条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
vanilla star
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「手をつないで、空を」から連なる4連作の最終巻。他にもう1編、短編が収録されています。
主人公は、「愛さない男」で佐原のセフレだったタケシ。前作の後の物語になります。
タケシはバーテンダー。
佐原にあっけなく振られ、それなりに本気だったタケシは失恋を引きずっている。
そんな時に見たゲイ動画の男の子が気になって、DVDを購入。オタクの友人に頼んでネットストーキングで色々調べたら…その子・ユウこと悠人はウリもやっていた。
どうしても気になるタケシは遂に悠人をゲイデリヘルで買うが…
ストーカー気質のタケシと、ゲイAV男優でウリの悠人との手探りの純愛。
過去は笑顔が明るかった悠人も、俳優の夢が破れてAVに転落してからはいつも伏し目がちで寂しげ。
タケシは悠人が汚れてるとは思ってない、今目の前の悠人が好きだから。
宮本佳野さんの描き方も、悠人にヨゴレを感じさせない。現実的に考えればこういう2人は吹き溜まり的な傷の舐め合いになりそうだけど、憂いと励ましの繊細な再生物語に昇華していて、読者は2人が手を取り合って前進していく姿に心震えるのです。
「オレンジ・スター」
恋人になってからの悠人視点。
普通の男の子に戻った悠人は、優しい恋人タケシが大好きで可愛い嫉妬もしますよ、という話。
年相応の明るい子になった悠人は本当に可愛い。
「花迷路」
恋人と一方的に別れようとしている自分勝手なリーマン・日野。
日野はゲイである苦しみから、あえて出世とセットの女性との結婚を選ぼうとしていた。
でも女性上司のある言葉を聞いて…
自分に正直でない人生は死んでるのと同じこと。1年を経て再び始まる2人にホッとする。
本作で4連作は終わり。結果的に全作ハッピーエンドですが、どれも切なさと不安と、それを経ての希望・喜びが描かれたシリーズでした。4作通じてのシリーズとしても心に響きます。
宮本佳野先生のお話って切ないよなぁ。先生の作品はシリーズものが多くてリアルタイムで追っていない者にはちょっと苦しい。これはゲイ×売りのお話でシリーズ最後の作品とのことですが、単体物として読んだわたしでも十分に物語の世界に入っていけました。
ゲイ向けアダルトサイトの動画で見かけた「ユウ」という俳優に興味を持って、オタ友に調べてもらったタケシ。ユウがウリもやっていることを知り、憧れの彼を思い切って買うことに。初めてビデオで見た時もそうだったけれど、寄る辺なさそうで憂い顔のユウを笑顔にさせたくて、タケシは彼の過去に踏み込んでいく。
ユウはなんだか儚げで、護ってあげたくなるような可愛い男の子。夢破れて己の存在価値がグラついて、心細くて誰かに頼りたくって…。だけど、自分のことを真剣に思って求めてくれる人が現れても、自信がないから心を預けられない。
タケシみたいに好きなコがいたらグイグイ行って欲しいよね。そこまでして追われないといっぱしのプライドを持ちつつも卑屈になってるオトメは落ちませんもの。リアルだったらタケシの「押し」は恋愛における女性のあるある願望かも。
キミがどんな人間であろうと、どんな過去があろうと好きだよって言ってくれる人との出会い。(ただし、言ってもらう側も好意を寄せている相手限定、ってところが現金だけどネ。。)少女マンガ的といわれればそうかもしれないけど、ボーイズラブと呼ばれるその昔から、ずっとBLの核にあるメッセージの一つのような気がするのです。
同時収録は「花迷路」。
カフェでバイトをしながらアクセサリーを作っているタカシと、隠れゲイで会社員、日野のお話。コンパクトにまとまっていますが、やっぱりゲイであることの悲哀を織り交ぜながらも、最後はハッピーエンドというのが読んでいてホッとさせてくれます。
宮本先生の描く愁いを帯びた人物の表情が印象的。なんとなく寂しくって、おセンチだけど温かい、そんな作風がツボなんです。
この作品、シリーズものだと知らず購読したのですが、お話はこれ単独でも読めると思います。
売りやAVをテーマにしたお話でなんだかもやもやする内容なのですが、お話自体は不思議と惹かれます。
ポルノスターに本気で惚れてしまったタケシは、あの手このてでその俳優、悠人を見つけだし一晩を共にします。悠人はAV以外に売りもやっていて、タケシは何とか悠人からケータイ番号を聞きだし、それ以降客でなくとも会ってもらえる友人以上恋人未満のような関係に。
売りという設定上好みは分かれそうですが、へんに作り物ぽくなくてリアルなんです。お話として心理描写が丁寧です。共感できるかは別として、お話そのものは好きだと思いました。
悠人が本気で好きで、売りなんて辞めさせたいタケシとほっといてという悠人。タケシがホントにいい人でそれに支えられてるお話です。
前のお話では当て馬の脇キャラだったようなので、確かに下手すればいい人で終わってしまいそうなキャラなのですが^^;
東京に来たもののうだつがあがらず、男相手にヒモ生活をし、いつのまにか身体を売ることになっていた悠人。
でも愛人にここに居るなら働けと言われても嫌なら出ていけばよかったし、バイトでも何でもして家賃を払えばよかったのにAV俳優や売りに手を出した弱さというものは共感しにくく、その上心配する地元の友達にも後ろ暗く疎遠にする。仲間に恵まれているのに。
この甘えのあるところは好ましく感じませんでした。
でもよくありそうな家族の借金で泣く泣く・・・なんて設定よりもよほどリアルで、この悠人に対する苛立ちも受け入れてこその作品かな、と思えました。
タケシが手を回してくれて地元の友人とも結構あっさり仲直りし、今まで何してたのよ、となるので個人的にはあまりスッキリしないお話だったのですが^^;
でも独特の味のあるお話だと思いました。
宮本さんの作品には、結構頻繁に身体を売る子が出てきますが、今回の主人公も売り専の子・ユウです。
お話を読み進めるにしたがって、そうなっちゃったのも事情があったのねということがわかるので、仕方がないかとは思うんですが、やっぱり身体を売る話は好きじゃない。
しかしそれでも、なぜ萌評価が付いたかといえば、相方のタケシが軽そうな割りにいい奴だったからです。
ユウは美人だけれど短慮で流されやすく、はっきり言ってバカなので、タケシのいい人ぶりを堪能すればいいんだと思いました。
オタク入っていて、スケベだけれどまるっきり一般人ってところが魅力の一つだとおもいます。
しかし、過去の人・ケンちゃんもただのいい人ですか?ユウは魔性なのね?
描き下ろしはユウの可愛い嫉妬。タケシばかりが好き好きビームを出していたのかと思っていましたが、なんだ、ユウだってメロメロなんじゃん。
エロサイトで見つけた、ゲイポルノDVDの子・悠
彼に興味を持って、ネットを探ると,そこには2年前なのに、全く雰囲気の違う、でも同一人物と思わしき悠人がいた
オタクの友達に、悠人のことを探って貰うと、たどり着いたのはデートサイト。
お金を払えば彼に会える。
迷いつつも、バイトを増やし、ようやく6万円を溜め、電話して、予約して、そして、ホテルに現れた彼は、カワイイ普通の子。
この後の展開は
なんとなく流されたままウリをやっていた悠人に
アソビ人だったタケシが夢中になって、
悠人の高校時代の友人も巻き込み、
ウリの仕事をやめさせ、晴れて恋人同士になる話。
宮本作品には、ウリしてる男の子ってよく出て来る。
この作品の悠人もそう。
悠人は、スカウトされた芸能事務所かつぶれてしまい、
たまたま、同じビルのサラ金の男に拾われて、その男の所に転がり込んで、抱かれるようになる。
その男に、ウリをさせられたり、DVDに出演させられて、
男が警察に捕まって一人になっても、ずるずるとウリを続けている。
そんな、流されるだけだった悠人が、
タケシとその友人と出会ったことで、
ゆっくりと本来の自分を取り戻していく。
本来の悠人君は、ちょっとヤキモチ焼きで、子供っぽい所もあって。
この二人は、このまま幸せになってくれるといいな。
ところで、この本、
後書きによると、「このシリーズはおしまいです」って、
「手をつないで、空を」「甘やかな棘」「愛さない男」ときて、この「バニラ・スター」と、続いているみたい。
「手を~」と「甘~」「愛さない男」の繋がりはなんとなく思い出せるけど、
「愛~」とこれの繋がりは、「愛~」を探し出して、もう一度読んでみなきゃ思い出せないや。
同録の「オレンジ・スター」は、タケシと悠人、悠人視点。
「花迷路」はカフェのバイトで売り出し中のジュエリーデザイナーと、エリートサラリーマンさんのお話。
この話って読んだことある。
掲載雑誌に覚えがないから、以前、なにか他のコミックスにでも、入っていたこと在るのかな?