雀影
「西洋骨董~」サイドストーリー
「永遠はありますか?」の翌日
「永遠~」が、橘と小野の関係の最山場としたら、
こちらは、千影と小野の関係の最山場
小野が、千影と一緒にマンションの様子を見に帰ってみると、そこにはまだ夕べの男がいて、、、
千景さんの切る啖呵が、静かなだけに迫力あります。
そして、自分には優しくされる価値がないと言う小野に、千影は、、、
みんな、幸せになって欲しい
「西洋骨董洋菓子店」同人誌その7。
前作の「永遠はありますか?」の翌日の話。
小野と千影の関係が、一つの転機を迎える一冊。
タイトルの悪魔のような男とは、誰をさすのだろう?
普通に考えれば、小野なんだけれどね……
人は受けた傷をどうやったら癒やすことができるのだろうか?
今から優しくしても取り返しがつかないのか?と尋ねる千影。
全部が元通りになることはない、
けどきっと無駄じゃないと思ってやる人間があいつには必要、と言う橘。
小野が誰かに殺されたら、俺そいつを絶対ぶっ殺すから!!というエイジ。
昨夜の修羅場から逃げ出したままの小野は、一度部屋を見に戻ると申し出る。
一人で戻らせるのは心配ということで、千影が一緒についていくことになる。
そこで二人は……。
優しくする方法が他に思いつかない、という千影。
なかったことにしてもいいという千影。
この、天使のような男、が小野を癒やすことは出来るのだろうか?
それぞれの幸せは、いずこに?
よしながさんの前書きがなんだか可笑しい。
『千影×小野です。すいません。やってます。夢じゃありません。「永遠はありますか?」の次の日の話です。ごめんなさい。そしてどうもありがとうございました。それではどうぞ。』
どうして何度も謝っているのか(笑)
ここから千影×小野が本格的にメインになってゆく。
読んでいてこのまま小野もちぃで落ち着くのかしら・・・と思ったのだが、なかなかどうしてそうも行かない訳で。
千影を受け入れることが小野にとって本当に幸せなんだろうか、と思わせるエピソードがこの先何度も何度も登場する。
そういう意地悪なところが、よしなが作品の面白くも心苦しい部分でもあるのだが。
ええと・・・内容的には小野のマンションに居座った男を追っ払った後、派手に絡んでくれちゃっている。
心してどうぞ、と言うしかないか(笑)
同じように小野には優しくしたい、幸せになってほしいと思っている橘と千影なのに、やっていることは正反対だ。
小野の底のない寂しさを癒してやれるのは、ただただ力いっぱい彼を抱きしめてやれる千影なのかもしれないが、それでも小野が本当に望んでいるのは橘だったら・・・。
だから人は難しいと思わされる、よしなが作品は。
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