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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
一穂先生の業界の話、やっぱ好きだわー
アナウンス業界をモチーフとした名作と名高いあの作品もそうだけど、今作のお笑いモチーフのもすごい。主人公2人のBLの進捗状況とは別に、彼らが身を置くお笑い業界の裏の世界が細やかに描写されています。
お笑いに対するコンビ間の情熱の温度差や、ネタ作りや賞レースへの向き合い方、シビアな実力の世界が垣間見えたりと、たくさんの人を明るく元気にさせるお笑いの世界の光と闇に触れることによって、飯田と小峰の恋や恋愛がものすごく際立っています。BLとして成立はしているものの、ヒューマンドラマとしても側面もあり、お笑い世界のドキュメンタリーを見ているような臨場感にどっぷりでした。
無愛想な後輩との距離感、大好きな推しとの距離感……近しくなっていく2人の間にある交錯した想いは、憧れか興味か、それとも恋か。
複雑で微妙な感情が渦巻く彼らの言動1つ1つから目が離せません。
先輩後輩の関係であり、強烈な飯田推しでもある小峰のぶっとんだ行動の数々が何よりも先に目立つのが、この作品の面白いところ。表の感情は塩だけど、脳内の感情はめちゃくちゃ激アツな男です。
漫才をするために漫才師になったというより、飯田を知りたくて漫才師になったとも言える小峰の漫才熱はかなりクセが強い。どこか抜け感のある変人じみた面白いキャラクターですが、飯田と距離が近くなったことをキッカケに漫才が大好きになっていく小峰の変化は見どころでしょう。
2人の関係に少しずつ変化が生まれる展開にヨッシャーでした!
恋愛感情が激しく揺れ動くとか、色恋事での派手なシーン展開はあまりなく、いつの間にか惹かれ合っている飯田と小峰の恋愛模様にドキドキしたりキュンときたり。漫才師としての仕事の延長線上に恋心が乗っかっていくナチュラルなアプローチに魅入られずにはいられませんでした。
周りの同業漫才師たちとの絡みもよく描かれていて、お笑い世界の勝者と敗者の対比といったサイドストーリーも切実な姿ながら楽しく読ませてもらいました。
物語は終わってしまいましたが、この先のストーリーがまだまだ続きそうな途上感ある雰囲気がいいですね。いつかは2人で同じ舞台に立ち、ライバルとして賞レースを競い合う日がくるのだろうかと、そんな未来を妄想する余韻も含めて素晴らしい読後感でした。