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kurumi no naka
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
画廊「胡桃の中」のオーナー・谷崎。
ボサボサ頭にメガネに髭…どっからどう見ても三十路すぎのおじさんなのに、24歳で。
そんな谷崎ですが、裏の顔は天才贋作画家…だったのです。
この谷崎が、すっごいカッコいいんです!
はじめは私もオヤジとばかり思ってたんですけど、全くそんなことはなく(オヤジ発言は多々ありますが。笑)
【メガネを外すと美少年な優等生】の如く、髭をそり、髪を整え、スーツを着ると
それはそれは超絶男前に大変身なんです!
そして、彼には親友兼恋人がいるわけでして、それがカメラマン見習の中居です。
中居は谷崎の大学の同級生で、学生の時からずっと彼を被写体にして追い続けているのです。
そんな中で二人は恋人同士になったわけですが、中居も『美しい谷崎』にはメロメロのご様子。
この作品は二人の恋愛よりも谷崎とその仕事を中心に繰り広げられるヒューマンドラマ…あるいはミステリーにも近いような印象。
人と絵と、それらを巡る様々な問題に直面します。人間関係、金銭問題…。
そして贋作画家としての谷崎の仕事がとても興味深い。
類稀なる鑑定能力、そしてプロをも騙し抜く完璧な贋作づくり。
いくらでもお金を稼げそうなご職業ですが、彼は強欲なものからは金を巻き上げ、
子供や純粋に絵を愛する人にはタダであげたりと、情にあふれる人なんです。
しかし、そんな才能を持ちながらも谷崎は「絵を描くのは好きじゃない」と言います。
贋作を作るという罪の意識。そしてそれを中居にも手伝わせてしまっていることへの後ろめたさ。
そんな葛藤がいつも谷埼の中にはありました。
実際、贋作を作るのは天才的ですが、自分の絵を描いてるところは中居でさえも見たことがないようです。
そして、そんな谷崎を「お前は悪くない」と抱きしめ、側で支える中居。
この二人の関係性もすごくよかった。
ラブ中心の話じゃないから、そんなにイチャイチャラブラブは見られないけれど、
お互いが大切な存在で支えあって、ちゃんと大好きなのがわかるかた嬉しい。
不意打ちでキスされて愛を感じる中居とか、
知り合いのじいちゃんと二人でごはんに行くことになった中居に、真っ赤になりながら
「行くなっつったら怒るか…?」と尋ねる谷崎とか。
可愛すぎる~!
エロはなくてもそれだけでキュンキュンです!
二人の馴れ初め話も載ってて、二人がいかに大事な存在になっていったのかがわかって満足です。
ラブストーリーとして見ても、二人と絵を巡る人間物語として見ても、申し分のない面白さだと思います。
クロフネZERO掲載ということで、3巻発売も当分先なんでしょうけど…楽しみに待ってますから!!
まだ読まれたことない方はぜひ読んでください。
旧版も持っているんですけど、
コンプリート新装版という事で、
大好きなだった2人の出会い篇と、書き下ろしも+収録され、新装版用カバーイラストに惹かれて購入しました。
好きすぎるシリーズなので、一冊にまとまってくれて大満足です。
もう10年以上前の作品なので、絵柄とか微妙な違和感を感じる所もあるかもしれません!
ストーリー中の、ダークな面も含めて、凄く夢のある…夢を見させてくれるお話だと思います。
画廊探偵(勝手につけてます笑)が繰り広げていく、人間ドラマが楽しめる作品です。
BL要素は少ないんですけど、この2人の出会いがあって、恋人関係が続いてるからこその、『胡桃の中』での人間ドラマだと思うので!
直接的なシーンは少なくても、読んでると感じられる、2人のラブなシーンが、結構私的に大好物だったりします♡
川唯先生の100%趣味で描かれた作品という事で、実在の画家を上手く話に絡ませたり、架空の画家や作品を取り混ぜて描かれていく事もあって、面白く、凝った作品に仕上っているなあと思います。
なので、美術専門的な言葉とか技法も出てくるんですけど、美術の教養が全くなくても、楽しめる工夫もされているので、読みやすいです。
大好きだからこそ、先生の努力を感じさせられる作品だと思います。
趣味だとしても、本当に凄い世界観を描かれるなあと、素敵な作品を読めてファンとしても凄くうれしいです。
画廊店主の谷崎(25)× 映像作家見習の中居(25)
祖父が残した画廊『胡桃の中』のオーナーである谷崎。
画商の技術だけでなく、贋作家という裏の顔をもつ谷崎。
本当は巻き込みたくない恋人•中居と共に、曰くつきの絵画を売りにくる、訳ありの顧客達の為に奮闘する人間味あふれる物語。
一話完結型で繰り広げられていきます。
顧客の願いを叶える為には、時にはダークな事に手を染めなければならない谷崎。
その方法は、正義とは呼べないものだけれど…
絵画にまつわる人間関係や絵に込められた想いも合わせて、解決に導いていく手腕に、心揺さぶられました。
中でも、クレーの話が一番好きです。
兄弟愛と、谷崎と中居がとったそれぞれの優しさと、その結末が感動でした。
そして、何といってもこの2人のキャラが魅力的なんです。
本当にアート関係の仕事をしてるのか疑問なほど、普段は無精者の谷崎。
トレードマークは、眼鏡に無精髭、ヘビースモーカーに皮パン♡
まだ若いのに、小汚いおっさんチック。
でも、本当は、中居曰く…ルックもカメラ移りも超一流(笑)
画商としても贋作家としての腕も超一流。
という、ギャップ萌キャラでした。
特に、たまに垣間見せる色気には、中居共々「いつもこんなにカッコ良かったら…死んじゃう」…と身悶えてしまえるほど、私的にも萌ツボキャラでした♡
彼の存在が「善」か「悪」かという陰りの部分も大好物です。
中居は、容姿そのままな性格で
、元気で明るくて、素直で真っ直ぐな、思いやり溢れた優しい青年。
谷崎の事を、「モサイ」とか文句を言いながらも…
実は、大学の頃、カメラ越しの谷崎に一目惚れして、もうずっと谷崎一筋という…健気で可愛いいタイプ。
そして、谷崎にとっても、この物語にとっても欠けさせれない、重要なポジションでもある中居。
割り切って仕事をしていても…背負っている重みを、いつも噛み締めて生きている谷崎。
どこか辛そうで、淋しそうな彼のジレンマを、時折見せる「拒絶」で感じ取っている中居。
救われるなんて願ってないと思っていたのに…
中居の一言一言に救われていく谷崎。
それが悪だとしても…俺は信じている…俺は知っているから…お前は悪くないって…
事実を知っても傍にい続ける中居と、せつなそうな谷崎の姿に、思わずもらい泣きでした。
エロは少ないけれど、間違いなく、ラブはつまってます。
実はかなり惚れ合ってるのが随所でわかる所が、この2人の関係のいい所なんです。
新装版でプラス収録された、「マイ・ビューティフル・ワールド」
2人の大学時代の出会い篇です。
本当は、『胡桃の中』より前の作品…『形而上なぼくら2』でお初の作品だったんです。
なので、今とは少し雰囲気の違う、2人のお話になってるかと思います。
本編より、恋人らいし雰囲気の2人で繰り広げる、逃亡⁉、世界中の美術館巡り放浪旅行は楽しめます。
そして、書き下ろし「in after days」
何故、2人が放浪旅行を引き上げたのか…谷崎が『胡桃の中』二代目オーナーになった理由が描かれています。
気になっていた部分だったので、この書き下ろしだけでも、新装版を購入した値打ちは充分ありました‼
寂れた画廊『胡桃の中』…不思議な世界観を楽しめる作品です。
ぜひオススメしたいです。
”絵画”をモチーフにした物語。
名画の数々を川唯先生が模写して作品に登場させているのも、絵画好きにはたまんないシリーズです!
口絵に描かれているのは、コルトーナにあるフラ・アンジェリコ「受胎告知」のフレスコ画。川唯先生原画展のキャプションによると、フレスコ感を出すために絵をヤスリで削ったそうです。最初はおっかなびっくり、でもなかなか削れないので力いっぱい削ったらしいですよ。
アンジェリコの受胎告知の中で、華やかさと荘厳さを合わせもったこの天使が私も一番好きです。
谷崎は、祖父の小さな画廊”胡桃の中”を引き継いだ。
中学生の頃から祖父の元で修業し、絵画修復士としての腕もなかなかなもの。
その画廊にちょくちょくやってくるのが駆け出しカメラマンの中居。
二人は恋人だけど、ストーリーは二人の恋愛模様よりも絵画やそれにまつわる人間にスポットが当たっています。
●「胡桃の中」
谷崎と中居がお出かけした美術館で絵が盗まれた!
その絵は、二人が卒業した芸大の先輩で、夭逝した世界的に有名な画家のもの。
そして後日、上層に描かれた絵を洗浄して、その下に描かれている下塗りを見せて欲しいという人物が胡桃の中にやってきた。
そして一層目の絵を洗浄すると、先日盗まれた絵が表れて…
その絵を持ち込んだのは夭逝した画家の唯一の友人でした。
画家と友人の間に何があったのか、画家がどれだけ苦しんでいたか、友人が何を欲していたのか、最後の告白は涙なしには読めません…
これはれっきとしたラブストーリーです!
●「胡桃の中Ⅱ うそつきな天使」
中居が怪我をすると、いつもは飄々としてる谷崎が慌てて病院にやってきた。
それを見て愛されてると密かに喜んでる中居がかわいい。
このシリーズは絵画メインでも、ちゃんと二人の関係性を追っているのもイイんです。
そして今回のお客さんは病院で会った小さな男の子。
目が見えなくなるかもしれない妹のために、手術の前に、妹が好きなパウル・クレーの「忘れっぽい天使」を見せてあげたくて、精一杯のおこづかいを貯めて画廊にやってきます。
男の子の健気さに、もうこれも涙なしには読めません…
心が暖かくなる優しい物語の綴じ方も好きです。
クレーは個人美術館に行くくらい好きです。山の緑に溶け込んだ曲線の建物で、クレーの作品が愛されていることが伝わってくる場所でした。
作中で、谷崎が男の子にクレーの絵を買えない理由を説明してあげてる時に、あの場所で感じたことを思い出しました。
●「胡桃の中Ⅲ ~I'm not Hamlet~」
なぜタイトルが”胡桃の中”なのかがわかる話です。
胡桃の中・先代オーナーのライバル画廊が、オールドマスターの絵を使って、谷崎に仕掛けてきた巧妙な罠をどうかわすか?ドキドキな展開!
胡桃の中では、訳ありなこともしているから、谷崎は中居に関わらせないようにしていて、それを中居は寂しく感じていた。でも谷崎が何をしているか察したうえで、中居は谷崎がいちばん欲しがっていた言葉をあげる。
絵画の印象が強くて、第一印象はBL色を薄く感じるかもしれません。
でも、シリーズ3冊を読んで、谷崎の人となりをわかってから読み返すと、谷崎にとっての中居がどんな存在かがわかって、二人の話もれっきとしたラブストーリーです!
オマケSSとあとがきの後、二人の出会い編「マイビューティフル・ワールド」と、その後日譚「one day」「in after days」が収録されています。
2000年に描かれた作品なので、絵に古さを感じますが、シリーズのなかでは恋愛色が強く、シリーズ中では仔犬みたいにかわいい中居が見せるハングリーさが意外で、二人のヒストリーとして楽しめるお話です。
まあ、もちろん大げさではあるが、でも確かにこの本を読んでから人生が変わったかのように視界が開けた。人生観をガラッと変えた。
たった一冊の漫画で。しかも、BL。非BLって書かれてるけど、私は絶対BLだと思ってる。
何がそんなに心に響いたのかはわからないが、谷崎×中居というキャラクターが自身の性癖にヒットしたのはまず間違いない。
谷崎は普段だらしないのに(着替えや洗濯がめんどくさいからレザーのパンツはいてるとか、無精ひげはやしっぱなしとか)キメるところはキメるところとか、中居はそんな谷崎に文句言いながら谷崎大好きでしょうがない(大学の時、すごいフォトジェニックであることを発見した張本人。谷崎はレンズに収めるととんでもなくいい男になる)とことか、もう全部好き。
それから各話、もちろん美術関連の話であるのだが、出てくる作家全部に興味がもてる。アンリ・マティス、パウル・クレー…。
人間と美術の織り成す、アート事件簿。
競売の話とか、中居が「この女性の顔、現代的」って言葉を受けて谷崎が気づくのほんと大好き。いいコンビ。
何がすごいって、今手元に漫画なくてレビューを書いているのだけど、前回漫画を開いたのは年単位で昔の話だ。5年は経ってるかもしれない。
それでも、鮮明に思い出せる。それほど、脳裏に焼き付いて離れない作品。
ドラマ化してほしいし、映画化でもいい。
読んでない人がいたら、ぜひオススメしまくりたいけど、私自身の中に閉じ込めておきたい作品でもある。みんなに知ってほしいけど、そんなに有名にならないで!みたいなめんどくさいファン感。わかります?この矛盾した感情。
なんで、もう連載してないのか不思議でならない……。もっとこの世界に浸っていたい…。
これが非BLとは何事ですか!
ちゃんとボーイズラブだと思いますよ‼︎
とはいえ、ラブストーリーではないのは確かです。
そして、ストーリー自体の安定感と面白さが素晴らしいです。
川唯先生の作品では、『loveholic』が最高に好きなのですが、
本作は甲乙つけがたいくらい気に入りました^^
〝胡桃の中〟という画廊のオーナー・谷崎と恋人・中居が繰り広げる、絵画にまつわるエトセトラ。
特に、「うそつきな天使」は秀逸でしたね!
愛溢れるストーリーに涙がこぼれるほど感動しました。
川唯先生の作品、やっぱり大好きです♡
どちらかというと『絵』にまつわる話が中心で、エロ度も少なくラブラブ感もそんなじゃないのに私的にはメチャメチャ楽しめる作品。
あまり表情を表に出さずクールな谷崎。
実は裏で悪いことをしてる。っていう罪の意識からかちょい他人に冷たいとこあるけど、そんな彼にも大切に思う人が。
それが、天真爛漫な中居。
素直で真っ直ぐな中居にどれだけ谷崎は救われてるのか。
中居は自分の価値を気づいてないんだろうなぁ。
でも時たま見せる愛情表現がなんか可愛い。
とても深い作品で、何度読んでも飽きのこない本当に魅力的な作品だと思う。
谷崎と中居は大学の同級生同士で、谷崎は今祖父の画廊を受け継いで経営し、中居は映像作家を目指して修行中の身です。
谷崎の経営している画廊には、「名画の下に描かれた絵が見たい」「パウル・クレー」の絵が欲しいなど、無理難題が寄せられるのですが、谷崎はこの無理難題を解決してしまうのです。
まるで人情画廊なのですが、「パウル・クレー」が欲しいと言った男の子の前で、手品のようにクレーの絵を描いてあげる谷崎はさすがです。
『胡桃の中』はとってもいいところで終わってしまうのですが、番外編で谷崎と中居が出会った頃の「マイ・ビューティフル・ワールド」を収録しています。常に谷崎のことをビデオで追いかけ回している中居ですが、エッチの時もずっと撮っているのはある意味さすがです。
え?BLじゃないんですか?!
ちるちるさんで検索してみてびっくりしました。
確かに二人は普段からいちゃこらしてはいませんが、
お互いの愛が深すぎるので、BL認定してもいいんじゃないでしょうか。
というか、コレBLでしょ!って逆ギレしますw
ちゃんと色々調べて書かれていることが解る作品です。
そうでなければ、ここまで引き付けられるお話にはなっていないと思います。
毎回厄介ごとが舞い込んできて、それを解決するために奮闘して、
たまに犯罪まがいのことをするところがスリリングで、読んでいて
ドキドキさせられます。
(BLじゃないはずがないので、攻めと受けとして語ります )
攻めが普段は髭を伸ばしっぱなしにしていて
汚ならしいのに、たまーに正装を纏う姿にきゅんとします。
受けではないんですが、本当に格好いいです!
受けは大した特徴がなく、容姿も可愛いとは言えないんですが
その中身がとてつもなく魅力的で、攻めと一緒に罪を背負うことを覚悟した
行動に胸が打たれます。男前すぎます!
攻めのメンタルが弱いので、よりいっそう男前度が際立ちますね!
ふたりの過去の話も必見です。
どうしてこのような関係なのかを知ることが出来ますし、
攻めの自由っぷりに感服しました。
シャーロック・ホームズはお好きですか?
どこかの駅前で便利屋をしてる2人はお好きですか?
札幌のとあるバーにいる探偵はお好きですか?
嫌いな人はほぼいないかと思いますが、yesと答えた方はお読みください。
ぜーーったい好き。
美大時代、中居の熱烈アプローチ(と言っても被写体としてですが)をきっかけに知り合って、いろいろあって、世界中の美術館を巡ったりした後の話です。
わたしは新装版じゃない方を持っているので、馴れ初めは『形而上なぼくら(2)』で読みましたが、新装版はその話も収録されているんですよね?
谷崎が祖父から受け継いだ画廊の雰囲気が素敵です。
顔面偏差値が高すぎるのに、無精髭で生活に頓着しないのも良い。
そこにいそいそケーキを持ってやって来る中居も、ワトソンくんぽくて良い。
そんな2人が、画廊に客としてやってくる人々の依頼を受けて、依頼の裏にある事情を嗅ぎ取って、依頼主のこころを軽くするストーリー。
祖父と因縁のある画廊主との対決回は、谷崎の万能さに痺れます。
非BL作品になっているけど、谷崎と中居のあまあまな場面は度々出て来るし、依頼内容にBLの気配が漂っていたりもするんだよなあ。
でも非BLなんですね。不思議。
依頼内容で判断されてるのかな?よく分かりませんが、わたしはBLとして読んで、BLとして萌えてます。
画廊名の「胡桃の中」の由来も興味深いこの作品。
読んでいない方はぜひ読むべしです。
BLです。雰囲気最高、バディ最高、萌えますよ。
最初、読み始めて細野氏の「ギャラリーフェイク」の、も少しゆるいBL版な感じ?
という印象を抱いたのですが、似て非なる作品。
絵画・画廊を舞台にして、そこに絡む人の心の温かさが感じられて、とても後味のよい作品です。
最後まで飽きさせず、長く手元に置いておきたいなと思わせる優秀な作品だと思います。
主人公は画廊「胡桃の中」の二代目、本当はすごいハンサムなんだけどいつもモサくてだらしのない谷崎。
そして、そんな彼がかわいがっている(?)愛しているのが映像技師の中居。
画廊を訪れる客はひと癖もふた癖もありそうな、ワケアリな感じの人間と作品。
それを谷崎が一人で対処していくのではなくて、中居との関係の中で勇気をもらったり、慰めをもらったり、時にはヒントをもらったり、知らない間にフォローをしてもらっていたりと、決してあまあまな恋人関係を全面に出すのではなくて、絵を主人公にして、主人公達を絡ませているのがいいです。
大好きだったけど、離れてしまった画家が最後に唯一描いたという相手の肖像画を上塗りされた作品の下から出してほしいとか、
自分のわがままで妹が失明しそうだから、最後に本物のクレーの天使の絵をみせてあげたいと願う男の子とか
依頼者の想いを遂げさせてあげる、矢崎がちょっとカッコイイぞ!
そして、矢崎を陥れようとする画商をやりこめちゃう話はワクワクさせてくれるし、
そんなバラエティに富んだ内容はBLジャンルに閉じ込めておくにはもったいないほどの作品です。
矢崎と中居の出会い&どうやって恋人になったか?編のエピソードも、恋だの愛だの、小難しいことはなくて、この二人の関係がほほえましいものになったきっかけを知ることができました。
絵画と聞くと、とっつきにくいとは思わず、とっても気易いので是非是非、読んでみてほしい作品です。
尚、2巻に続きます。