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kyoka shite yaru kara

うわわわ……表紙を開けた瞬間ビックリ!
口絵カラーのエロさよ……不意打ちの官能シーンに思わず時が止まりました。
絵の美麗さと局部のモザイクが、ああ……あんなにもあられもなく…(//∇//)\(//∇//)\
このチャレンジングな構図と作画をした石田先生を始め、この口絵にGOサインを出したショコラ文庫本さん、ナイスな決定です(笑)
おそろしいほどの色気と画面映えの圧がすごいイラストは観賞用としては100点満点。家人の気配がないところでこっそり楽しむしかないのがちょっと残念ですが、主人公2人のラブなワンシーンに脳みそが歓喜の雄叫びを上げました。
そんな始まりだったからか、エロ先行型の内容かなと思っていたら全然でした。もちろんエロの部分もしっかりとありますが、どちらかというと内容で魅せる作品だと思います。
一途な執着愛を見せる七星の想いが切なく響くストーリーは、彼が俳優として演技力を向上していく成長の物語でもありまして、俳優とマネージャーの関係性から親密になっていく距離感を楽しむだけのストーリーではありません。
誰かを愛することとは何か……ただやみくもに自分の好意を押し付けるだけが愛じゃない。そんなメッセージがこの作品の核になっており、七星が男としても大きな急成長を遂げていくところが大きな見どころとなっています。
系統が違う他事務所への移籍、想い人をマネージャーに付けてもらう。執着攻めワンコの頑張りが健気でつい応援したくなるほどでした。
真周視点で動くストーリーというよりも、どちらかというと七星メインでしょうか。想い人である真周があまりにも父親代わりの遠藤に入れ込んでいるもんだから、嫉妬したり迫ったり、焦ったり、落ち込んだりと感情の動きが非常に忙しないです。
ただ、真周を好きで追いかけてきたガッツは認めるけど、演技も人を愛する気持ちも中途半端なところは少々頂けないですね。確かに真周が遠藤を慕いすぎるのは若干モヤッとするところではありますが、真周の過去を知ればその理由も納得だし、真周が好きならそこの部分は否定しちゃいけないトコ。
でもまぁ、未熟さも含めて七星の良さでもありますので、そんな彼が真周のために未熟さから脱していく様を最後まで見届けて欲しいなと思います。
七星に惹かれているのに、自分の気持ちを誤魔化し続ける不器用な真周の想いの変化にもぜひ注目です。
2人を取り囲む脇キャラの面々は個性的でアクが強く、時に厳しい言葉をブン投げてくるけど、2人を適正な場所へと導く指南役です。
周囲に揉まれながら、想いを交わし合っていく彼らの恋愛模様をたっぷりと堪能できて幸せな読後感でした^ ^
先日発売の『小説 Chara-キャラ- Vol.53』で初めて拝読した、
千地イチ先生。
(「担当編集にテレパシーが通じない!」、笑いあり涙ありで
とても印象深かったです☺︎)
まず、リアル書店で購入予定の方、
口絵がとても…官能的ですので(モザイクかかってます)
カバーをかけていただくかどうかはご一考・ご注意を…!
石田惠美先生による濡れ感たっっっぷりの口絵、
強気硬派受けの内面が伝わってくるような表紙に各イラスト、
ただただ麗しく眼福でした。
そしてなんとこちら、先生6年ぶりの文庫本とのことです✨
『許可してやるから』、硬派な受けの上から目線のタイトルが良い!
本編終盤でのタイトル回収も見事でした◎
(本編のセリフは、タイトルとはちょっと違う言い回し)
強面の実力派集団「栄座芸能」で、代表兼俳優である
”親分”こと遠藤(70代)のマネージャーを長く務めてきた真周(ましゅう・受)。
ところが突然、遠藤から”担当を外す”と通達され、
大手事務所から自ら望んで移籍してきた
”顔だけ”若手人気俳優・七星(ななせ)のマネージャーとなることに。
すると七星のマネージャーとしての出勤初日、
渋々共に食事に出かけた先で「ぜひ、交際を申し込みたい」と
熱烈な告白をされー
と始まる、一途健気年下俳優×硬派ヤクザ系ほだされマネージャーの
現代もの。
まず!個人的にグッときたのが、二人の体格差がほぼないこと。
攻め受け共に身長180センチ超えです。
攻めの方が少しだけ高く、”数センチ上から見下ろされ…”という一文に
ドキドキ、萌えてしまいました。
で、なんでわざわざ大手事務所を退所してまで
真周を追っかけてきたの?その執着は?
とグイグイ一途なアプローチに「??」が浮かんだところで切り替わる、
両視点の良さ。
なんと”再会もの”だったのですね。
(今は180超えの七星が、昔は20センチ以上も身長の低い
ちっちゃな子だった、という事実に萌え)
真周だけを健気に追い求め、追いかけてきた
七星の裏側・背景が理解できることで、
俄然彼を応援したくなる…!
ここで感慨深いのが、七星が昔真周に救われた結果
真周に想いを寄せているのと同様、
真周も過去、”親父”こと遠藤に救われた経験を持つことから
感謝の念にとどまらず、崇拝に近い感情を遠藤に持っている、ということ。
(真周→遠藤に対する気持ちは”恋”ではありません)
(ここで明らかにされる真周の過去、虐待が絡んでいて痛々しいです...)
恋愛感情かそうでないか、という違いはあれど、
互いに”自分を救ってくれた人”に強い思いを寄せているー
そして真周が常に遠藤を優先させることが、
「自分を見てほしい」「振り向いてほしい」と願う七星を苦しめることになる。
攻めの嫉妬ターン、ああ辛いよね…と思いつつ、
萌えてしまうカタルシスがあります。
特に印象的だったのが、序盤、遠藤が怪我をしたーという連絡を受け、
真周がすぐさま駆けつけようとしたシーンです。
真周を呼び止め、まだ撮影中の自分を残して遠藤を優先するのかー
と縋るような目をする七星…切ない…
真周を振り向かせるのは、なかなかに至難の業…と思わされるのですが、
ここでいきなり”再会”であることを明かしー
というアプローチにはならないところが、またグッとくるところ。
”顔だけ俳優”であることを七星本人が自覚・痛感し、
演技派俳優として認められるよう、
堂々と真周にアプローチできるよう、懸命に努力する姿が描かれています。
もちろんスムーズに実力アップ!とはいかず、
そこには様々な葛藤がありつつも。
マネージャーという、一番近い立場で七星を見つめる真周には
彼の懸命な頑張りが、ちゃんと伝わっていくのですね。
頑張っているのは決して七星だけではなく、
真周も同じーというところも胸熱。
何も言わず涼しい顔をしているけれど、七星のために必死に営業して
役をもぎ取ってくる真周もまた、熱くて一本気で格好いい。
で!
そんな攻めの頑張りという土台があっての、
”再会””追っかけ愛”であることが明かされるシーン…!
好きすぎて何度も読み返してしまう。。
こんなのもう、意地っ張りな真周だって「愛おしい」と認めざるを得ないよね。
特に「攻めの涙」に弱い方にとって(自分)、
ハートに刺さるシーンだと思います
「ひとりで頑張ってたんだな。…今までずっと」
と真周に声をかけられ、涙ながらに言葉を返す七星の姿が刺さりました。
登場の際こそ余裕ありげで飄々として見えた七星だけれど、
彼の本質は、一途健気で不器用なこの姿なんだなあ...
健気な年下くんの想いに、読んでる私が陥落です。
俳優・七星の成長と共に、その愛と想いを受け止める真周の方もまた、
徐々に柔らかく変化していく様に心打たれました。
七星を焦らせ、頑張りの起爆剤となる
重要な脇キャラ・丁嵐エナの独特な存在感も面白かったです。
歯に衣着せぬ物言いや、ええ!?とびっくりのあの人との関係などなど、
最後までピリリと辛かった( ̄▽ ̄)
男前でカッコいい俳優攻めの、カッコ悪くて一途なあがき。
その涙に一気にハートを掴まれる、”頑張る大人の青春”物語、
全263ページ(※あとがき含まず)駆け抜けました。
受けが命令口調でリードしつつ、気持ち良さに翻弄され蕩ける
濡れ場も読み応えたっぷりでした✧