ダンタリオンとアーカンジェルのふたりだけの決闘に飛び込んだウランボルグを、邪魔をするなとふたりして封じ込めてしまったシーン。
ウランボルグは手も足も出す事が出来ず、魔法で一時的とはいえ成長したのに何もできない非力な自分を嘆き、アーカンジェルを失ってしまったら生きている意味が無い、希望も光も自分の中からなくなってしまうと嘆き涙するシーンが、どうしようもなく好きです。
ウランボルグの愛は深い。
なにはともあれ、『愛しているは最強呪文』の物語も最後は大団円。
積もり積もった想いが伝わったり、報われたりしたこの終わり方が最良、と私は思っています。