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海に沈んだ都市を舞台に紡ぐ、 “痛くて切ない”初期傑作が復刻!!
aoi umi ni himeta koi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
あああ……六青むつみ先生の健気不憫受けの破壊力よ。胸がしめつけられる思いで読み続けました。
2005年発刊の方は未読です。およそ20年ぶりの新装版では、挿し絵がサマミヤアカザ先生になったのと、書き下ろしの短編が追加収録となってカムバック。
本編があまりにも切なすぎたこともあり、この短編があってこその新装版です。2人のその後を書いて下さった作者さんからの贈り物に拍手でした!
本編の内容は先にちょっとだけ触れたように、主人公・ショアの生い立ちや境遇、そして現在を生きるその過程においても不憫街道まっしぐらとしか言えません……!。゚(゚´Д`゚)゚。
なんなんスか……なんなんスか、この仕打ちはぁぁぁ……
中盤辺りなんてね、読むに耐えないのですよ。
養父の仕掛けた罠にハマり、唯一の心の拠り所であるグレイから冷たい仕打ちを受ける始末。養父のやり口にも当然怒りですが、グレイ…あんたは一番寄り添う側の人間なのに、何やっちゃってくれてんのかと。グレイがまさかこんな風にショアを追い詰めるとは思わなかったです。
ショアを愛するがあまり嫉妬心が抑えきれなくなって、また、ショアが大事なことを打ち明けてくれない苛立ちから、ショアを見限るような…更には追い詰めるような行動に出るグレイに腹が立ちました!!( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
こう言っちゃなんですが、すごく器がちっせぇんです。
ショアと養父の過去を知り、怒りたい気持ちは理解できますが、"違う"というショアの言葉を疑い、罵り、挙げ句の果てには仕事の配置転換で隅に追いやり、当てつけのように同僚と交際し始めたのをショアに見せつけやがる。はぁ?(怒)でした。
29歳の男がやる行動にしては、幼稚すぎて空いた口が塞がりません。怒りの気持ちがあっても、好きな人にやる行動じゃない。
ショアの過去を詳しく知らないぶん、"違う"の弁明が出来ない事情を知らないぶん、非常に心無いいじめに見えてしまって、私の中でのグレイ評価が著しく低下していきました……。
言わないんじゃない、言えないんだよ。
傷ついてツラいのはグレイだけじゃない、本当のことを言いたくても言えず、グレイに信じてもらえないショアの方が何倍もツラいんだよ。
グレイの行動1つ1つが、セリフの1つ1つが刃のように突き刺さっていくのを見届けるのがツラくて何度読む手が止まったか。
ショアの気持ちを思うと泣けてくるし、すれ違う2人の想いは深海の海底を彷徨うがごとくでした。
そんなグレイには、己がした行動を後悔するときがやってくる攻めザマァ展開で、思いっきり懺悔してもらいましょう。
全てを知ったグレイにいい気味だと思う気持ちが半分、ショアの覚悟に心が痛むのが半分……どちらにしても楽しい展開ではありませんが、グレイがショアの真相を知っていくシーンは一番の見せ場であり、一番の泣きスポットです。
こんなグレイでも、ショアを救えるのは彼だけであるのも事実。ショアを救うべく奮闘する彼の姿に希望を見出しながら、あるべき場所へと2人の気持ちが落ち着くそのときを見守りました。
悪役だと思っていた養父の彼なりのショアへの思いにはちょっとグッときました。だからと言って、彼がショアを傷付けたことは許されませんが。
色々とやり散らかしたグレイも、番外編ではすっかりショアに甘々なオニーサンと化してますし(笑)、色んな感情が渦巻くそんなストーリーでした。
彼らの未来が永遠に幸せであることの余韻にたっぷりと浸ることができて大満足です。