ルスト
shu no heiwa

2025年11月にベルトゥーンで日本での配信がスタート。Xで海外の方のポストが流れてきたことで、こちらの作品の存在を知りました。スタイリッシュで硬さのある絵柄なのにもかかわらず、ウェットな色気が、説明を抑えた画面から伝わってきました。日本公開が始まり、読み始めてみるとーー韓国のコンテンツは社会問題を描くことにためらいがありませんが、そんな韓国作品にあってもーーかなり社会派だと思わされました。
ある女性の政治家のもとで、手足として働きながら下積み期間を過ごす男が主人公です。彼が中央を離れて、おそらく地盤である地方の土地で再開発のとりまとめをする役を命じられたようです。ここを上首尾に収められれば、とうとう一人前になって表舞台にーーと含まされて、野心を燻らせつつ不本意ながら地方に赴く。地上げに応じない所有者の対応に向かったところで、小さな古い民家がひしめき合う区域でもうひとりの主人公に出会う。様々な意味において対極にありそうな2人が、しかし一点、おそらく通じるものがあるのか、中央から来た男には何も自覚する間もないうちに引力が働き始める。
緊張感があり、読み手として引き込まれる作品だと思いました。この先も期待して楽しみに読みます。