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君の名前が、最強の恋のおまじない
sentimental na biscuit
もし、希望(受)の相手が最初に登場した広之のままだったら、きっと私は耐えられなかったと思います。それだけは確かですね。『不思議』なキャラクター自体には拒否感ないんですが(松前さんの作品には、結構いるような・・・というか、あとがきで拝見する限り、松前さんもちょっと不思議入ってる?)、この広之の『不思議さ』は完全にダメでしたね。まさに宇宙人・別の星の住人だと思いました。登場人物の1人としてなら、スパイスの一種でいいんですが、主人公(の相手役)としてはヤダ。ついていけないです。
亜子(広之の妻)は、希望の元彼の妻という立ち位置のわりには、さして嫌味もなくいいキャラクターだったと思います。
ただ、亜子が広之を、同じ恋愛観を持つふりをしてまで受け入れていることに対して、希望が『自分とは何ていう違いだろう!』って思うシーン。別にそれは亜子と広之の問題、もっと言えば亜子の勝手であって、希望が引け目(?)を感じる必要はまったくないんじゃないかなと思いましたね。そういう意味で、この描写は必要だったんだろうかとも感じました。希望の謙虚さを表したかったんでしょうかね?
全体に淡々として、松前さんらしい作品でしたが、仕事面がどうにも中途半端な気がしてしまって・・・これなら最初から、仕事面にはあまり踏み込まないほうがスッキリしてたんじゃ、と思ってしまいました。
でも、総評としては結構好きです。
あっさりしていてほんわかしていて、癒されるような一冊でした。
気分が壊れているときに読んだら、多分…「こんなうまくいくわけねーだろwww」
と嘲笑してしまいそうですが、
読んだときは幸い比較的穏やかだったので癒されました。
なんていうか、この作品には女性の影があるにも関わらす、毒気がないので、平和、平穏、そんな言葉がぴったりだと思います。どろどろ・・・とした部分がないのもこの作品の良い所だと思っています。
結構意外な展開だったと思うのですが・・・?
半分ぐらいまで読んで、確信しましたが、それまで希望と広之は付き合ってたわけだし・・・
なんか意外でした。てっきり私は広之と元に戻るんじゃないか、と思っていましたので。
私的には、希望にはもっと本性を現して欲しかったと思います。
前付き合っていた人に「浮気したら殺されそう」といわれるくらいなら
もっと激しい感情があってもいいんじゃないのかと思ってしまいました。
わりと本の雰囲気が好きだったので
この作家さんの別の本も買ってみよーと思います。
松前さんと言えば、三角関係ってくらい最初はトライアングルですが、今回は最初の段階で結婚が分り、希望くんがちゃんと身を引いてくれたから良かったです。
こういう夫婦と付き合うのは苦労するでしょうね…。
松前さんの好きなところは料理シーンや料理が得意な男の子が出てくるところです。
今回も楽しませてもらいました。
お相手の剛はちょっとカッコ良過ぎ?
イラストもサッパリ目で松前作品には合っていると思います。
私はH度が低いのが好きなのでこの作品は結構好きです。
「希望」と書いて「のぞむ」と読む希望は、通っていた美大の講師としてきていた広之のデザイン事務所にスカウトされます。
恋人でもある彼の職場…しかもかなり良い就職先とあってルンルンだった希望ですが…、事務所には大嫌いな犬がいたり、社員には嫌われたっぽいし、
挙句、広之は実は既婚者だったと知って驚きと失望が一気にやってきます。
すぐに「辞める」「別れる」と告げたものの、広之は自分を必要だといってくれたので「辞める」だけは撤回し、取り敢えず事務所に籍を置くこととなるのです。
辞めてやる、そう決意しながらすごしていた希望ですが、ある時ひょんなことから事務所にある贅沢なキッチンでの料理係を命じられます。
初めは料理係が少し不満だった希望ですが、美大からの友人達の言葉や教育係の剛のおかげでどんどんポジティブに、どんどんやる気を育てていきます。
気持ちが変われば周りも変わる…ということでしょうか、剛は正式にアシデザイナーと認めてくれて、仕事を任せたりしてくれるようにまります。
初めはそっけなくて苦手だった剛とも打解けてきて、希望は剛が好きだと思い始めるのです。
…でも、広之の妻・亜子のために気配りをしたり、亜子のためにいろいろと動いている剛を見てしょんぼりです。
亜子はほんとうに良い感じのお姉さんキャラで、ライバルっぽいのに全然憎めない感じ。
この作品には全体的に“敵”がいなくて、全員が綺麗な川に共存するみたいにしています。
まぁ実際にはそんなのはもちろん有り得ないんですけれどね。
希望みたいに周りの人が総て自分を快く思ってくれるなんていうのは、あくまで理想で…。
単純に「こういう職場、いいな☆」と思うには、現実的な自分がツッコミを入れるのが止まらない…。
私がへそ曲がりっ子みたいですが…そういう点で、この人物達には“わざとらしさ”を感じました。
何で上司がこんなに親切なん?とか、ペーペーが敬語を使わないってありなのか…?とか。
全部が肯定されてしまっているので、リアルな目からみて違和感を覚えました。
幸せが、ちょっと気持ち悪い…。極端な言い方をしていますが。
平和すぎて、…いえ、この作品はこの作品で楽しめたのですが、もうちょっと何かスパイスが欲しかったかな??と思います。
何回か誤解を繰り返しながらも、結局良い方向へ行った希望の恋ですがやっぱり最後までトントン拍子だった気がするので、ちょっと物足りないです…。
デザイナーなはずなのに、希望の仕事はほとんどが料理の描写なのでもっと本来の職業として、周りに認められているところの方を見たかったです。
結局あの動物園のはどうなったんだ…?