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kyuuketsuki to yukai na nakamatachi

漫画版のシリーズにどハマりして小説も買い揃え、
こちらの同人誌もお迎えしました。
小説の方は、実はまだ1巻をちょこちょこ読み進めているところなのですが;
こちらの同人誌の方を先に拝読。
順番としてはおかしいのですが、問題なく読むことができました。
高校時代の忽滑谷が主人公、小説部分は22ページ。
几帳面すぎる母親と整えられた家に圧迫感・窮屈さを感じつつ、
学校ではうまく立ち回り…という忽滑谷の高校での様子が描かれています。
一番親しいはずだった友人が演劇に夢中になり、
だんだんと話が合わなくなり…
ひとりでいる方が楽だけれど、周りから「ひとりになったんだ」とは
思われたくない。
あああ、分かる気がする…
気になったのは、きっと本編とも関係しているのかな?
担任教師・綾瀬が唐突にカメラを取り出して撮っていた”写真”。
これ、何かひと噛みありそうですね…?
そして高校時代の暁が想像以上にツンケン尖っていた!
で、想像以上に男子校の中でモテまくっていた!
終盤、告白されて無理矢理抱きつかれ、怪我をした暁に
ハンカチを差し出す忽滑谷がスマート。
手当をされた暁がその後黙って忽滑谷の後をついてきて自販機の前に誘導、
お礼にと飲み物をおごるシーン、
私も(見えてないのに)暁の笑顔にドキッとしてしまった...
本編のアルと暁の物語とはまた違う、キャラクターを深堀りできる内容が嬉しい✨
景色や情景が鮮やかに浮かび上がってくる木原先生の文章、
味わいながら読みました。
忽滑谷編No.2も同時にお迎えしたので、
この後そちらも拝読したいと思います☺︎
「吸血鬼と愉快な仲間たち」、集英社文庫で大団円を迎えてコミコミ特典SSで余韻に浸り、あとは羅川先生のコミックに癒やされるのみ、と思っていたところに転がり込んできた、この同人誌。忽滑谷編です!!! ありがとうございます。本当にありがとうございます。
しかも高校時代のお話なのです。
ページをめくると次のように書いてありました。
「没原稿なので設定が少しパラレル気味になっています。ファンタジーとしてお読みいただけたらと思います」
なるほど、なるほど、と思うそばから、そのすぐ下にあった登場人物紹介に、頭がくらくらしました。
・主人公 ナイーブでまだ人間のできていない少年忽滑谷
・おともだち とげとげ美人の高塚暁
・嫌なおともだち 少年時代から不変の酒入
もうこれだけで期待値マックス、世に出してくださって本当にありがとうございます。
視点は高校二年の忽滑谷さん。クラスに溶け込んでいる風を装いつつ全てが面倒くさくなっている様子が、それはそれは丁寧に描かれています。頭が良すぎて立ち回りがうまいのは本編の30代の忽滑谷と同じですが、その器がまだ高校生なので精神的に幼くてすごく不安定。自意識が高いので安定して当たり前だと自分では思っているから平静を装う、その外側と内側の隔たりや機微にとても痺れます。
暁は本編よりももっととげとげしていますが、「bitterness of youth」でどんな子ども~学生だったか知っているので、納得のキャラ立ちです。
No.1はまだ序といったところなのですが、シリーズがお好きな皆様はきっと満足すると思います!
この二人がどうやって仲良くなっていくのか、駒は出揃ったという感じがしますので、いつか出るNo.2をわくわく待っています。
それと、そうとは書いていませんが、冒頭に登場するバーのママ、イングリットさんとかだったら嬉しいなあ。