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攻・白土井祥(27)
受・押切温(26)
再従兄弟で、白土井が1才年上。
ともにグラフィックデザイナーで、仕事の環境も似ていることからよく比較されるコトが多い。
温にとって再従兄弟の「祥一郎」は苦手な存在でした。
子供の頃もほとんど会った事などないのに、親戚の大人たちが自分と比べるものだから、その存在にはうんざりしてました。
また同業者の「祥」に対しても、苦手意識を持っていた。
同じフリーのデザイナー、キャリアと仕事の種類もランクも似ている。
自分より背が高くて男前だというのも気に食わないし、デザイナーとしての才能も拮抗しているから、なおさらライバル心を煽られる。
温の苦手な2人が、まさかの同一人物だと知ったのは、本家の葬式に行って再会したからでした。
祥はずっと「東京の温」とデザイナーの「押切」が同じ人間だと知ってたのですが、温は全く気づいてませんでした。
苦手が二倍になってしまい、温は当然のように祥を避けようとします。
でも祥の行動力(押しの強さ)の方が上手。
なし崩しに飲み会の場に引っ張り出され・・・けれど、酒を飲みながら話をしたら、想像よりもいいヤツだった。
と、祥に対する評価が少し変わってきたところで、酔いつぶれた温は祥に美味しく頂かれてしまうわけです。
基本的に「とてもとても男前」な受の温が、「外見は男臭く悪い男風」の祥の言動に腹を立てながらも、次第にほだされて、最終的には出来上がってしまうお話。
設定だけだととても好みなのですが・・・。
何故か読後は満足できませんでした。
祥がへタレを通り越してウジウジ男だったのが原因なのか。
温が男前過ぎるのが原因なのか・・・。
火崎さんの他の作品でお気に入りのものと比べて、原因を発見。
この2人、親戚としても、デザイナーとしても、一応「ライバル」設定。
なのに全然ライバルらしくやりあってないのです。
仕事で競い合う事があって、その過程で祥の過去のキズ(トラウマ)とか、人間関係とかが温に知れて・・・という感じだったら、もっと面白かったのかも。
温の一人称の独白だけでは物足りない感じ。
折角の設定がもったいないなぁ。