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結婚し、一児の父となった太郎。
そんな太郎へ相変わらずの片思いを続けている兼次。
抑えきれぬ思いを太郎へ打ち明けようと決心するものの、
やはり出来ない兼次のヘタレっぷり。
憎い恋敵である太郎の妻・柚以子の為に奮闘するお人好しさ。
とても愛情深くて優しい兼次なのに、
大本命からは決して愛してもらえないというのが、切ないです。
表題作の冒頭で兼次の父が、幼い息子に向って「愛の形について」語るのですが。
その長い台詞がとても素敵で。そしてこの言葉通り、自分の愛を決めた兼次。
なぜ彼はこんなにも苦しい恋を続けるのか。
それはこの言葉があったからだと思いました。
そして兼次の名門学園青春生活を描いた「酒よりも薔薇の日々」。
これが耽美で素晴らしい!
太郎への報われる愛に苦しむ心を、他の男との火遊びで慰めている兼次でしたが。
彼が通う名門男子校(全寮制)では、「学内に規律と粛清を」いう言葉を掲げ、
男色家の疑いのある生徒にリンチ(ぺデラスト狩り)を行う集団が存在しました。
集団の中心は久我山という生徒(元華族)で、兼次を目の仇にしています。
兼次がぺデラスト狩りに遭わぬよう、彼の身を案じる達彦が男前です!
ただのサングラス愛好家ではないところをばっちり見せてくれました。
達彦と兼次の「友情以上愛情未満」なキスに、胸がキュンキュンです。
そしてある日、久我山が謎の死を遂げます。
容疑者として疑われたのは、なんと太郎。
太郎の疑いを晴らすべく、奮闘する兼次。
そして太郎の疑いを晴らす鍵を握るのは、
兼次の美貌のルームメイト・正親町譲………
とにかく耽美で文学的で、英国パブリックスクールのエリート学生達を描いた映画
『アナザー・カントリー』を思わせる世界なのです。
この映画好きにはオススメしたい作品です!
男色家を異常に毛嫌いした久我山の心の闇が悲しく、切なかった。