Coo
それは、十歳の夏のささやかな挑戦の儀式。海にかかる橋から飛んだサイカと、その光景を静かに見ていたリク。
二人は、中学で再会し、同じ水泳部に所属して、お互いを意識するようになる。
中学3年になったサイカは、リクと同じ高校へ進学できると信じていたが、それが叶わないことを知り―。
海辺の町、水泳部、夏、それぞれの描写がキラキラと眩しくて美しいです。
甘酸っぱい淡い初恋の気持ちが、繊細に描かれている作品だと思いました。
リクが大好きだからずっと一緒にいたいと願うサイカと、サイカが好きだからもう一緒にいられないと思うリク。どちらの気持ちもそれぞれわかるだけに、ちょっぴり切ないです。
進路は別々になってしまうけれど、きっとまた会える。そんな希望の持てるラストシーンが凄く素敵だったと思います。