嫌われ吸血鬼は契約結婚で愛を知る

Kiraware kyūketsuki wa keiyaku kekkon de ai o shiru

嫌われ吸血鬼は契約結婚で愛を知る
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%
著者
村崎樹 

作家さんの新作発表
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イラスト
尾村麦 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンスノベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784344856455

あらすじ

グランディバ王国の片田舎で司書を務めるシリル・ウィンストンは、先天性異能代替疾患――驚異的な能力と引き換えに味覚を失い、吸血鬼のような白い肌と赤い瞳、銀色の髪へ姿形が変化する疾患を抱えている。「フォーク」とも呼ばれる彼らが味覚を感じられるのは「ケーキ」と呼ばれる人間の体液だけだが、この病が原因で周囲の人や家族に恐れられてきたシリルはそれを求めることもなく、愛する本に囲まれたこの土地で静かに暮らしていた。 そんなシリルに、突如結婚話が舞い込んだ。相手はなんと、好色家と噂の第三王子・エヴァン。内通者の存在を疑う王立図書館を調べるため、シリルが司書として働けるよう自分の婚約者になってほしいと頼まれる。表面だけの結婚と全てを快諾したシリルだが、「安全なフォークだと証明する」ため、エヴァンとのキスが結婚の契約に追加されてしまい……!?

レビュー投稿数1

凍りついた心も、凝り固まった思考も溶かす攻めの一途愛。王族・貴族ケーキバースファンタジー

村崎樹先生の新刊は、ケーキ×フォークのケーキバースファンタジー。

”放蕩息子で好色家”と噂の第3王子が、実は…?という、
再会×一途愛の物語でもあり、「攻めの片想い」大好きな自分に刺さるお話でした。

グランディバ王国の片田舎で司書を務めるシリル(受)。
彼は周囲から「吸血鬼」と恐れられるケーキー
驚異的な能力(シリルの場合は記憶力)と引き換えに、
味覚を失った美しい青年です。

愛する本に囲まれて静かに暮らしていたシリルですが、
突如王国第3王子・エヴァン(攻)からの結婚話が舞い込みます。
呼び出された早急で待っていたのは、旅する行商人だと思っていた
見知った顔。

フォークの研究に関わる隣国との内通者を炙り出すため、
契約結婚に協力して欲しいー
というエヴァンからの申し出に、シリルは…

と続きます。


政略結婚という体をとりながら、エヴァンのシリルに対する態度は
最初から甘やか。
「あー実はシリルのこと大好きなのね( ̄∀ ̄)」と伝わってくるのが
くすぐったくも心地よく、いつ想いが通じるのかな...とワクワクしながら
読み進めました。

夫夫になったのだから…と自分からプチプチボタンを外して
服を脱ぎ、性交渉の準備をしようとするシリルを慌てて止めたり。
見つめ合って甘やかなキスの後、首元や頬を赤らめていたり。

10年来の片想い相手をようやく手に入れ、普段はスマートなエヴァンが
わたわた、わたわた。

男前でありながら、どうも恋愛ごとに関しては天然なところもある
シリルにいまいち”伝わってない"焦ったさ、もだもだ恋の様子も
微笑ましく、楽しい(*´艸`)

ケーキとフォークが体液交換を行い、
ケーキがフォークの”贄(にえ)”となると
ケーキの目の色が変化し、見た目にも「特別な関係」であることが
分かるようになるー

という設定も、なんとも官能的でロマンティック。

エヴァンの美しい青い瞳が、シリルと交わることで変化する描写が美しくて、
文字を追いながら脳内で想像、身悶えしました。

王立図書館で働く中で、徐々に変わってゆく
シリルの内面、意識の変化も見どころの一つでした。

能力を知っても「フォークだから」と蔑まれることなく、
認められ頼りにされる喜び。
新たな目標を見つけ、向上心を持って生き生きと仕事に取り組むシリルの姿が
頼もしかったです。

お仕事も、結婚から始まった恋の行方も順調に進み…という中で起こる、
図書館の持ち出し禁止書物の持ち出しと、濡れ衣事件。
また、フォーク研究に水を差す隣国との間諜の炙り出しが、
甘やかな物語の中にもピリッと辛く、締まる部分を演出してくれていました。

意外なあの人が犯人で、しかもその裏には悲しい事件が関わっておりー
と、悪役ながら100%憎みきれない犯人だったところが切ない( ; ; )

方向性は間違ってるけれど、そしてシリルを陥れようとしたことは
やはり許せないけれど、彼には彼なりの正義、
譲れない思いがあったことも理解できました。

厄介払いするために、自分は田舎の図書館へ追いやられたのだー
という誤解も見事に解け、不器用ながら父も兄もシリルの身を案じ、
愛していたのだと分かり、家族の和解へと繋がる光が見えたのも良かった。

王立図書館でシリルを囲む同僚たち、
特にツンデレのアドルフのキャラが好きです。
当て馬になるのか!?と当初ドキドキもしたけれど、そんなことはなく(笑)。

ガツンとパンチのあるお話ではないけれど、
甘やかで優しい攻めの一途愛に酔いしれる。
そんな光あるケーキバースファンタジーでした☺︎✨

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