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病を得てしまったが故に孤独に追い込まれたルッカ。
己の身に流れる荒ぶる獣の血故に孤独を選んでいたエドガー。
二人が巡り会ったのは偶然だったのでしょうが、惹かれ
合ったのは必然だったのでしょう。
ただ寄り添うだけではなくエドガーを想うが故に非情さを
振り絞るルッカ。その凛とした姿は、無言の内に彼こそが
エドガーを支えて生きてゆく者であると語る筈です。
静かな絆を、感じて下さい。
楠本さんのデビュー作&初単行本だそうですが絵もストーリー構成も新人作家さんとは思えない上手さです。
特にカラーは深みがあって幻想的なタイプもポップな絵も凄く上手い。
ここまで絵が上手い新人さんだと話はイマイチってパターンが時々あるんですが、この作品はストーリーもしっかり面白いです。
舞台は中世ヨーロッパ的なファンタジー。
身寄りもなく右目に傷を負っている少年、ルッカは空腹で街を歩いている時に金持ちのエドガーに拾われます。
エドガーは高い塔がある屋敷に住んでおり、仕事も行く当てもないルッカはエドガーの使用人としてその屋敷で一緒に暮らす事になり、時折、塔の檻の中の獣の世話をまかされます。
使用人となってからルッカは眼帯を付け始めるのですがこの眼帯がお似合いで可愛い!
顔の右上半分を隠し頭に巻かれてる感じの眼帯、それを付けた健気な少年ときたら萌えますとも!
そしてついにルッカはその凶暴な獣の正体がエドガーである事を知ってしまうのですが、彼から逃げる事無く2人でその屋敷から旅立ちます。
獣である哀しみに涙を流すエドガーの両頬へと手を添え、触れるキスを唇へと落とすルッカ。
「今度は俺がエドガーを護ります」と告げるルッカの真っ直ぐな瞳の強さが良い。
こうして塔のある屋敷から2人は一緒に旅立って行きます。
ここまでが1話目、ここから2人の旅は続き5話目が最終回。
キスとハグ止まりですが、エドガーとルッカとの結び付きがいいんですよー!獣になる己を恐れるエドガーと彼の傍らで彼を信じて慕うルッカ。
表面上は保護者で主人でありながら、心の底に不安定さを抱えているエドガーと彼の父親とのシーンは作者の実力がしっかり出てました。