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anta nante kirai da-kodokuna juujin omega ha gouman ouji arufa ni shuuai sareru-
今回は虎の国の第三王子と獅子の国の孤児のお話です。
王族の攻様の運命の番でありながら
手ひどく扱われた受様が攻様の番となる本編と
番外編を収録。
この世界は生まれた環境とともに
性別によってかなり生き方に違いがでます。
アルファはイージーモード、
ベータならノーマルモード、
オメガに生まれたらハードモードです。
スラム街出身のオメガは体は弱いし
筋肉はつきにくいし頭もあまり良くなく
今年成人に迎えますが発情期もありません。
ある日
王宮で行われるパーティが行われる日
スラム街で給仕係が募集されます。
条件は16歳以上で読み書きでき大人しい者で
受様には何か裏がある様にしか思えて興味もなく
いつものように靴磨きの仕事に出ますが
王宮で働いているという貴族然としたハイエナ獣人が
客として現れ、良い人材がいないからと
「一緒に来てくれる?」と誘い掛けられます。
うさん臭さに受様が理を口をしようとすると
ハイエナ獣人は受様の口を片手で覆って
「ボクのお願いを断るわけないよね」と目を細め
受様は首を縦に振るしかできませんでした。
受様は城に連れられていくと風呂に入れられ
体中を磨き上げられて香水をかけられて
身なりを整えさせられてしまい
給仕係をするしかありませんでした。
バイト自体は本当にヒトが足りないだけらしく
厨房は怒声が飛び交う状況でしたが
メイド達は隣国で悪魔や死神と呼ばれる人物が
来ているために怖がって休んだり辞める者が出たと
噂話をしていました。
そこに地を這うような甘い低音と威圧感を備えた
虎獣人が現れ、お喋り好きなメイド達を
小馬鹿にしたように叱責します。
この虎獣人こそが悪魔や死神と恐れられる
虎の国の第三王子で今回の攻様なのです♪
受様は嗅いだことのない甘い匂いに捕らわれ
本能がこの匂いを欲しいと悲鳴をあげるも
この状態は異常だという理性の声に導かれて
その場を逃げようとしますが
攻様に見つかりそのまま捕らわれて
攻様に強引に犯されてしまいます。
はたして受様は無事に城から出られるのか!?
不吉とされる白虎獣人の攻様とスラム育ちの狐獣人の受様の
王宮もふもふオメガバースになります♪
第三回fujossy小説大賞・大賞受賞との事で
あらすじともふもふに惹かれて手にしました。
攻様と受様は運命の番で受様は攻様に煽られて発情し
結果的に攻様を誘ってしまったのですが
攻様は招かれたパーティで底辺オルガをあてがわれた
と誤解し受様を罵倒しながら抱くのです。
受様を城に連れ込んだハイエナ獣人は攻様の付き人で
仕掛けられた事ではないと誤解は解けたはずなのですが
受様は虎の国に連れていかれてしまいます。
なんだかんだあっても
誤解が解けたらラブラブかなと思っていたら
虎の国で攻様が悪く噂されるのは攻様をよく思わない
王妃、兄王子の策略という背景があって
攻様は彼らの悪意が受様に向かわないよう
あえて受様につらく当たるという事情が
受様や読者には説明しきれておらず
受様を貶めた言葉の数々は攻様が本心では!?
という疑惑が払拭されません。
受様が頑なに攻様を拒むのは当然で
攻様が受様に愛を乞うターンになっても
攻様の言葉がどこまで本心なのかと疑われるのは
当然としか思えませんでした。
人に見える面だけがその人の本心ではなかったとしても
心にない言葉は口から出ないと思うし
他人はその言葉や行動でその人を判断します。
これが受視点オンリーなら見えない部分として
ソレもありかと思いますが
攻視点もぽろぽろと入っているので
それを利用してもう少し攻様の心情の移り変わりを
描いていたら良かったなと思います。
前半でヴァイスがソロにしたことがあまりにもひどいので、いくら追いかけてきて許しを請われてもヴァイスを許せるか否かがこのお話を楽しめるかどうかのポイントかと思います。
そもそも許してくれとか話を聞いてくれとか身体的にも肉体的にもあれだけ傷つけてきた側の言うセリフじゃないんですよね。でもこの作品の良いところは、ソロが簡単に絆されないところ。
トラウマが発症してるのでソロはヴァイスを目にすると恐怖で震えてうまく息ができなくなってしまうんですよね。最早潜在的に拒絶されてしまう様になったヴァイスに対してザマァの気持ち、出ちゃうよね(笑)。まあソロに拒絶される度に傷ついてしょんぼりするのでそれも苛つくのですが……お前が始めた物語だろ!
個人的にはもっとヴァイスわからせというか、自分がソロにどれだけのことをしたかを理解して反省する描写はあった方がよかったかなぁ。てか攻視点が0.5%くらいしかないので本当にヴァイスに感情移入できずに終わります。
運命の番に出会って、翻弄されて、嫌われる様に仕向けたのにいざ自分の元から逃げ出されたら追わずにはいられない、そういうヴァイスのぐちゃぐちゃな感情を商業化するにあたって加筆してくれたらよかったんだけどな〜。
それで結局運命の番以外の理由でヴァイスがソロを好きになるエピソードがなさすぎたのが、わざわざソロを探して追いかけてくるヴァイスの行動に説得力がなかったのも惜しかったなぁ。
逃げ出してからのソロの周りがあたたかいヒトばかりなので、あまり辛くならずに読めるところはよかったです。
ちなみになんですが、私はこのお話には三角関係要素はなく(ソロは別にアルヴァロに対して恋愛感情を持っていたわけではないので矢印が繋がらない=三角の形にはならないため)、NTRでもないと感じました。
ただただ手元に置かれて(表面的には)ヴァイスを煽るためにかわいがられていた感じかと私は思っていましたが、そう感じる人もいるのか〜とびっくりしました。確かに読者のために敢えて描写していない可能性もあるのか〜…と。
でもソロはアルヴァロにキスはされていますが肉体関係を持ったという描写は全くなく、また元のweb小説の方にもNTRのタグや注意書きはありません。
そもそもあの時点で二人が肉体関係を持ったならヴァイスの怒りや苛立ちがあれだけで済んでいるわけはなく(恐らくにおいで分かるので)、気づいた瞬間にアルヴァロをころしそうな気がします。自分がしでかした事態のくせにね…(笑)
またアルヴァロのヴァイスへの煽りも肉体関係をにおわせることは全く言っていないのです(個人的にはそりゃ関係持ってないんだから言うこともないだろという感じだったんですが)。ソロも多分ヴァイス以外を肉体的に受け入れたら心が本当に壊れていたんじゃないかと思うし。なのでソロとアルヴァロには肉体関係はなかったんじゃないかなぁと。
ほんとのところを作者さんがどういう意図で書いていたかは分かりませんが、NTR要素ありの表記で読むのを躊躇っている方は一応そうじゃないと思ってる層もいるよ〜って知っておいて欲しいです。
一体全体、どうやったらこの2人、くっ付くんだろう!?
と思ってしまうような前半部から一転
(タイトルも「嫌いだ」とはっきり言っているし!)、
後半はやっとやっとやっと!光が差し、甘さも味わえる
夜明けの獣人オメガバース物語でした。
あとがきにあるように、身分差×不憫受け×獣人×オメガバース…と
いろんな要素てんこ盛り、電子で400Pを超えるボリューム。
三角関係要素、NTR(受けが攻めの兄と関係を持つ)もあり。
普段あまり積極的にweb発のものは読まないのですが、
あらすじにある”『第三回 fujossy小説大賞』大賞受賞作”
という文言に惹かれ、手に取りました。
文体のライトさや一人称であること、
若干冗長に感じられる場面があること、
攻めのヴァイスが(忌み嫌われているとはいえ)一応王族であるのに
言葉遣いがかなり粗野だな…といったところなど
細かい部分はちょっと色々気になりつつも、、
一体全体、どうやってこの相性最悪そうな
”運命の二人”が結ばれるの?と気になり、
物語に引き込まれていきました。
終盤やっとやっと訪れた蜜月っぷりには、
ほう…と安心のため息が。ε-(´∀`;)
本当にレビュータイトルどおり、とにかく前半は白目を剥いてしまうほど
攻め・ヴァイスの言動が酷いのです。
二人の出会いと関係はヒートによる陵辱から始まるし、
何よりヴァイスのソロに対する暴言が許し難く...
「Ωの中でも劣等種、王族と対等だと勘違いして思い上がった奴、
ただの子どもを産む道具」と、運命の番としての引力には抗えず
無理やり何度も犯しておきながら暴力的な言葉をぶつけるヴァイスに
気持ちが沈みました。
で!中盤以降このヴァイスの態度が一変、
ここからの変貌ぶりがすごかった…!
自らの行いを反省し、しゅんと項垂れてわんこのように(虎獣人だけど)
しおしおしお…となり、ソロに許しと愛を乞う。
前半部分であまりの言動の酷さに「うわあ…」と思っていた自分も
いつの間にかそんなヴァイスに絆されており、
ドキドキハラハラしながら行く末を見守りました。
で、もったいない!と思うし「ん?」と戸惑ったのが、
この肝心な”態度一変”に至るまでのヴァイスの心情変化のプロセスが、
ごっそり抜けているように感じられたこと。。
後々、ヴァイス自身や彼の友人であり側近のハイエナ獣人・
トレイルの言葉によって前半部の傲慢(すぎる)言動の裏にあった真意、
本当の気持ちが明らかにされるのですが。
ソロが城を飛び出して逃げ出してから
ヴァイスが一体どんなことを考え、どんな決意をして
会いに来るまでに至ったのか。
そこがかなり物語の重要ポイントだと思っただけに、
場面が一気に飛んでしまったように思えたのが残念でした;
とはいえ。
その後の彼らの心情・関係性の変化は
じっくりと描かれていて、読み応えがあります。
簡単にはヴァイスに絆されず、許さず、激情をぶつけ
(ヒトの姿でいるヴァイスの前ではソロはしばらく手が震えたり、
近づけなかったりします)
共に過ごす時間が少しずつ増えるうち、
次第に”虎の姿のヴァイスには触れられるようになる”
→”一緒に眠るようになる”→ヒトの姿のヴァイスの手に触れる...
と、ステップを踏んで少しずつ少しずつ
変わっていく二人の関係性、ツンデレ同士の心が触れ合う様子に
きゅん..としました。
作中に出てくる子どもたち、イチとニイが最高に
可愛く、個人的なお気に入りです。
シリアスで切ない物語に光を与えてくれるキャラでした。
”じいさん”とあの人との意外な関係、その繋がりや
心も身体も結ばれた二人のその後、マリーという子が生まれ、
その”マリー”という名はあの…と前半部分に繋がってゆくところも
素敵でした☺︎✨
本当に”ラブ”ストーリーになるのか!?という始まりから、
孤独だったソロ(&王宮で忌み嫌われていたヴァイスも)が
愛を知り、家族を得、心満たされるようになるまで。
紆余曲折を経て”幸せ”を手に入れる様子を
じっくりと追い、大団円に最後、ふー…と安心のため息が出たお話でした。