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首にかけた鎖は愛か憎悪か──。
fragile
先生の作品は数作だけ拝読しています。本作と「箱の中」「美しいこと」が好きな作品。こちら久しぶりに再読したのでレビューします。
前半『FRAGILE』は受け視点、後半の『ADDICT』が攻め視点。
【FRAGILE】
大河内(受)が有能な部下の青池(攻)を毛嫌いしていじめ抜き、社内で襲いかかられ退職に追いやる。直後青池が大河内の自宅に押し入り、拳銃で脅され、裸にされて犬のような扱いをされる。
とにかくこの前半は、青池のあまりに酷い鬼畜な所業に、何度もゾッとさせられます。
特にドッグフードの下りは、かなりエグくて何度読んでもウエッとなります。
いくら「可愛さ余って憎さ百倍」とはいえここまでする?!てなります。ここはもう木原節というんでしょうか。
延々と甘さのない話が続くのですが、展開が面白いのでどんどん読んでしまいます。
また読めば読むほど大河内が性悪な酷い男で、青池はなんでこんな男を好きなのか?と思ってしまいます。
こんな酷い扱いしてるのに、大河内が体調を崩して緊急入院した時、眠ったふりの大河内の手にキスする青池…。拗らせるにも程がある(汗)
前半最後は、反撃を試みた大河内が失敗して、青池に手酷くやり返されて終わり。
雑誌掲載時はここまでだったとのことで、当時読まれていた方は「いったい何を読まされてるんだ?」という気持ちになったのでは、と思ってしまいました(^_^;)
【ADDICT】
攻め視点となり、青池が大河内をどのように好きになり、憎むようになったのか語られる。
好きになるシーンが甘酸っぱくて、今後の展開を思うと切ない…。
現在に戻り、青池自身、大河内への気持ちが愛情なのか憎しみなのか分からなくなり、もう終わらせるべきだとわかっているのに、自分でもどうにもできない強い執着がまた切ないです。
あるきっかけから、大河内との体の関係が始まる。ここからやっと関係性が変わってきます。
大河内を愛しく思う気持ちが大きくなってきて、大河内も青池と普通に会話するように。
全ページの7割くらい進んだところで、ようやく甘さが出てくる感じでしょうか。ここまで長かった〜!
濡れ場は、高慢な大河内がグズグズになり、青池が優しくなだめながら、思うさま征服していく描写が、大変エロチックです。敬語責めもエッチだな。
大河内と結ばれて、とうとう首輪を外して、恋人同士のような同棲生活が始まるのですが…。
終盤の展開は、ネタバレすると面白くないので割愛しますが、すごく面白くて好きです。
最後の数ページは受け視点に戻る。ここの大河内のツンデレ具合がたまりません♪
前半の『FRAGILE』はかなりキツい内容ですが、そこをのり超えて『ADDICT』を読むと、はあー、ほんと面白かったーーー!となると思います。
読了後には、ある種のカタルシスを得られる作品じゃないかなと思います。
再読も面白かったです♪
「FRAGILE」
怖かった。
木原音瀬先生の作品で一番、読むのが辛い作品。
25ページぐらいから、とても怖かった。
とにかく胸糞悪い怖さだった。
これが愛?可愛さ余って憎さ百倍?
恐怖です。
確かに受けの大川内は酷い男だけど
ここまで攻めの青地が酷いことをする理由がわからなかった。
これが小説ならOKなんだろうな。
これがマンガならNGなんだろうな。
そして
「ADDICT」
攻めの青地からの視点。
ここでやっと攻めの青地がどうしてあそこまで酷いことをするのか。
「愛してる」なんて言うのかという理由がわかる。
これがなかったらまったく救いのない恐怖小説だった。
「執着を超えて犯罪」そのものの物語。
でも愛はあるハピエンだって。
怖かった。
いやぁ~流石です。クソ野郎を書くのが本当にお上手!
上司のいるお仕事をされた方の多くが共感できるだろうクソ上司wwここまで酷い上司は流石にいませんでしたが、青池に共感同情してしまいます。何度妄想でコ◯したことかw
最後まで自分が悪かったと微塵も思わないところは本当にリアルですね。悪酔いしてバーでくだまいた時ぐらい?w
でも青池のやり過ぎにドン引きしちゃいました。大河内の家に人を呼んだ時はマワしちゃうのかなとハラハラしましたが、結局他人が大河内に触られるのが嫌なのかと安心。大河内のベッドでおっ始めたの青池行きつけのバーのマスターですかね?いや~モラル無しw
視点が変わると2人の容姿の印象がガラリと変わりました。青池は野暮ったい見た目なのかと思ったらモテ男のイケメン。大河内はスラッと長身の男前かと思っていたら小さめの美人。大河内の嫌な部分がここでも顕になって面白かったです。
視点が変わってからの解放だったので、大河内の演技はなんとなく察していましたが、どちらともツメが甘かったですね。
大河内は心が強いなとつくづく思いました。鎖に噛みついて血を流したり全身の毛を剃ったりして狂ったのに、演技をするまで回復が早い!っていうか、髪の毛を刈っている途中で電池切れなら、先にアンダーヘアいったの?
この作品メリべになるんですかね?私の中ではハッピーエンドです。
結局最後青池は刑務所に入ったりしておらず仕事も続けているということは、大河内は青池を訴えてなかったということですよね。横浜なんて中途半端な距離を取ったのも、なんだかんだと大河内の心に青池が棲みついてしまったんだと思っています。
表紙が気になってた作品です。
DMMブックスの還元祭りで数年前に大人買いした中の一冊でずっと積んでましたが、やっと読みました。
いやぁ、全然BLじゃないやんってお話が延々と続きました。
青池はクズだし、大河内はカス。どっちもどっちなんだけど、私的には青池はひど過ぎる。
好きだった人から仕事で酷い仕打ちを受けたから可愛さ余って憎さ百倍なんだろけど、それにしてもやり過ぎだよ。自宅に居座って全裸に首輪と鎖で繋いで食事はドッグフード食べさせるって。
それ以外にも、精神的にも肉体的にも追い詰めるような事がてんこ盛り。
そんな事しといて、好きになって欲しいなんてそんなのあり得ない。
どの行為も酷いと思うんだけど、ゲイ仲間を大河内の家に呼んで全裸に首輪の男を辱めたのもやり過ぎ。そのスジの人がやる事かなと思ったら普通に知り合いだったんか。だれか青池を咎める人いなかったの?って思っちゃったわ。
それにしても木原作品の受けはメンタル最強。今作の大河内も心壊れてもいい扱いされてたのに、タフ。身体は壊しちゃったけど、めげずに虎視眈々と復讐のタイミングを見計らってる。
でもね、こんな激しい経験しちゃったら普通には戻れないのわかってたよ。自分でも回想で言うてたもの、「激辛料理の後に豆腐食べてるような感覚で普通のSEXが味気ない」って。
なので、最後はよかったね〜な終わり方でした。
あとがきなかったのが残念。
このFRAGILEは、ちるライブで木原音瀬先生の特集をしていたとき、白米さんが紹介していました。とても興味唆られるプレゼンだったので、購入して読んでみることにしました。
うまく言葉にできないのですが……もう色々しんどい、やばい、って感じです。
〜以下、ネタバレあります〜
ぶっちゃけると、前半部分(監禁、ドックフード生活、暴力)などは全く平気だったのですが、後半の後半からの怒涛の展開に、頭がクラクラしてしまいました。
私の場合は、途中から攻めの青池に感情移入してしまい、彼の大河内に対する愛(クソデカ感情)を知ると、めちゃくちゃ切ないというか複雑な気持ちにさせられ、後半にかけて、徐々に二人の距離が縮まって和やかな雰囲気になると、「こ、このまま結ばれてくれ……!!!」と心の中で必死に願っておりました。
けれど、さすが木原先生。
大河内が手紙に書いた二文字は、衝撃しかなく、その後の青池の自サツ未遂や、ラストまでの流れが、本当にエグい。これはやっぱり木原先生にしか書けない物語だと確信しました。
特にラスト。これは何エンドなの? ハッピーエンド? バットエンド? いや、違う。これは『木原エンド』だと思いました。木原先生にしか描けない終着点、二人の歪な関係性。この二人はこれからどう続いていくのだろう。大河内はいつか青池のことを愛するようになるのだろうか、青池は大河内に対しての感情を変わらず持っていられるのだろうか(大河内の関心がいつまでたっても自分に向かないことに、いつか発狂してしまうんじゃないだろうか)……その後の二人の行く末を考えてみると、どう転んでも、もう地獄やん……と頭を抱えてしまいました。
読了して一晩経ち、今このレビューを書いているのですが、胸のモヤモヤが残っていて、まだFRAGILEの世界に気分を残しています。この、後を引く妙に陰気な読後感……これもやっぱり木原音瀬先生の成せる技だと思います。
木原音瀬先生作品は今まで何冊も読ませて頂いていて、そのどれもが素晴らしく、唯一無二の存在で、心の底から崇拝しているのですが、うん、やっぱりすさまじいお方だと、今回のFRAGILEを通して思いました。
これからも先生のことを追いかけるので、先生にしか書けない地獄の世界を、ぜひ見せてほしいです!
色んな意味で、すさましい作品でした!!! ありがとうございました!
木原音瀬先生に最近ハマりまして、何作品か読んでいます。この作品はYouTubeの方のちるちるで木原音瀬先生特集をやっていてソムリエの白米さんが2位(だったかな)にあげていたので気になって読んでみました。
監禁ものなので覚悟して読んでいたのですが、受けが本当にクズといっても過言ではないモラハラ上司受けなので、性悪な分痛い目にあっていてもそこまで可哀想に思わなかったかな。逆に攻めもっとやれ!!と思ったし、酷い目にあってる受けにせいせいする感じでした。とはいえブチギレた攻めは本当に容赦ないので胸悪くなる人はいるかと思います。
この作品は攻めに同情することが多かったですね。途中で攻め視点の話になるんですけど、どっちが可哀想なのかわかんなくなっちゃいます。受けに期待しても自分の想いは一方通行でしかない、簡単にあの男(受)は裏切る。とわかっていても期待じゃうんですよね。ここの心情はどの作品でも木原先生の才能が光ってると思います(私がみた作品では受けがそういう心情多かったですがこちらは攻めですね)。
そして痛みあるシーンや話の転になる部分が一回で終わらないのも木原先生の魅力の一つ。最後の最後で驚愕しました。普段みている作品では越えないであろう部分を越えてくるあたりさすがです。
えっ、ここで終わるの?!みたいな完結な終わり方をしないのが読者が考える隙間がある最後になったと思います。なんなんだろうな、「なにもこんな奴好きにならなくたって」って私たちは思ってしまうんですけど、それが作品の良さなんですよね。うんうん。
全然ハッピー要素ないし、暴力的、屈辱的シーンありますがそこまで苦なく読めました。素晴らしかったです。
この作品を読んだのは約10年以上前ですが、当時衝撃を受けすぎて手汗びちょびちょになりながら読んだのを覚えています。執着攻めラバーになるきっかけになりました。
かつて受けの部屋でおしっこをまいたり精子をかけたドックフードを食べさせる攻め様がいらっしゃいましたでしょうか。くず行為を平然とやり通しときながら絶対的権威を前にしたら抵抗できない大河内が哀れでした。一瞬で嫌いになれるね。
今考えるとつっこみたいところでてきたんですが、他人が本人の代わりに辞表を出してもいいものなんですか?どうでもいいけど。
凄まじい余韻を残してくれる監禁ものとして、永遠に私の中に君臨し続けるであろう作品です。青池の執着が粘着質で、監禁も相当に徹底されていて、相手の尊厳を根こそぎ剥ぎ取る醜悪な方法であることも作品の要と言えるでしょうが、それ以上に私は大河内という人物、彼の性質が最も肝であるように感じます。
大河内の蛇のような小狡さ。狡賢さ。逃げ足の速さ。プライドの高さ。事件前に彼が職場で青池にした仕打ちは最悪で、この点に関して彼への同情の余地は一切ありません。しかし彼が凄いと思うのは、こんな仕返しに遭っても、ほとんど心からの反省は感じられなかったところです。あれくらいでこんな目に遭わされるなんて割に合ってない、酷いじゃないか、自分の築き上げたものを壊しやがって、とどこまでも自分本位。青池の気持ちをちゃんと相手の立場に立って推し量ってみたことは一度もないのではないか、そんな気さえします。
私はそんな大河内を非難しているわけではなく、彼のその性質が最後まで貫かれていることが最大の魅力だと思っています。いかに自分が損をしないように生きるか。とにかくそれが一番大事な人間っていると思うんです。母親との関係があまり良好ではないことを示すシーンが僅かにありましたが、かと言って彼が本物の愛情、激しい愛情を欲しているという描写はありませんでした。彼は誰かに愛されたいと渇望している人間ではない。自分を常に一番高みに置いて、あえて孤独に生きている人間。ここが他の作品と一線を画す点かなと。だから、彼のような人間を好きになった時点で、もう誰も彼に太刀打ちできないのだと感じました。
蜜月期間は私もすっかり騙されました。ストックホルム症候群的な影響もあり、彼は青池に気を許したのだと。青池の中盤までの仕打ちは忘れて、あと一悶着くらいはありそうだけどなんだかんだハピエンに向かうのだろう、と私も気持ちを昂ぶらせていくところでした。そこであの手紙です。もう5分くらい笑いが止まりませんでした。そうだ大河内、お前はそういう奴だった。彼が青池から受けた仕打ちを帳消しにするわけない。青池の憎悪が消えていく代わりに、今度は再び大河内が彼への憎悪をじわじわと募らせていた。
再会した時、また振り出しに戻るのかと思いましたが、青池はもう負けを悟っていましたね。どう足掻いても、大河内と並の恋人のようにはなれないと。大河内にとって、青池から与えられる快楽が気持ちいいのは事実でしょう。でも、そこから青池を好きにはならないし、気持ち悪いという感情も併存している。女とヤるのは青池とヤるほど気持ち良くないし、また監禁生活に戻るのも御免だ。彼の思考は最後まで自分本位だったと思います。孤独に苦しみ愛に飢えたマイナススタートな人間がゼロになろうというのとは違い、元からプラスだった人間が味を占めただけ。なくてもいいけど、あったらより良い。それが大河内にとっての、監禁するほどの狂気は取り除いた青池の好意なんでしょう。青池がそれでいいと諦めるしかないのかも。それでも私はこの2人の関係が好きで、どうしようもない大河内というキャラの現実味にどこか安心もしてしまうのです。
みなさんのレビューと木原音瀬さん、ということで心して読み始めました。
最近は、ハピエンを求められるのかも知れませんが、この二人にとってのハピエンはこういう形にしかならなかったのだろうなと思う。
当初は青池君何すんねん!嫌もうヤバいやつやん。
大河内さん、会社行ってる間になりふり構わずに逃げて!
とか思うとこはありましたが(笑)結局、大河内さんは往生際が悪いタイプですかね、まだ過去の、平和だった頃に戻れるって思ってる、おバカさん。その夢から覚めるには最期の青池君の命をかけた行動があるまで無理なんですよね。しかし大河内さんの意志力ハンパないす。引越し手配出来るほど、気持ちが萎えてないのが凄い。
心のどこかで、無意識に、気持ちがあったんじゃないかと思えてしまう。自分を不幸だとか愛してないとか言いつつ、欲する気持ちがあったから・・・
いや、大宮から帰ってきたらまた荷物が無くなってるとかあるかもな。
でもハッテン場に行こうとしたりしてたり、あったもの、経験したものの喪失感を認識してるからそえはならないのかも。
「嫌よ嫌よも好きのうち、を壮大にした感じ」のストーリだな。全てがスケールでかい。会社でのいじめパワハラも、監禁も、そこからのイヤイヤ(書き置き事件)、躯はスキスキ、結局のとこ青池君の勝ちなんかな。。。
こういうのを読ませる力ってさすが木原音瀬さんだなって思いました。いゃもぅ素晴らしい。
最初はまじめでイケメンなゲイの部下が自分をクビにしたパワハラ上司に復讐していく話だと思って読んでいましたが、だんだん2人の関係が変化していきます。
木原音瀬先生にしか書けない綱渡りのストーリー、主人公2人の人格破綻しまくった心理描写が読み応えありました。
1回目に読んだ時はラストに向かう怒涛の展開に先が読めず震えましたが、2回目以降は結末が分かっているので、また違った視点で楽しむことが出来ました。
最初は「大河内って人付き合い上手くて人に取り入るのに長けてるって設定だけど、むしろ友達少なそう。。。」と思ってたのですが、中盤以降に青池が手玉に取られる姿を見て「なるほどなあ。」と感心してしまいました。