snowblack
「西洋骨董洋菓子店」同人誌その14。
そして、現在発売されている最終巻。
結局のところ、千影が小野の家に引っ越してきて一緒に暮らすことになる。
精力絶倫のわんこみたいな千影との連日Hにお疲れの小野が
エイジに愚痴っていると、そこに橘が口を出す。
「千影はただ単にお前に触りたいだけなんじゃねーかと思う」という橘の言葉が
実感として理解できない小野。
人と人とが寄り添う当たり前の感覚がなく
セックスでしか人と繋がれない小野が、千影の側で安らぎを感じ始め、
いろいろなことに諦めにも似た落ち着きどころが見え始め、
自ら眠る千影を抱き寄せて、そして小野自身も安らかに眠る……
おやすみ小野……
後半は、物欲に忠実な小野(笑)
このなんとも平和でおかしみのあるなエピソードを最後に、
西洋の同人誌は以降発刊されていない。
作者が超売れっ子になってコミケに参加不可能になってしまったということもあるが、
ゆるやかに着地点に降りた感じがする。
全14冊の同人誌、個人的な好きの度合いには実は濃淡があるが、
全部萌×2評価をつけた。
一言申し添えると、本編を含め総体としては勿論「神」作品です。
「靴を磨きなさい。そして、自分を磨きなさい」 by Olga BERLUTI
いくら百戦錬磨の魔性のゲイだと本人は豪語しても、実際は恋愛の「れ」の字も知らない子供じゃないの小野って・・・と思わされたお話。
そしてこんな些細な事までも作品として昇華してしまうところが、なんともよしながふみらしく、ほくそ笑んでしまった。
「そしてかくも平穏な日々」でも小野は恋人と外で食事すらしたことのないというエピソードがあったが、今回も小野の乏しい恋愛経験が露呈されていた。
この人、数だけで中身はスカスカの恋愛をしていた・・・と言うか、身体を繋げることが恋愛だと思っていたんだろうなあ。
いちゃいちゃ触れ合うのは前戯だなんて・・・んなアホな。
それこそ挿入しなきゃセックスじゃないと思い込んでいる節が垣間見え、キミそりゃあ中高生の感覚だよと私は思わずツッコんでしまった(;´∀`)
しかしよくよく考えてみれば、橘にこっぴどく振られたあの時から小野の恋心は止まったままで、そう思うと恋愛に対して幼稚な考えしか持ち合わせていないのも、ちょっとは理解できたりもするんだけれども。
今回ばかりは(不本意ながらも)橘とエイジの意見が合ったようで、好きな人とはただ触れ合っているだけでも幸せなものだという結論を叩きつけられる小野。
その晩、何もしないでただ抱き合っていた小野と千影に、すごいじん・・・としてしまった。
ところで西洋骨董番外編もそろそろ終わりに近づいているのか・・・な?
小野が魔性じゃなくなったらこのお話も終わりかもと思いつつも、幸せなアンティークの面々たちも読んでみたいので、出来ればもう少し続けてほしい!
しかしここ最近、よしながさんの同人活動がストップしているので、少し寂しいところ。
またこちらへ戻って来てくれれば良いんだけども。
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