乱菊
あまりお見かけしない「ルパン三世」ジャンル。
なんと稲荷家房之介が描いていたとは・・・ルパンが昔から大好きだった私は、ほほぅとニンマリしてしまった。
カップリング的にはルパン×次元だろうか。
そうとはハッキリと表現されていないので、あくまで憶測なんだけども。
また五右エ門はルパンに心酔しており、やや次元と距離を置いている雰囲気といったところか。
もちろん次元もルパンというカリスマに引き寄せられているようで、それらの関係性は私が感じていたものと、そう違いはない。
そして忘れちゃいけない、銭形のとっつぁんももちろん「タイホだー!」と登場する(笑)
そんなルパン一味の物語が3編収録されているのだが、物語の面白さと共に、読むにつれて稲荷家さんの博識高い一面には唸らされてしまうことだろう。
二次作品でもオリジナルでも、基本的に稲荷家さんの中には「生と死」そして「出会いと別れ」が訴え続けられているような気がする。
それは恐竜の卵の化石であったり、届かなかった手紙であったり、蝶の捕らえ方であったり・・・様々なモチーフでそれらは壮大なテーマを語りかけてくる。
中でも少年時代のルパンがアイデンティティーを求めるが故に、血を繋げてゆくことに拒否反応を示し「俺はセックスはしない・・・決めてるんだ」と、淡々と話すシーンにはとてもドキリとさせられた。
稲荷家テイストの美麗なルパン少年が言うんだから、そりゃ尚更か。
確かに女好きとして描かれているルパンだけれども、真剣味がないなあとは感じていたので、なるほどこれが原因だったのか!と妙に納得してしまった(捏造だけど・・・)。
大半がシリアス調だが、合間合間に軽く読めるものも収録されているので、ルパン好きなら絶対に楽しめる1冊。
ぜひぜひ機会があれば読んでみてほしい(≧ω≦*)