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Kiraware kyūketsuki wa keiyaku kekkon de ai o shiru

村崎樹先生の新刊は、ケーキ×フォークのケーキバースファンタジー。
”放蕩息子で好色家”と噂の第3王子が、実は…?という、
再会×一途愛の物語でもあり、「攻めの片想い」大好きな自分に刺さるお話でした。
グランディバ王国の片田舎で司書を務めるシリル(受)。
彼は周囲から「吸血鬼」と恐れられるケーキー
驚異的な能力(シリルの場合は記憶力)と引き換えに、
味覚を失った美しい青年です。
愛する本に囲まれて静かに暮らしていたシリルですが、
突如王国第3王子・エヴァン(攻)からの結婚話が舞い込みます。
呼び出された早急で待っていたのは、旅する行商人だと思っていた
見知った顔。
フォークの研究に関わる隣国との内通者を炙り出すため、
契約結婚に協力して欲しいー
というエヴァンからの申し出に、シリルは…
と続きます。
政略結婚という体をとりながら、エヴァンのシリルに対する態度は
最初から甘やか。
「あー実はシリルのこと大好きなのね( ̄∀ ̄)」と伝わってくるのが
くすぐったくも心地よく、いつ想いが通じるのかな...とワクワクしながら
読み進めました。
夫夫になったのだから…と自分からプチプチボタンを外して
服を脱ぎ、性交渉の準備をしようとするシリルを慌てて止めたり。
見つめ合って甘やかなキスの後、首元や頬を赤らめていたり。
10年来の片想い相手をようやく手に入れ、普段はスマートなエヴァンが
わたわた、わたわた。
男前でありながら、どうも恋愛ごとに関しては天然なところもある
シリルにいまいち”伝わってない"焦ったさ、もだもだ恋の様子も
微笑ましく、楽しい(*´艸`)
ケーキとフォークが体液交換を行い、
ケーキがフォークの”贄(にえ)”となると
ケーキの目の色が変化し、見た目にも「特別な関係」であることが
分かるようになるー
という設定も、なんとも官能的でロマンティック。
エヴァンの美しい青い瞳が、シリルと交わることで変化する描写が美しくて、
文字を追いながら脳内で想像、身悶えしました。
王立図書館で働く中で、徐々に変わってゆく
シリルの内面、意識の変化も見どころの一つでした。
能力を知っても「フォークだから」と蔑まれることなく、
認められ頼りにされる喜び。
新たな目標を見つけ、向上心を持って生き生きと仕事に取り組むシリルの姿が
頼もしかったです。
お仕事も、結婚から始まった恋の行方も順調に進み…という中で起こる、
図書館の持ち出し禁止書物の持ち出しと、濡れ衣事件。
また、フォーク研究に水を差す隣国との間諜の炙り出しが、
甘やかな物語の中にもピリッと辛く、締まる部分を演出してくれていました。
意外なあの人が犯人で、しかもその裏には悲しい事件が関わっておりー
と、悪役ながら100%憎みきれない犯人だったところが切ない( ; ; )
方向性は間違ってるけれど、そしてシリルを陥れようとしたことは
やはり許せないけれど、彼には彼なりの正義、
譲れない思いがあったことも理解できました。
厄介払いするために、自分は田舎の図書館へ追いやられたのだー
という誤解も見事に解け、不器用ながら父も兄もシリルの身を案じ、
愛していたのだと分かり、家族の和解へと繋がる光が見えたのも良かった。
王立図書館でシリルを囲む同僚たち、
特にツンデレのアドルフのキャラが好きです。
当て馬になるのか!?と当初ドキドキもしたけれど、そんなことはなく(笑)。
ガツンとパンチのあるお話ではないけれど、
甘やかで優しい攻めの一途愛に酔いしれる。
そんな光あるケーキバースファンタジーでした☺︎✨