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あんなに心配して守ろうとしてくれた兄の言うことを信じず、自分が歌姫じゃないと聞かされた時も、真っ先に恋する男の心配をするマリア
お転婆な国王
キャラクターに魅力がありません
肝心要の起承転結の結の部分、竜の睛もイマイチ
「ダリカ」もそうです。表題作よりも更にオチのない話でした
表題作「歌姫」
「国王は男 歌姫は女
男は国の中心から大地を治め 女は周囲から子守唄でそれを支える」
そんな世界設定の中に生まれた、存在しないはずの“男の歌姫”であるカインを主人公としたファンタジーです。
1話と5話(最終話)は存在しないはずの男の歌姫と女の国王の、現在の話。
2~4話はカインと姉・マリアと村長の息子・トーマスの三人の、過去の話。
設定がしっかりしている割に、置いてかれる感もなくすんなり読めました。
切なく悲しい話ですが希望も示されていて、読後感は悪くありませんでした。
ここで終わりでも十分お話としてはOKなのですが、個人的には最終話の後国がどうなっていったのか気になります。
読み切り「ダリカ」
「かつて人に文明をもたらした“神の子”。
その死後、人間は神の子を生き返らせようと人の手で偽りの命を作り出した。
しかし生まれたのは 破壊を好む悪魔のような命だった」
人工的に作られる“神の子”の実験作「ダリカ」と、ダリカが悪魔の感情に目覚める前に始末する役割を負った学生のお話。
こちらも切ない系のお話。読み切りもいいけど同設定の短編連作とか読みたい…。
表題作といい読み切りといいかなり好みな設定の正統派ファンタジーなので、こんな短いお話ではなくもっと長いものが読んでみたい作者さんです。