海に沈んだ都市を舞台に紡ぐ、 “痛くて切ない”初期傑作が復刻!!

蒼い海に秘めた恋

aoi umi ni himeta koi

蒼い海に秘めた恋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
20
評価数
5
平均
4 / 5
神率
40%
著者
六青みつみ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
蒼い海に秘めた恋
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011740

あらすじ

大洪水により地表の九割が海水に覆われ、『水腐病(すいふびょう)』という不治の病が蔓延する世界――その抗体を持つ唯一の存在として、生体実験を受けてきたショア。ある日、決死の思いで逃げ出し訪ねたのは、海底都市に住む憧れの採掘師・グレイだ。身元不明のショアを優しく迎え入れてくれたけれど、研究所の出身だと知った途端、態度が急変!! 「嘘つきの卑怯者は出ていけ」と冷たく突き放されてしまい!?

表題作蒼い海に秘めた恋

29歳、有名な採掘師
21歳、特効薬開発の被検体

同時収録作品蒼い海に秘めた恋

35歳、アストラン研究所開発室長、ショアの養父
特効薬開発の被検体

その他の収録作品

  • 碧い空に満ちる愛
  • 仔猫を飼う

レビュー投稿数3

読めば読むほどツラく、知れば知るほど涙が止まらない

あああ……六青むつみ先生の健気不憫受けの破壊力よ。胸がしめつけられる思いで読み続けました。

2005年発刊の方は未読です。およそ20年ぶりの新装版では、挿し絵がサマミヤアカザ先生になったのと、書き下ろしの短編が追加収録となってカムバック。
本編があまりにも切なすぎたこともあり、この短編があってこその新装版です。2人のその後を書いて下さった作者さんからの贈り物に拍手でした!

本編の内容は先にちょっとだけ触れたように、主人公・ショアの生い立ちや境遇、そして現在を生きるその過程においても不憫街道まっしぐらとしか言えません……!。゚(゚´Д`゚)゚。
なんなんスか……なんなんスか、この仕打ちはぁぁぁ……
中盤辺りなんてね、読むに耐えないのですよ。
養父の仕掛けた罠にハマり、唯一の心の拠り所であるグレイから冷たい仕打ちを受ける始末。養父のやり口にも当然怒りですが、グレイ…あんたは一番寄り添う側の人間なのに、何やっちゃってくれてんのかと。グレイがまさかこんな風にショアを追い詰めるとは思わなかったです。
ショアを愛するがあまり嫉妬心が抑えきれなくなって、また、ショアが大事なことを打ち明けてくれない苛立ちから、ショアを見限るような…更には追い詰めるような行動に出るグレイに腹が立ちました!!( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

こう言っちゃなんですが、すごく器がちっせぇんです。
ショアと養父の過去を知り、怒りたい気持ちは理解できますが、"違う"というショアの言葉を疑い、罵り、挙げ句の果てには仕事の配置転換で隅に追いやり、当てつけのように同僚と交際し始めたのをショアに見せつけやがる。はぁ?(怒)でした。
29歳の男がやる行動にしては、幼稚すぎて空いた口が塞がりません。怒りの気持ちがあっても、好きな人にやる行動じゃない。
ショアの過去を詳しく知らないぶん、"違う"の弁明が出来ない事情を知らないぶん、非常に心無いいじめに見えてしまって、私の中でのグレイ評価が著しく低下していきました……。

言わないんじゃない、言えないんだよ。
傷ついてツラいのはグレイだけじゃない、本当のことを言いたくても言えず、グレイに信じてもらえないショアの方が何倍もツラいんだよ。
グレイの行動1つ1つが、セリフの1つ1つが刃のように突き刺さっていくのを見届けるのがツラくて何度読む手が止まったか。
ショアの気持ちを思うと泣けてくるし、すれ違う2人の想いは深海の海底を彷徨うがごとくでした。

そんなグレイには、己がした行動を後悔するときがやってくる攻めザマァ展開で、思いっきり懺悔してもらいましょう。
全てを知ったグレイにいい気味だと思う気持ちが半分、ショアの覚悟に心が痛むのが半分……どちらにしても楽しい展開ではありませんが、グレイがショアの真相を知っていくシーンは一番の見せ場であり、一番の泣きスポットです。
こんなグレイでも、ショアを救えるのは彼だけであるのも事実。ショアを救うべく奮闘する彼の姿に希望を見出しながら、あるべき場所へと2人の気持ちが落ち着くそのときを見守りました。


悪役だと思っていた養父の彼なりのショアへの思いにはちょっとグッときました。だからと言って、彼がショアを傷付けたことは許されませんが。
色々とやり散らかしたグレイも、番外編ではすっかりショアに甘々なオニーサンと化してますし(笑)、色んな感情が渦巻くそんなストーリーでした。
彼らの未来が永遠に幸せであることの余韻にたっぷりと浸ることができて大満足です。

4

不憫受けの不憫さが痛い...泡となりかけた人魚姫

旧版未読、六青みつみ先生、初読みでした。

どうしても”痛い”んだろうな、、という先入観があり
ちょっと怯えながら手に取りましたが、
良い意味で覚悟していたほどの衝撃はなく、ほっ。。

(といっても受け・ショアの育った環境は不遇すぎるし、
養父エルリンクの所業はとても許せるものではない...!)

※攻めとの絡み以外に、研究所の養父との濡れ場シーンが
あります。苦手な方、ご注意ください。


不憫×痛い×シリアス、かつ夜明け…といった要素が
お好きな方には、特に刺さるお話ではないかと思います。

自分自身も夜明けの物語は大好きなのですが、
不憫健気受けのショア、攻めのグレイ共に
「刺さる…!」というほどではなかったかな、、?

不憫でも男前、強気な受けが特に好きな自分の好みとは、
ちょっと違うタイプの受け君でした。

大洪水により地表の9割が海水に覆われ、
地上には研究所と一部の特権階級のみが暮らす世界。

残りの大部分の人々は海底都市で暮らしているも、
不治の病の蔓延で女性の数が激減、
ほぼ男性ばかりの社会になっているー

というのが、ざっくりした世界観でしょうか。

そんな中、病により住人が全滅した島で
唯一生き残った6歳の少年・ショア(受け)。

その体は病への抗体を持つ唯一の存在として
地上の研究所へと連れて行かれ、15年もの間
抗体作りのための人体事件を繰り返され、幽閉されて育ちます。

そんな彼がとあるきっかけで研究所を出ることとなり、
逃げて向かった先は憧れの採掘師・グレイ(攻め)のもとでー

という出会いから始まる、海底都市物語です。


憧れの人物に初めて会い、心を交わし
恋人となりー

とショアにとっての束の間の幸せを得るのですが、
ここからが怒涛の不幸不憫展開ーーー...!
(グレイは完全に絆され攻めだけど、その心がショアに惹かれていく
過程、個人的にはもうちょっとじっくり読みたかったです)

秘密漏洩のためのチップを無理やり頭に埋め込まれたせいで
真実が話せず、グレイと決別。

そのチップにも実は秘密があり、
じわじわとショアの命と体を追い詰めていくわ、
縁を切れたと思っていたエルリンクが執念で追いかけてくるわ、
汚染地域へのプロジェクトにたった一人で赴くことになるわ...

特に、グレイとのすれ違いが長く続く状況が
読んでいてつらく、心抉られる部分でした。

あとねー…当て馬・キースが可哀想で。。

ショアに大きな大きな借りができたことは確かだけど、
それでも「今夜だけはお前がグレイに抱かれてもいい」って、
なかなか言えないと思う。

主役のショアよりも、当て馬キースの方に
自分好みの「男気・漢気」を見出してしまい、
そっちに萌えた一幕でした。

たった一人で汚染された海底での”ミッション・インポッシブル”を
こなすも、海底洞窟に閉じ込められてしまったショア。

そこにどうやってグレイが駆けつけ、救い出すのかー

というのを、ミステリー好きな自分は楽しみにしていたのですが...
あっ、そこは語られず、なんだ..とちょっとガクッとしたところも;

描き下ろしの”仔猫を飼う”で、
やっとやっと二人の平穏な日常、蜜月っぷりを見ることができ、
そこが一番萌えたところでした。
(評議会?からとんでもない内容の電話が
グレイにかかってきたりしていましたが;)

海底都市の細部に至るまでの描写(乗り物なども)、
考え抜かれ作り込まれた世界観に圧倒された本作。

ドラマチックで息もつかせぬ展開が
素晴らしかったのですが、
なぜか当て馬キースと脇キャラ・タフタフに
一番萌えた気がして、、「萌2」としました。

2

No Title

六青先生の初期作品で未読だったので、手に取ってみました。受けはうん、健気テイストなんだろうな。攻めにちょっと惚れられなかったので、さくさく読みましたけど、中立寄りの萌にしました。本編250Pほど+後日談30P弱+あとがき+書き下ろし短編20Pほど。

不治の病の抗体を持つ人間として保護され、研究所で大好きなエルリンクの研究に協力してきたショア。特効薬が完成し、エルリンクに振り返ってもらうことも無くなり、学習用の記録映像で見かけとても印象深かった採掘士のグレイを訪ねていき・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
エルリンク(ショアを研究していた研究者)、研究所の面々(うーん・・・)、鉱石採掘現場で働く攻めの同僚たち諸々。エルリンクがなあ。

++攻め受けについて

鉱脈探すのに長けている天才採掘士。その天才的なところを実感するところは私はあんまりなく、カッコよさというものを感じられなかったので、ちょっと惚れられなかったでした。訪ねてきたショアをしゅっと受け入れる懐の大きさがあるのかと思いきや、冷たく突き放すところもあったのがダメだったのかも。

ショアは間違いなく健気なんだけど、寄る辺ない儚げな子供過ぎて、庇護欲保護欲の方が先にたち、惚れるって感じが無かったでした。弱っちい健気っこはあんまり得意じゃないんです、すいません・・

酷いのがエルリンクだよな。なんかなあ。一緒に居すぎてダメんなっちゃったんですかね。他に頼るところ無い子をほりだしたらあかんやろ。
一生悪夢にうなされろ、罪背負ってろ(# ゚Д゚)!って思います。

切羽詰まった感というか海の中の閉そく感というか。ドシリアスで、キラキラ楽しいとか美しくて目が♡とかが無くて、ちょっと残念でした。でも六青先生のお話ってそういうところあったよな、とも思うので、勝手に期待した私が悪い・・・

2

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