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長編では緩急織り交ぜて淡々と〆までを
運んでいたこの作者さん、短編集となると
緩急の急の方を前に押し出して小気味良く
物語を進行させています。
受の失恋から恋が始まり癒しと刷り込みが
同時進行する表題作と受が自分の想いを
再確認するその後日譚の他、大学生とその
祖父の元愛人との恋物語・教師と元教え子の
やや不透明な恋物語などを収める一冊。
性描写が濃厚な気味があるにも拘らず生々しさを
余り感じないのは性描写の先にあるものが
確りと描かれているからなのやも知れません。
各短編の細かいCP情報を知りたい方のために。
【眼鏡をかける理由】
自分の大学進学と恋人の就職(上京)のせいで元彼と別れた夏希が次に好きになったのは、元彼の弟・梛(なぎ)。
短い話ながら兄と付き合っていたことを知られたくない夏希と、兄と重ねて見られたくない梛の葛藤が過不足なくきれいにまとまっていて読みやすい作品です。
【花散る里】
大学生の勝と、勝の祖父の愛人だった智浩の再会もの。
7年前にあった一度の誘惑と過ちのせいで不安になる大人と、一途な少年→青年です。
本家に分家、離れに囲われた祖父の愛人という設定ながらどろどろしていなくて、爽やかな読後感でした。
【白妙坂の恋人】
兄の友人の晃一郎と、カメラマンの兄を持つ利貴(りき)。
前半は兄と晃一郎の間柄に何か特別なものを感じながらも、晃一郎への想いに悩む利貴の様子が描かれていますが、後半はあっさりと、がっつりとえろすです。
【ゆく河の流れは】
枯れた高校教師と元教え子。
おやじ受けです。
一途で強引な若さを前にたじろぎ迷うおじさんが、一歩前へ踏み出す話でした。
+αの話で攻めがどれだけ受けを好きか、受けもそんな攻めをいかに好きかが描かれています。
【今の恋の味】
同棲を始めたばかりの優二×涼のところへ転がり込んできた佐海。
優二は友人だと言うが、涼は何か引っかかって…。
という元彼、今彼、三すくみ状態になるかと思いきや、受けの懐が広くて良かったねという話でした。
【ターコイズ・トラップ】
目覚めたらボラボラ島。
バイト先の店長(彼女持ち)に想いを寄せる極貧フリーターの龍也(たつや)が、店長の友人で資産家の霧崎に拉致されるところから始まります。
+αの話も含めて、受けが終始叫んでます。
ツンデレもほどほどじゃないとゲンナリな方にはきついかも。
そんなぎゃあぎゃあ騒ぐだけの受けを大人の余裕と包容力と経済力で包み込む攻めがもったいないなーと思ってしまう作品でした。
どの作品もえろす満載ですが、軽く読める内容ばかりなので、サクッと何か読みたいというときにいいかもしれません。