花にして蛇シリーズ2 サイコ

psycho

花にして蛇シリーズ2 サイコ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

237

レビュー数
4
得点
73
評価数
15
平均
4.9 / 5
神率
86.7%
著者
オンリー・ジェイムス 

作家さんの新作発表
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イラスト
市ヶ谷モル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403560613

あらすじ

ルーカスにはさわるだけで人の記憶が見えた。
その能力を隠しながらFBIのプロファイラーとして活躍していたが、殺人鬼に追いつめられて退職する。
だが大学講師として新たに迎えた初日、魅力的な同僚とぶつかった瞬間に見えたのは拷問と惨殺の光景だった。
オーガスト・マルヴァニー、輝かしい大富豪一家の天才息子は人殺しの怪物なのか。
しかもオーガストはルーカスに強い興味を見せ、彼の寝室にまで現れる――。
「花にして蛇」シリーズ第2弾。

表題作花にして蛇シリーズ2 サイコ

量子物理学教授、サイコパス一家の次男、30〜31歳
元FBI捜査官、犯罪心理学非常勤講師、33歳

レビュー投稿数4

殺人をプレゼント

アンヒンジがとても好みだったので、購入。
サイコもとても良かったです。家族の賢い担当オーガストのお話。
お話としては、独立しているのでサイコから読んでも問題なさそうですが、家族の説明がアンヒンジの方が丁寧な気がするので、前作を読んでからのほうが楽しめるかも。時系列もアンヒンジ→サイコです。

リバ、ナイフ使ったプレイ、流血注意。
前作同様2人の目線を入れ替えながら章は進みます。悪人の手により、女性たちがひどい目にあいます。ぼかされてはいますが苦手な方はご注意を。オーガスト目線はめちゃくちゃ淡々としているので、凄惨描写もなんでもなさそうにサラッと流れます。

ルーカスに出会って7秒で惚れ、初めての執着に困惑し、アダムとノアに意見を聞くオーガスト。ノアのアドバイスに従い、恋愛マニュアル5冊読んだりします。かわいい。
気になるあまり部屋に無断侵入を何度も果たし、それを隠そうともせず、飲んでる薬を調べたり、追ってる悪人を知り「人殺しは、恋人のプレゼントに入るだろうか?」と自問したりします。
拷問が好きでサディストな面を持ちながら、そんな自分がルーカスを殺してしまわないか心配し、縛って欲しがったり攻められたがったりします。SMどっちも持ってるんでしょうね。
恋人だけに優しい殺人鬼を地でいくお話ですので、ずっと甘いし優しいです。ゲイでどっちも可。

対するルーカスは元FBIでプロファイラー、さらにはサイキックでもあります。正義感があり強いですが、ややしなやかさに欠ける印象。努力が報われず、ポッキリ精神的に参ってるタイミングでオーガストと出会います。最初は理性で抵抗しますが、割とすぐ落ちます。ノアと比較するとかっこいいです。
自分を相手に刻みつけたい思いを隠し持っていて、ナイフプレイなんかしてみたり。サイキック能力を使って、入れられてるときに、入れてる気分も味わう特殊プレイができます。もともとゲイでどっちも可。

アダムとノアは相変わらずセットでいちゃこらしてるのでとてもほっこりしました。ノアがマルヴェニーのお仕事もちゃんと手伝えてて、家族になっていることも確認できます。

家族の仕事自体も相変わらず面白く描かれていて自作が待ち遠しいです。双子はやっぱり3人になるのでしょうか。なってもならなくてもとにかく楽しみです。

0

世界一センチメンタルなサイコパス

シリーズ二冊目、サイコパス7兄弟の賢さ担当オーガストのお話。元FBI捜査官で透視能力を持つルーカスに出会い、激しい執着を見せる。今のところ、マルヴァニー家の中ではこのオーガストが一番好きかも。不器用に恋する教授が可愛かった。

IQが高すぎるゆえに親に疎まれてきたオーガストは、トーマスに引き取られ、サイコパスであることを隠して生きていくための教育を受けている。その成果なのか、感情の欠落部分は思考で十分に補えている印象。

感情がなく、この場合はこういう感情を示すのが正しいだろうという、指標に沿って外面を形成しているオーガスト。サイコパスといっても、良い意味で人間味を感じた。共感しやすく、建て前社会では特に馴染み深い思考だと思う。

恋愛初心者で、分からないことを弟カップルから学ぼうとするところがとても好き。当然のようにルーカスの部屋に不法侵入し、自身をナイフで傷付けるのはさすがに怖いけど、相手はなにしろサイキック。異常に見えたオーガストの行動も、本能的に共鳴するところがあったのかもしれない。

今回の事件も性暴行に関するもので、シリーズ一巻同様具体的な描写は抑えられており、そこまで覚悟しなくても読めた。
かつて同じFBI捜査官である犯人を告発したルーカスは、組織からつまはじきにされた。その理不尽さも仕方ないと理解しつつ、悔しさも分かる。自身の基準で透視能力を信じるオーガストがルーカスの特別になるのも頷ける流れだった。

解決までの展開は、正直既視感があるというか、シリーズ一冊目を踏襲しているかのよう。まだ二冊なので分からないが、この流れを定番にしていくのかな。
ヒロインポジのキャラが突っ走ってピンチに陥り、マルヴァニー家側が上手く収める。これは失敗する、と分かりやすい暴走行動は少々唐突に感じた。

サイコパスに人を愛せるのか?というテーマには、とても綺麗な答えが示されていた。世界一センチメンタルなサイコパスと言われるオーガストが可愛いし、そんなオーガストを可愛いと思うルーカスも魅力的。唯一無二の片割れを見つけた二人だと思う。

1

サイコパスの「嫌われない努力」

花にして蛇シリーズ2作目。
サイコパス7人兄弟・次男のお話になります。
1度だけリバしてます。それだけご注意を…。

オムニバス形式なので前作未読でも大丈夫かな。
でも1作目のアダム×ノアの登場率が高かったので、
最初から読んでおくと解像度が上がると思います!

さてさて2作目は次男・オーガスト…!
前回は殺人に感情を持たない末っ子アダムに対して、
オーガストは嬉々として拷問を楽しむタイプでした

そんな男が恋という感情を知ったらーーー?

いや~~~~今作もめっちゃ良かったです(∩´///`∩)
 ◎必要悪として訓練・管理されたサイコパス
 ◎サイコメトリー能力を持つプロファイラー
と、本来なら追う者と追われる者の関係なんですが、
オーガストの特性が特性なので一概には行きません。

これがま~~~~!!!
深層心理に触れて沼に落ちていくような愛なのです。
オーガストの潔癖さが意外にロマンチストとなって、
キュンキュンしながら読みました(∩´///`∩)

オーガストもアダムと同様に
「人を愛せない、感じる能力がない」と自認してます。
けれど自分のお気に入りに対しては激しい執着がある。
自分の側に置いておかないと気が済まないのです。

ルーカスに出会って自分のモノにすると決めた時、
最初にしたのが「ルーカスに嫌われない努力」でした。
アダムやノアにアドバイスをもらって頑張るのですよ。

そしてオーガストの理想型が、
アダム×ノアのような恋人関係なところも驚きでした。

(甘ったるい関係をバカしてるのかと思ってたら…)
(自分もルーカスとこうなりたい!と言ってて…)
(オーガストの意外な可愛さが萌えに刺さった…!)

どうすればルーカスと理想の関係を築けるのか。
試行錯誤を繰り返しながら嫌われない努力をする姿が
ホンットもぅ!めっっちゃ良かった~~~~!!!

って書くとサイコパスみがないよう見えるかもですが、
いやいや、しっかりサイコパス思考は全開なお人です。

ルーカスを大切にするのも、
欲求のまま行動したらこの世から居なくなっちゃうし、
ルーカスの居ない世界が耐えられないから大切にする。
ーーー的なね…。(∩´///`;)
サディスティックな願望はあるにはあるんですよね…。

だからこそ自分のタガが外れるのをとても恐れてて、
セックス時は縛られて痛めつけられる側になりたいと願うのです。

で。一方のルーカス。
正義感がとても強い人で、
正義感ゆえに行動した先で周囲から浮いてしまって…。
精神的に追い詰められて、現在はボロボロの状態です。

特異的な能力を持っているけど誰にも信じて貰えず、
精神病扱いされて、FBIからも離職し、、、
オーガストに出会った頃は人間不信に堕ちてました。

ルーカスが普通の状態で出会っていたら
オーガストがやっている殺人を許さない気がします。
けれどルーカスはオーガストを拒めませんでした。

世界で、たった唯一の、理解者だったからーーー。

プロファイラーであるルーカスが
オーガストの深層に触れる度に絆されていく過程は
バックボーンの組立が見えるのでストンときました。

それほどにルーカスの心は
寄る辺がないほど不安定で読んでてシンドイんですよ。
これは精神を病んでもしかたない…(;ω;)
というかよく今まで耐えてきたね…(;ω;)

(この辺りの描写はマジしんどかった)
(サイコパス度は1作目より上かもしれん…)

そんなルーカスを守ろうと動くオーガストが胸熱だし、
オーガストに守られるのを嫌がるルーカスも胸熱です!
病んでても矜持は捨てない…。対等なんですよ…。

1度だけリバがありましたが、
ごく自然な流れだったので個人的には良かったです。
ストーリーの展開と合ってるリバは良質ですね…!

2作目も良かった~~~!!!
あと7人兄弟を俯瞰して見られてのも大変良かった。
ルーカスのプロファイル付きなのでわかりやすい…。

(兄弟となってるけど実質上下関係はなく、)
(兄弟同士の会話は幼稚性があるとことか、)
(解像度が少しずつ上がって良き良き)
(あと父・トーマスの過去もチラッと出てきた…!)

次回作も楽しみですヾ(*´∀`*)ノ

3

殺人一家のサイコパス7兄弟が贈る歪な恋2作目

昼間は大学教授。その裏の顔は…と、血で真っ赤に染まったダークヒーローのようなマルヴァニー一族の次男坊・オーガストに目をつけられてしまったのが、きっとルーカスにとっては不幸だった人生が幸運に変わる7日間の始まりだったのでしょう。

とある大富豪に引き取られた、人を殺めることになんのためらいもないサイコパス7兄弟の恋を描いたシリーズの2作目となる今作は、物理学者として大学で教鞭をとる次男が主人公。
血生臭さや、女性が被害者として絡む性犯罪関係の描写が苦手な方にはおすすめできませんが、破れ鍋に綴じ蓋・最高の出逢い・特殊性癖・リバあたりのワードに興味がある方にはもしかするかもしれません。
時系列的に1作目のその後となっていますので、まだの方は先にそちらを読んだほうがより楽しめるかと思います。

やや機械的なオーガストの独特な口調と思考の数々に、いったいどんなヤバい恋を繰り広げてくれるのか?とワクワクしながら読み進めると、期待以上のヤバい恋が待っているではありませんか。
人や物に触れると記憶が読み取れてしまう、いわゆるサイコメトリー能力を持つルーカスと、サイコパスであり自閉スペクトラム症でもあるオーガストの組み合わせはまさに運命的なものでした。

人を愛したことがないオーガストが抱く執着心と、不器用ながら必死にルーカスを求め守ろうとする一途さを見れば見るほど、だんだんかわいらしく思えてくるのだから本当に不思議。
突拍子もないむちゃくちゃな行動ばかりなのに、なんだか許せてしまうんですよね。
ルーカスと出逢って以来、まるでアンドロイドにはじめて血が通ったようというか…あまりの人間1年目っぷりに頭を抱えました。
良くも悪くも嘘がないストレートな言葉しか伝えられない彼は、思考が読めるルーカスにとってはこれ以上ないほど心安らげる人だったのかもしれませんね。
逆もまた然りで、戸惑いながらも自身のすべてを受け入れてくれたルーカスがオーガストにとって唯一無二の存在になっていく様子も読み応えがありました。
2人とも、孤独や生きづらさを知る理解者とやっと巡り逢えたのかな。

そして、フェティシズムがくすぐられる描写も必見です。
殺しを愛してやまないオーガストがベッドではマゾヒズムの傾向があるだなんて、設定作りが上手いなあと。
なんとなくルーカスが受けなのかと思いきやそうでもなく、この2人はおそらく上下はどちらでも良いのだろうなと個人的にはうれしいポイントのひとつでした。
1番新しいなと思ったのは、ルーカスが攻める側でも受ける側でも、サイコメトリー能力によってオーガストが感じている快感を同時に得てしまうというとんでもなくおいしい設定。
読んでいて非常に斬新で、抱きながら抱く…そうきたか〜!となりました。ぜひ。

ルーカス周辺に付きまとう事件関係もピリッとしたスパイスが効いていて、要所要所でヒリつかせてくれます。
ただ、もう少し短めにまとめられたのではないかなと思うところも。
ですが、1作目同様に悪をバッサリぶった斬る思い切りの良さはある意味爽快だったので、こちらの評価になりました。
他兄弟とのやり取りも楽しかったですし、次はどのマルヴァニーの恋が描かれるのかが今から楽しみです。

3

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