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akuma to kiss wo suru mae ni
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
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好きな映画に、ウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」がある。物書き仲間の男友達に「一人じゃいけないから一緒に行ってくれ」と頼まれて観に行ったゲイが主人公の映画だった。
決して、楽しい映画ではない。やり切れなさで胸が詰まる映画だが、好きな映画で五本の指に入る。
この漫画には、あの映画に似た雰囲気を感じた。
著作の「喪服のディナーパーティー」でも思ったが、この作者の漫画には映画と同じ空気が流れている様だ。
読後はBLの長編漫画を読んだというよりは、長い映画を観て映画館から出てきた気分に似ている。暫く、余韻でぼーっとしていた。
話の主軸はカイと理人だが、この二人の固い結びつき云々という話でもない。
カイはふらふらしていて、性別問わず色々な人と関係を持つ。何度も理人の前から姿を消す。
ふと、飼い猫同然だと思っていた野良猫を思い出した。
姿を消しても、また自分の所に戻ってくるだろうと待つあの感覚。カイと理人の関係はそれに近い気がする。
「どうして落ち着いてくれないのだろう」と平穏な暮らしを送ってくれない二人に苛立ちすら覚える。
結果的に、二人は結ばれはしたのかもしれない。
でも、「二人はいつまでも幸福に暮らしましたとさ」というおとぎ話は実現されなかった。
お互い、両思いだったと見える形で分かっただけ救いがあったのかもしれないが。
思い切り泣けるようなドラマチックなシーンはない。
ただ淡々と、やり切れなさが積もっていく。
カイは今、何処にいるのだろうか。
彼岸か、タイの安宿なのか。
もしかしたら、またふらりと野良猫のように戻ってくるかもしれないと、ありえない微かな期待を抱いて、本を閉じた。
萌えるとか萌えないとかいう意味であれば
あんまり萌えはしない(* _ω_)...アヒョ
萌えはしないが、作品としてどーかといわれれば、個人的には好きです。
神楽坂さんの作品、久しぶりに読みましたが面白いです。
この独特の世界観が妙に胸に残るんだよね。
お話は、まだ高校生だった時分。
火事場が見たくて走っていたときに、たまたま通りかかった赤の高級車。
知らない相手の車に乗せられて、火事を見た。
そのあとまた同じ車で家まで送ってもらい、それっきり。
数年がたって、その赤い車の男を街のポスターで見かける。
“カイ”という名前だということを知り、それからまた数年。
すっかりオヤジになった少年は、そのカイと運命的(!?)な再会を果たすわけだが・・・・・!?
つかみどころのない受に翻弄される攻。。という表現が一番妥当なのだろうか。
身体の関係が始まって、居つくようになっても、それは恋人と呼べる関係なのか否か。
もともと、そっちの気はなかったのに。
女の裸を写真のフィルムにおさめ、どんなに褒めちぎろうとも男と寝る。
今、昔、これから。
翻弄され続ける人生と~なお話なのであります。
説明するのが至極難しいので、説明はしませんが
受の波乱万丈を描いた作品なのかなと思ってしまいました。
起承転結。最後の死ねただけはちょっといただけませんがorz
せつな過ぎるのだよ。
>>この美しい世界に
受がもっと少年だったころのお話。
海外から日本にやってきて、それから~
ヤクザ屋さんの愛人をしていたという話は上記にも登場します。
その中でのお話でしたね。
あんまりイイ話でもなさそうな感じではあったのですが
ここの中での受。可愛かった。
というより、ヤクザ屋さんが一生懸命で可愛かったんだな。
受も受で好きだったんだと思う。
ちょっぴり青臭いお話ですが、私は好きかな
神楽坂さんの作品を読むのはこれで2作目です。
初めて読んだ時も先の読めないお話を描かれる作家さんだなという印象だったのですが、こちらの作品も全く予期していなかった展開でした。
大きなお話が2話収められているのですが、それは受け様の人生模様でした。
受け様が15、16才頃のお話と16才からおそらく30代初め位までのお話です。
時間を異にして受け様が共に過ごした2人の男性。
それぞれ受け様に対する愛の形が違ってるんですが、受け様がとても愛されているのが分かります。
ただ、言葉での愛情表現はとても少なく、一般的な「甘々」な作品とは違うんですが、却ってそれがとてもリアルに感じられる。
受け様は女性からも男性からもモテるタイプで、一見とても「ヒモ」という言葉が似合いそうなんですが、実はジャーナリストになるという野望を抱いている。
誰も愛していないように見えながら、理人を守るために取った行動はとても男前のように感じました。
その前に理人と言い争った時の彼の言葉の裏に彼の気持ちが隠されているような気がして、とても切ないと思いました。
こういう、ハードボイルドまではいかないかもしれないのですが、シリアスでリアルなお話をまた読みたいなと思わせてくれた作品でした。
1人の男と、ミステリアスな男との愛の日々…
それはまた、男の数奇な運命の物語の側面も持っている。
視点は、攻めである岩渕理人。フリーライターの理人が超ベテランのシャンソン歌手(♂)のツバメのようなカイに出会って、酔った勢いで寝て、カイが転がり込んでくるところから物語が動き始めるのだが、もともと理人とカイには運命のいたずら的な因縁があって、本当の初対面は理人が高校1年の時。火事場見物で一緒になったポルシェの男がカイだった…
カイは日米ハーフで、その美しさでモデルやパトロンのツバメをしていた不思議な男だけど、実はジャーナリスト志望。
TVリポーターとして忙しくなり始めたカイと、引退した大女優の自伝的回想録に挑む理人…
2人はある時は熱く抱き合うけれど、お互い「好き」と言葉にせず、特に理人はなぜ猫のようなカイが自分といるのかに自信を持てず、浮気を疑ったりで仲違いしたり。
そんな時、カイが追っていた幼女売春クラブの件で何者かに襲われ…初めて理人はカイへの愛を自覚する。そして愛ゆえにカイにその事件を追う事をやめろと言い、素直にカイに好きだと言う。
だけど翌朝、カイはいなくなってしまった…
なぜこの日カイは理人から離れたんだろう。ここはよくわからなかったんだけど、この時の1年間のカイの不在がこの2人の物語に大きな動きを与えていたんだな、と感じる。
カイはアメリカにいました。理人が探して見つけ出し、会いに行って。
しばらくしてカイは理人の元に帰ってきた。
そしてその2年後、カイは今度は永遠に去ってしまう。飛行機事故に遭ったのです。
遺品を整理していた理人が、「理人へ」というタイトルのディスクの中に見たのは…
不思議な結びつきで愛し合った2人の年月、大変な名家出身のアメリカの母と別れ、日本で根無し草のように生き、危険な仕事に飛び込み、つかの間の穏やかな愛、そして別れ…
別れの後、理人に残る思い出とカイの存在と不在、つまりはカイの存在感、その余韻。
「この美しい世界に」
カイの過去。
父の国が見たいと日本にやってきたが、今の家庭がある父に拒否され、流浪が始まるカイの姿。
少年愛のヤクザに拾われて溺愛されるカイ。
勝手にヤクザのポルシェを乗り回したり…
だがヤクザは組の金を使い込み、自殺を偽装して逃げることにする。
ヤクザと別れたカイは、次はカメラマンの元でモデルに。
…多分その後シャンソン歌手のツバメになり、理人と出会い…という流れになるのでしょう。
最初は「飄々とした系」の軽めのお話かと思って読み始めましたが、あらあら奥が深ーい!神楽坂氏はアンハッピーではないとおっしゃっています。カバー裏のような展開になったりして?
カイはお仕事も恋愛も波乱万丈の人生だったけど、そういう意味ではハッピーエンドだったのかもしれないと思います。自分のしたいことを突き詰めつつ、一人の人(理人)に愛され続けることができたんだから。
その点、理人はある程度引きずって生きていかなくちゃならないんだろうから辛いだろうな。まぁ、カイの遺体が発見されていないってところに救いを求めながら生きていくのもアリ?
脇を固める面々も、一癖も二癖もある男・女・オカマで、そこでさらにお話に深みが出ていると思います。
最後の最後、同時収録『この美しい世界に』で、カイの元愛人、ヤクザの五郎ちゃんのデッカイ男ぶりに笑っちゃいました。
アニメイトで買ったので、ペーパー付きだったんですが、これを読めたのと読めなかったのとでは、心残りの仕方が違ってきそう。脇役までオチがついてます。