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本作はJUNE掲載作品にしては異色作であろうと
考えられます。舞台が角界即ち相撲の世界です
から。
筆者も往時断片的に作品を観た段階では違和感を
感じずには居れませんでした。
幾らJUNE風に登場人物をアレンジしてあるとは
言え、相撲と言う世界をJUNE風に解釈するのは
無理があるのではないか、と。
しかし、こうして単行本に纏まった作品を通して
読んでみると…これがきちんとJUNEになって
いるのですね。
この作品を敢えてボーイズラブの枠で分類する
ならば空気のある作品、と言う事になるのでしょうか。
軽い口当たりですが、相撲モノだけにどっしりとした
腹持ちのする作品です。
私、実はぶっちゃけ「好角家」
しかも序の口序二段力士まで見てしまうようなディープなのですが、
「相撲とBL」って何をどー考えても喰い合わせが悪そうな組合せなので無いと思ってました。
なんせ、ねぇ・・・相撲向きの体型はBLにはいちゃいけないタイプじゃないっすか?
でも、20年も前にはこういうのもアリやったんですね。
よく考えればこの時期は若貴のよーな細身のアイドル力士がピチピチの若手で、
これまたイケメンマッチョだった千代の富士の引退した年。
だからマッチョでイケメンな千代桜みたいな力士が横綱というのが想像できたのでしょう。
新人が華奢で力士よりアイドルの方がよくね?な向日葵でもよかったんだと思います。
・・・よかったのかなぁ?(苦笑)
まぁ、そういう何もかもが破格なお話で、正直言って絵の感じもざっつい感じが否めないのですが、それでも世界を生かした筋はちゃんとしていて普通に面白かったです。
相撲という事で、肌色率は異様に高いですが、エロさは控えめ。
いろんなところに(例えば横綱が普段はまげすら結わないとか)「ねーよwww」と思いながらも「BLはファンタジー」という事の元祖を見たような気がします。
結局向日葵はこの本では「最高位西幕下十五枚目」で終わりますが、
もう一寸昇進したところまで見てみたかったなぁ・・・。
エッチした相手と本場所の土俵で組み合うとか、どんなんだろうか。