お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
itsutsu no hako no monogatari
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
なんとも言えず美しいんですよね…
そして「箱」をテーマにした5編の掌編の巧みさ。
後半の短編も短いのに構成は複雑で、繊細で、ユーモアもあって。
第一の箱「落日」
言葉の不自由な美形の画家とその妻(未入籍)、そして画商。
三角にもならない三人の愛が揺らめいていて、どの愛も成就していないような、果たされないまま完結しているような。
この雰囲気は完成された「微妙な美」だと感じる。
第二の箱「君といつまでも休日」
ミニサイズになってしまった友人と楽しく過ごす小泉。
…という設定からかけ離れた結末の妙!小泉が現実では暗くて無口なのがリアルな感じ。これからは変われる!
第三の箱「エレベーターのパンドラ」
会社の権力闘争。副社長の秘書と、社長の隠し子、その向き合わない愛情の行方。
第四の箱「雪の下の柩」
幼い頃、知らずに見てしまった「殺人」?今はもう何もかも雪の下に隠れて…
第五の箱「あたたかい箱」
地味で平凡で鈍感な大学生。そんな自分でも誰かがオレに恋してる…それはどこか暖かい気持ち。
「図書館で会いたい」
一度も大学図書館に来たことのない宇佐美と、図書館の事務長の高屋はソリが合わなかったけれど。
高屋が男性に恋しているのに恩師の娘と結婚しようとしているのを知って…
高屋に感じていた微妙な気持ち。
「花曇り」
高屋と恋人の小林の、馴れ初め編。
めんどくさい性格の高屋らしい恋の表現方法だけど、高屋は嘘はつかない。ノンケの小林が戸惑っていただけ。
この2人が後に「駆け落ち」するほど情熱CPになるなんてね。
「へんなやつら」
自分の兄に女友達を近づけて、兄が女性に興味を持てないと知ったら今度はボーイフレンド達を近づける…
そんな複雑な女性が出てきます。
子供の頃に壊れてしまった家族を求め、無理やりに疑似家族を作ろうとしているユカ。
でもその企みの出会いから恋愛が始まる予感。
「僕らの季節」
いつも無理難題をふっかけてくる先輩。目をつけられてる、と言っていたけれど、それはある感情の裏返し。
「アイラブ箱」
今市子先生のギャグっぽいあとがき。
こんなに美麗な絵を描く先生の、どこかずっこけた日常エピソードです。
【コミック文庫】です。
初期短編集。
どの話もすべてキスだけで萌えることが出来ます。
『今市子… 恐ろしい子!!(白目2回目)』
読み始めると人間臭いドラマにじわじわ吸い込まれてどんどん嵌まっていく感じ。
本当にお見事です。
人を好きになる人間の心理が絵を通して迫ってくる。鋭い痛さも柔らかな表現も。
『今市子… 恐ろしい子!!(白目3回目)』←これしか言えんくらい凄い話ばかり。
男同士の友情以上恋人未満な物語(H少なめ)が読みたい方にお薦めコミックです。
今市子さんの初期短編集です。
箱をテーマにした連作が5つ、読み切りが4つ、合計9つの短編が入ってます。
絵はさすがに古いんですが、どれも何とも言えない味のある魅力的な作品ばかりで、とても面白かったです。
改めて今市子さんの魅力を実感しました。人間の心のヒダをほじくり返すようにして描くのが巧すぎる。
最近の今市子さん作品は切ないストーリーを描いててもどこかコミカルでほのぼのしたタッチなんだけど、こちらの作品群はシリアス一直線です。
そのせいか心臓がキュッと捻られて、寂しくなって、迷子になった子供のような気分にさせられました。
叶う恋も叶わない恋も、等分にセツナイ。