解体

解体
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
8
評価数
2
平均
4 / 5
神率
0%
著者
石原理 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ビブロス
レーベル
ゼロコミックス
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784882712305

表題作解体

レビュー投稿数2

マネキン

高度に発達した未来のマネキンの話。
タイトルにある解体は、不要になったマネキンを解体するという意味。

解体やのレオンと、そこに持ち込まれた、因縁の男性にそっくりのマネキン。
しかし、マネキンは何やら再生して生きながらえ、自我を持ち始めたのかもしれない。。

非BLとしてジャンル分けされているようですが、お話はBLですね。
人嫌いっぽいレオン、ましてや恋人を奪った男性に瓜二つのマネキンだが、職業上の興味でそばに彼を置く。
一方、ヒナのようにレオンになつくそのマネキン。。

読み応えある一冊でした。

0

切ない愛の形

この作品は、”萌”で表すのは難しいです…。
この、”萌2”という評価は、私の中では”星4”のような感じです。

労働補助、愛玩用。中身も外見も人間そっくりに造られたアンドロイド、通称”マネキン”。
マネキンの修理・解体を請け負うレオンのもとにある日一体のマネキンが持ち込まれるが、そのマネキンはかつての同僚・ウィリアムに瓜二つだった。
レオンとウィリアムの間には、ロクサーヌという1人の女性を巡って、ある因縁があった。
そして、マネキンとして死んだはずだった、ウィリアムと瓜二つのそのマネキンは、息を吹き返し…。

この作品は非BLに分類されているようで、確かに主人公であるレオンは、ロクサーヌという女性を愛しています。彼女が亡くなったあとも、ずっと。
作中でも、Hはおろか、キスすらしません。けれど…なにか匂わすような雰囲気はあります。色気があるので、それだけでも私は充分です。

レオンのもとに持ち込まれたマネキンは「シャッカ」と名付けられレオンと生活を共にしますが、ウィリアムと瓜二つのシャッカをレオンは受け入れられないでいます。
ウィリアムは、レオンが愛した女性、ロクサーヌを裏切ったかもしれない男だから。

けれどシャッカはまるで幼い子供のように無邪気で、レオンにどれだけ冷たく扱われても、健気にレオンを慕い続けます。
酷い言葉を投げつけられても、人間のように扱ってもらえなくても、たまに反抗的になってみても、素直にレオンの言う事を聞くシャッカはすごくいじらしくて、可愛いんです。

頻発する、遺体が全て身元が分からない程損傷させられている謎の殺人事件。
事件解決のため、かつての容疑者であるレオンの周辺を嗅ぎ回る不敵な刑事。
その事件に絡み出す、”マネキン”達の存在。

レオン自身も事件の謎を追いながら、その中で形を変えていくシャッカとの関係。
あんなに、憎らしかったはずなのに、どこまでも一途にレオンを見つめ続けるシャッカのまっすぐさに、レオンが戸惑いながらも絆されていくのがすごく伝わってくるんです。

レオンに突き放されて、お風呂でひとりぽっちでシャッカがただ涙を静かに流しているところとか、ベッドで、シャッカがレオンに、泣きながら思いを訴えるシーンとか、本当に好きで…!

けれどレオンの根底には、ウィリアムへの許し難い気持ちは消えなくて(あるいは、ロクサーヌを守れなかった自分の不甲斐なさが1番許せなくて、ウィリアムへの憎しみを消さないことで自分すら許さないようにしているのかも…?)、少しずつ距離が縮まっていたはずなのに、伸びていた髪を切り、よりウィリアムの容姿に近付いたシャッカを、酷く冷たく突き放します。
「その姿で二度と、そんな風に俺を呼ぶな」…

そして、シャッカはレオンの前から姿を消します。
自分の過ちに気付き、レオンは必死にシャッカを探し回るけど見つからない。消えない後悔に埋もれるレオンの前に、再び戻ったシャッカは……

シャッカにとって、それこそ、究極の形だったのかな、というラスト。
どんな形でもいいから、レオンの側に居たい。
憎まないでほしい。愛してほしい。
レオンの付けてくれた名前で、もう一度、呼んでほしい。
こんなに切ないのに、温かい気持ちが溢れてきます。きっとこれはハッピーエンドだと思います。どんな形だって、もう一度、2人は出会えて、名前を呼びあって、抱きしめあえたんだから。

この作品は石原さんの中でもかなり初期のもので、今の作品とは絵柄が全く異なります。
この頃の絵柄も好きではあるんですけど、個人的にはあふPの頃が最も好きなので、その絵柄で読めたら神評価でした…!

でもやっぱり、石原さんの作風というか、漫画の描き方というか、本当好きだなぁと実感。
恐ろしい殺人事件を追っていくハラハラ感の中に、レオンとシャッカの関係の変化にどきどき。
キャラクターもいちいち魅力的なんですよ、メインから脇役まですべからく!
レオン、シャッカはもちろん、シドが可愛くて良かったです。笑
それに、こういう物語を思い付いて、それを漫画という形にするというのは、ただただ凄いなぁと。爪とか髪とか見ても、細胞の入れ代わりのこととか考えないですもん。考えたとしても、そこから、物語は思い付かないなぁ。こういうのは石原さんに限らずだけれど、作品を作られる人達って本当凄い!

完全に、あとがきトークになってしまいましたが…。

…あ、それから、私は石原さんの描くまつげ、好きです♡
ウルフガー(レオン)とシャッカの名前の出典は、やっぱりあの映画ですよね…?

1

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