エルフの肉はそんなに美味いもんじゃない

elf no niku ha sonnani umai monja nai

エルフの肉はそんなに美味いもんじゃない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

252

レビュー数
4
得点
36
評価数
8
平均
4.5 / 5
神率
75%
著者
寺崎昴 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
凩はとば 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
ISBN
9784576250946

あらすじ

シグルドが捕えたのはエルフらしからぬムチムチボディのスヴェイン。不死の肉として献上される彼の純真さと素直さに次第に情が移り…

表題作エルフの肉はそんなに美味いもんじゃない

28歳、サン・フレド王国唯一のSランク冒険者
161歳、「ハズレエルフ」と呼ばれるエルフ、薬師

その他の収録作品

  • 誓い

レビュー投稿数4

ムチムチエルフ!

語呂が良すぎて発売前からずっと気になっていた
"ムチムチエルフ"!
エルフは中性的で細っこい美形のイメージだったので、身体がムチムチだけど小さい子なんだろうな~と思っていましたら!
めっちゃデカかった笑!
Sランクの冒険者よりも太い腕!
でも顔と性格が超かわいいの…
読みながらスヴェインを頭で描いていて
時おり起こるバグ笑
いやいや、スヴェインはデカいんだぞ、と。

妹のためにスヴェインを攫って王に突き出すつもりのシグルドの葛藤と、
ハズレと呼ばれて何に対しても諦めの感情を持つようになってしまったスヴェインの悲しい笑いに
胸が苦しくなりつつも、
思わず「キャッ♡」となるふたりの絡みが
楽しくてスイスイ読めました。

エルフの肉はそんなに美味しくはないらしいですが、このお話は大変美味しかったです♡

0

100歳超えのおぼこさ

エルフの肉はそんなに美味いもんじゃないとはいったいどんなお話なんだ…?と、あまり見かけないタイトルに吸い寄せられ手に取りました。
読んでみた結果、なるほどそういうことかと。
こればかりは読んでみないとわからないところではありますが、タイトルの切り取りがうまいなあ。

とある事情から、エルフを狩って国王に献上するためにエルフが隠れ棲まう森へとやってきた冒険者のシグルドと、痩身美形が多いエルフの中ではかなり浮いた存在である、筋骨隆々豊満ボディを持ったエルフのスヴェイン。
彼らが王都へと向かうまでの旅を描いたお話です。
両視点で描かれているので、2人がその時なにをどう思っているのかが読み手には丸見えなのがうれしいですね。

こちらの作品のポイントは、なんといってもエルフのスヴェインの存在でしょう。
筋肉質でムチッとしたわがままボディを持つ、強そうな肉体美とは裏腹にどこかぽやぽやしていてかわいらしいきれいなエルフのお兄さん。
彼の設定がツボにハマればきっと楽しめるのではないでしょうか。
彼があまりにも素直で純粋かつ穏やかな性格なので、見た目はムチムチ!中身は100歳超えの幼女!なんてワードが読中に終始脳内でぐるぐる飛びまわっていました。

これから向かう王都で殺され、調理されてしまうかもしれないというのに、こんなにも素朴で愛らしい姿を見せられてしまったらもう…
旅の終わりが近付くと共に、彼を国王へと引き渡さなければいけないシグルドの心中も複雑に変化していくのも仕方がないことでしょう。
それくらい受けのスヴェインは魅力的でした。
攻めよりも大きい受けっていいなあ。
(アレも攻めより大きかったのが個人的にはうれしいポイントでした)

と、旅の道中は楽しんで読めたのですが、強く萌えたのか?と考えるとそうではなかったかもしれないなとこちらの評価になりました。
というのも、攻めのシグルドのキャラクターと、後半部分にかけての展開があまり刺さらなかったのです。
スヴェインのキャラクターを活かすには良い展開なのだろうとも思いつつ、いまいちすっきりしないのはなぜなのか…?
シグルドが次第にスヴェインに惹かれていくのはとてもよくわかるのだけれど、彼の妹と恋人を見れば見るほど、そもそもの行動は不必要だったのでは?と思ったり、シグルドが突然振り切った行動をする度に芯がなくブレた印象を持ちました。
受けのキャラクター設定は良かったものの、ストーリーにはなんだか乗り切れないまま読み終えてしまいました。

0

もうハズレなんて言わせない、心優しきエルフが幸せになるまでの軌跡を追った感動作

寺崎昴先生のエルフモチーフ作品は2作目ですが、こちらは意外性のある設定がパンチあって、すんごく面白かったです!
あっちはチートエルフで、こっちはハズレエルフ。真逆のエルフ像の振り幅には驚きましたが、よくある話になっていない斬新な着眼点が素晴らしい逸品作でした。

普通のエルフとは違う"ハズレエルフ"のスヴェインのキャラがとにかく秀逸。不憫属性じゃないけど、不憫に見えてしまう優しすぎるスヴェインに肩入れせずには読めないストーリーです。
ハズレとは言うけど、あくまでもエルフコミュニティの中だけの話であって、どこがハズレだよとモブエルフたちに一喝したい気分になることこの上なし。ちょっとだけ筋肉質で太りやすくて、ムチッとしてはいるけど美形だし、何より思いやりの心が深いスヴェインに対して失礼極まりありません。
その優しさ故に、国王に献上されてしまうことになったスヴェインと、スヴェインを王都に連れて行くことになった勇者のシグルドとの愛と絆と冒険の旅がこれまた楽しくて、ページをめくる手が止まりませんでした!( ´∀`)

エルフの肉は不老不死だとされる迷信を信じ、勇者にエルフを連れてこいと命令する国王はホントバカ。分かりましたと命を受けるシグルドもどうかと思うけど、彼には彼なりの事情があって、スヴェインの献上は避けられないミッションです。
相棒のように旅をする2人は次第に親交を深め合っていくものの、王都へのゴールはスヴェインとの別れであり、それは即ち彼の死を意味することが非常にやりきれませんでした。

スヴェインを目的遂行のための手段としてしか見ていなかったシグルドの心境に変化が出てくると、この旅がどんどん悲痛なものになっていくのは明白です。スヴェインの優さに触れ、次第に好意を寄せていくシグルドの心の葛藤がこの旅の方向性を大きく左右していくと、いよいよ2人の惹かれ合う恋心から目が離せなくなっていきます。
死を覚悟しているスヴェインの気持ちも切ないけど、好きな人を献上しなければいけないシグルドの気持ちも切ない。
切なさと悲しみの連鎖に心が重苦しくなっていく彼らの恋心はどうなっていくのでしょうか。……スヴェインの命は?シグルドはそのときどう行動するのか?
気になりが深くなって仕方ありませんでした。

終盤近くに訪れるあっと驚く大どんでん返しの結末と、大円団の幸福感はマジでマジで最高でした……!!
物騒なタイトルを見た時はどうなることかと思いましたが、今となってはその物々しい感じも面白く見えてくるネーミングセンスもGOOD。タイトルからは予想できないストーリーの神秘さも相まって、良いアクセントになっています。
実際、エルフの肉の味はというと……さてどうでしょうか?^ ^
その答えは、ちゃんと作中にあるのでぜひ答え合わせをしてみて下さいね。

100歳以上も離れた年下攻めと、ガチムチ受けが織りなすファタジタックアドベンチャーBLの世界へ飛び込んでみませんか?
ハズレエルフと呼ばれる心優しいエルフが愛する人と出会い、最高の幸せを掴み取るまでの物語をぜひとも味わって欲しいなと思います。

3

逆体格差のインパクト!身長2メートル、ガチムチ雄っぱい”ハズレエルフ”受け

寺崎昴先生の新刊は、ガタイのいいガチムチ筋肉エルフ受けが登場する、
逆体格差×敵対関係(冒険者とエルフ)ファンタジー。
なんとtnkも受けの方が長い、という描写に思わずニヤリ(。-∀-)و✧

※こちら一点注意!なのですが、一部カニバリズム(的)行為の描写があります
(人とエルフなので人間同士ではない)
苦手な方はご注意ください;
(自分は一応大丈夫ではありますが、結構ビックリしました)

…で、今読み終えた直後なのですが
正直なところかなり評価に迷い...「萌」としました;
”萌えたかどうか”(キャラ萌え、ストーリー萌え)という点では
自分の好みとはガッチリマッチはせず、「2.5」かな、、?

逆体格差も(割と)好き、受けのスヴェインの可愛らしさにも
好感が持てるのですが、攻め・シグルドのことがどうも
初登場時から好きになれず共感もしづらく、
そのままラストまで走り抜けてしまいました;

やっぱりBLはカッコいい攻めにドキドキしたいし、痺れたい...
凩はとば先生のイラストも美麗で男前のお顔なんですが、
考え方や態度にいまいち共感できなかった、、というのが正直なところです;

また特に終盤のストーリー展開についても
ちょっとツッコミどころが、、「ええ!?」と思わず声が出てしまった。。


以下、簡単なあらすじと内容についてのレビューを。

「エルフの肉を喰らえば不老不死になれる」と信じる王の命令により、
エルフを生け捕りにするためエルフの森に現れた冒険者・シグルド(攻め)。

そこで、体質のせいでエルフにあるまじき大柄で筋肉質な体を持ち、
”ハズレエルフ”と揶揄されているスヴェインを捕らえて従属させます。

スヴェインを王都へ連れ帰る旅に出るも、
その過程で彼の純真で健気な内面に触れ、心揺らぐシグルド。
果たして彼は王命どおりスヴェインを引き渡してしまうのかー

という、人間×エルフのファンタジーです。


国唯一のSランク冒険者であり、自信家の攻め・シグルド。
実は王命に従いエルフを捕らえようとするのには理由があり、
”妹思いの兄”の一面も覗かせます。

この”ワケあり”のエルフ探しに同情できれば
萌え度ももう少し高まったのかもしれないのですが。
シグルドが一番最初に捕らえて王都へ連れて行こうとしたのが、
子どもエルフなんですよね...

王都でどんな目に遭うことになるか想像はつくのに、
いくら妹のためとはいえ、怖がり嫌がる子どもを連れて行こうとするところが、
なんだかちょっと、、うわー...と思って引いてしまったところでした;
(もちろんシグルド自身の中にも迷いはあるのですが)

逆に、そんな場面に遭遇し力では敵わないと分かっても
震えながら弓を射て子供を救おうとするスヴェイン、
こちらはカッコ良かった...!✨

自分が身代わりになる、と自ら従属の首輪を嵌めて
王都へと赴くことを決めたスヴェイン。

王都へ向かう道中で見せる”研究者気質(スヴェインは薬師)”で
好奇心旺盛なところ、素直で純朴で、
大柄な体を恥ずかしそうに隠そうとしたりする仕草なんかも
可愛くて愛おしいです(*´◒`*)
(で、身長約2メートル・筋肉ムキムキ!というギャップ)

文句を言ったり、逆らう素振りも見せず
健気に一緒についてくる姿を見たら、
シグルドもそりゃあ情が湧いてきくるというもの。

一方のスヴェインも、今まで”醜くエルフらしくない”と評され
コンプレックスだらけだった体や顔を、エルフ族のものとは違う
新しい尺度で認め褒め称えてくれるシグルドにぐいぐい惹かれてゆき...

ハプニング的なきっかけで、思いがけず
シグルドに自慰を教えてもらうことになったスヴェイン。
年齢は161歳(!)だけどウブウブすぎるその姿、
大きな体でもじもじ恥ずかしがる様子が可愛らしかったです。
庇護欲そそられる...

そんなこんなで、「絆され合い/愛」の関係になってゆく二人。

で!クライマックス、王都に着いてから
王に献上される予定のスヴェインはどうなっちゃうのか、という問題。

...ここが...このシーンの、シグルドの心変わりの早さに
ちょっと付いていけなかった。。ところでした;

いや、妹と婚約者の様子を見てそんなふうに思えるなら、
もっと最初に、王命を受けて旅に出る前から思いついておいてよ...!的な。。
(以下↓具体的なネタバレとなりますので未読の方はご注意ください)





妹の(結婚の)ために爵位を取る必要はない、
ガルデン(妹の婚約者)が妹と同じ立場に堕ちてくればいいー

ちょっと、この考えにも共感&納得できず
「えーー...」と声が出てしまった。。
なんというかこう、策を考え出すタイミングやらその内容やらに
いちいち引っ掛かりを覚えてしまう。

その後の王宮での衝撃的な”不老不死”が嘘であることの証明、
エルフ族との関係の変化、二人の結婚へー

と続く大団円の道のりもやや展開の早さを感じ、乗り切れないまま
ハピエンを迎えてしまったかな;

二人の寿命の違い、という切ない設定も
個人的にはもう少し深堀りして見せてほしかったな、とも。
(欲張りですみません;)

500年、600年以上生きるエルフにとって、
スヴェイン亡き後の人生(エルフ生)って
とてつもなく長いじゃないですか...

スヴェインを偲びながら健気に生きていったのだろうな、
と想像し(それが窺える文がラストにあったので)、
切ない気持ちで一人きゅん...とした最後でした。

3

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