詩雪
コミックス『FLOWERS』のその後が描かれた同人誌です。
作者の作品ではキャラのヘアスタイルが変わっていくのがお約束で、それが楽しみのひとつでもあります。コミックス終盤では誠がロングヘアをばっさりカットしていたのですが、表紙手前は髪を切った誠ではなくナンノでしたね。奥は亮。同じ人を好きになり、複雑な心境のときもあったふたりが表紙を飾ります。※以下、内容をだらだらと書いています
さて、亮が誠と恋人関係になってそろそろ一年というある日。
誠に浮気された亮が、携帯も持たずに向かった先はナンノ宅(本編ではラストにナンノが引っ越ししているので彼らとは離れた場所に住んでいます)。誠のほうは酔って記憶がないとはいえ浮気は浮気。「帰りたくないんじゃないの?」とナンノに誘われ、亮は流れのままなんとなくナンノと寝てしまうー。
亮「オレ…誠さんと別れてナンノさんといようかな…」
ナ「………無理すんなよ」
このあと…「寝たことを誠に話すの?」と聞かれ「わかんない」と答える亮に、「反省させるために話してもいいと思う」といかにも "誠慣れ" したことを言うナンノ。でも「オレをダシにしていい」とか「当て馬扱いは慣れてる」なんて、ほんと笑えないからやめてよ~ナンノ(泣)。
誠のところへ戻ったツンツンしたままの亮くん。ナンノの家に泊まったと大体の予想はついていた誠ですが、ふたりが寝たと知り激怒。いつものうるさいケンカが始まったところで、ナンノが様子を見にやってくる。
誠「もういいよ!勝手にしろっての!」(ドアバタン&布団にくるまってフテ寝←かわいい)
亮は再度ナンノの家に行こうとしますが、その途中で思い直し、誠のもとへ帰ることに。
ナンノが亮に自分の気持ちを話すシーンが見どころかと思います。
ナ「…この先も誠とつきあっていく気があるんならさ 今回のことは許してやったら?」
「二度とやんねえって約束させて… またやったら本気で考えればいいんじゃない」
亮「………でもオレ ナンノさんのこと…」
ナ「オレもうそういうのはやんねえの」
「ちゃんとつきあうなら自分ひとりのもんじゃないとさ 誠のことでもう懲りたよ」
「…じゃね 早く帰ってやれよ あいつ今頃泣いてんじゃないの」
亮に背を向けたあとのナンノの表情が、もうホント切なそう。
このあと...亮は誠の部屋のドアをたたき、これから仲直りするんだろうというところでエンディング。
コミックスのその後を読んでも「めでたしめでたし」と安心できるエンディングではないんですよねぇ。もはや誠より、亮が皆を振り回しているハートブレイカーのような気もしますが…。同じところをぐるぐる、うまくできないまま...なんとも言えない気分、だけどそれがクセになっちゃう宮本佳野作品、という感じでしょうか。
亮は誠を信じて一緒にいればきっと大丈夫...だと私は思うんです、ただ心配なのはナンノかな。この男にはどんな人がぴったりくるんだろう。誠みたいな男前が現れるといいねっ、ナンノ!織作先生とは本気になれるのか、どうなんでしょうねぇ。織作先生とナンノの話も描いてみたい、とあとがきにありました。気になる…。
「FLOWERS」番外
亮と誠が付き合いだして既に1年くらいたった頃の話。
酒に酔って男を連れ込んでいた誠の姿を見た亮は,怒って部屋を飛び出します。
こんな時に頼れるのは、以前同じアパートに住んでいたナンノで、、、
同じアパートにいた頃も、それなりに色々あった二人。
亮はナンノに体で慰めて貰って、、
結局、亮と誠の二人は、こうやって、お互いに浮気したりされたりしながら、なんとなく付き合って、そのうち、なんとなくどうにもならなくなって、なんとなく離れたり、なんとなくまたくっついたりしてみるんでしょうね。
そんな、グズグズな未来がほの見える作品です。