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koi no okite
絵は綺麗だが、どことなく古さを感じさせる。実際、98年に刊行されたものだから古いには古いのだが。
妻を亡くして、男娼と寝てしまったことからはじまるせつない純愛ストーリー。
エリートリーマン×男娼で、生活環境が全く違う二人がすれ違いながらも惹かれあっていくところにキュン&キュン!!
お互いのことをすごく思っているからこそのすれ違いだから、すんごいせつない。
親友の本田もかっこよかった。というか、むしろ本田×乙彦でも良かったなー。
同僚で親友(そしてリーマン同士)ってすんげ萌えんだな。例え報われなくてもさッ。
楠生の保護者・トウヤが楠生に無理矢理したり、乙彦に暴力ふるったりするのですが、これは結構苦手だった。
暴 力 反 対 ! 暴 力 反 対 !
同録「ガラスの果実」にも陵辱があった。エロいのはいいんだけど、される方がかわいそうなのはちょっと苦手です。
暴 力 反 対 ! 暴 力 反 対 ! (2回目)
自分気が小さいので、例え漫画の中の話とはいえ、すげー鬱になるのだ・・・っ。
しかし、だからこそ結ばれたときの喜びもひとしおだったと言えるのでしょうか(笑
BL、或いはそれ以前の耽美JUNEと言うよりは
時代ががったレディースコミックの様な感覚で
展開されるこの一冊。
その感覚の匙加減故描写についても時にやや過剰な
部分があるのは否定出来ません。
版元さんが雑誌の色合いを手探りで決めつつあった
時代の作品でもありますし。
男女を安易に男同士に入れ替えた作品ではありません。
少なくとも評者はそう認識出来ています。
しかし、全体に漂うレディースコミック寄りの空気が
この作品からBLとしての味わいを削ごうとしてしまっている。
今の感覚で味わうと少し惜しい作品になっているのが
評者個人としては残念です。
どうしようもない閉塞感から逃れられないでいる2人が出会って、惹かれ合うけれど、狂気的な異常性のある人間に妨害される、とか。
実は妨害している人物も不器用で上手く伝えられなかっただけで、深く愛してたんだよ…とか。
とことんまで痛めつけて、傷付け合うことで愛を確認できる、とか。
愛し方も生き方もとにかくエクストリームというのが、昔のBLのイメージです。
今から22年前に出版されたこの作品。
まさにエクストリームBLでした。
妻を亡くして心を閉ざしたリーマンの関。
妻との思い出のディナーへひとりで出かけた翌日、部屋には見知らぬ男がいて…。
関を客と間違えた男娼の楠生と寝てしまったことから、関人生がもう一度動き始めるというストーリー。
これでもか、というくらい苦しい設定が盛り込まれてます。
関は妻を愛していたのに、なぜか悲しめない。
そんな自分に嫌気がさしているのに、友人の本田が「いつまでも一途に妻を悼む夫」という型に自分を押し込み続けるのがつらい。
そんな本田も、関にずっと妻を想っていてほしい事情があって、なかなかしんどい。
楠生が置かれた状況も断片的にしか分からないけれど、戸籍がない子供として生まれて、小学校にすら通わせてもらえず、親がそうしたのかは不明だけど小さい頃から体を売って生きてきた子のようです。
楠生に稼がせて、支配しているトウヤという男が、まあひどい。
商品である楠生に暴力三昧、力で従わせて、飼い殺しにしてます。
トウヤが手配する客のレベルも最悪だし、抜け出そうとすればまた暴力。しんどい。
関は楠生にもう一度会いたいと願い、自分の生活を変えてまで探すのですが、うーーむ。
楠生の方も、関に会ったことで自分の人生に希望を見出すものの、希望は持つだけ無駄な状況に諦めてしまうのですが、うーーーーむ。
この「過酷な状況で見つけた運命の恋」のために持っている全てを投げ出すとか、相手を守るためにもう会わないとかいうレベルに読者を持って行けていないんだ…。
そもそも恋してるの?それは恋なの?
関は「なぜか分からないけど会いたい」しか言わないし、楠生もクソな客の中でふつうに扱ってくれた唯一のひとというだけで、そこまで入れ込めるものかな、と。
関に至っては妻が亡くなってから無反応だったムスコさん的存在が反応した衝撃で、何かを勘違いしちゃった?と思ってしまう…。
自分の置かれた状況に酔っているだけにしか見えないのが残念でした。
長々と書きましたが、痛い場面がいっぱい出てきます。
痛ければ痛いほど、この恋が特別という、昔のBLっぽい流れでした。
同時収録は酷い男に8年もしがみついた結果、さらにひどい目に遭わされながらも、最悪の状況で強がって見せる主人公に、真実の愛を自覚したひどい男が「ごめん!オレが間違ってた!」という話でした。
こちらも痛い。ものすごーーーーーくイタイ。
昼メロ的なストーリーが読みたいときには最適です。
地雷が多めの方は、昔のBLは地雷だらけなので回避することを推奨します。
低評価レビューで、言いたい放題言ってしまってすみません。