宰相閣下の苦手なα

saishoukakka no nigatena alpha

宰相閣下の苦手なα
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
15
評価数
3
平均
5 / 5
神率
100%
著者
桜部さく 

作家さんの新作発表
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イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
価格
ISBN
9784815533045

あらすじ

西洋と東洋を結ぶ大国アルスマン帝国は、食糧支援を条件に北の小国メサティアと同盟を結ぶことになった。
調印のため帝都へやってきたのはメサティア一番の屈強な戦士、アルファの王子ベルカント。彼は孤高の軍師として知られるハイリに心奪われ、懐に入ってこようとする。
だがベータのハイリは、過去のある出来事からアルファ性とは絶対に特別な関係にならないと心に決めており、ベルカントに対してもつれない態度を貫いて……。

表題作宰相閣下の苦手なα

小国メサティアの王子で屈強な戦士、25歳、α
アルスマン帝国皇帝重臣の軍師、30歳、β

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

自分の番を求めるのが真のアルファというもの

うひょーーー!!!(//∇//)

すんごい執着。すんごいアピール。すんごいワンコ。
ベルカントのセリフとともに、ハフッハフッ。クゥ〜ン…クゥ〜ン。の声が聞こえてきそう(笑)熱烈な求愛の勢いに終始圧倒されました!

俺って役に立った?
ハイリに話しかけられるにはどんな役職に就けばいい?
ハイリのために獲物獲ってきた、褒美はハイリとの15日の旅でよろしくです、ハイリと一緒にご飯する(という圧)、などなど……ハイリ大好きっ子の同盟国王子の懐き方よ。筋肉ムキムキの美男子に分かりやすーい好意を向けられるキレ者宰相の困惑ぶりが、とっっっても面白かったです。
因みに、年下ワンコの隣国の王子・ベルカントは、アルファ。
キレ者美人宰相は、ベータです。


アルファとオメガの組み合わせじゃないところが、この作品の注目すべきオモシロポイントでしょう。
ベルカントは異国の文化圏から来たということを除いたとしても、色々と規格外なハイスペアルファ。ゼロ距離なコミュ力然り、戦闘能力然り、ゴーウィングマイウェイ度然り……自由奔放な中に見えるブレない一途な想いに黄色い悲鳴が止まりませんでした(//∇//)
好きな人に好きだと言う。求愛の基本中の基本です。
オメガバースならではの発情もフェロモンも、2人の愛し合いには関係のないもですが、それ故に好きだと思う気持ちに誤魔化しが効かないところのクリアな感情にグッときました。

見えない何かに惹かれる根拠より、明確な根拠を伴った好き感情というのは強い。理性的に好きだからこそ、ベルカントはここまでの愛をハイリに向けられるんだとも思ったし、自分の好きな気持ちに真っ直ぐに向き合っているところがカッコいいです!
好きな人だから番いたいと思う気持ちにバース性は関係ない。ベータのハイリ側からすると、そんなことはないだろ的な感じでベルカントの想いを拒否するのですが、そこはやはりアルファです。

オメガを求めるのがアルファなんじゃない、自分の番を求めるのがアルファなんだ。そんな気概を見せつけられてゾクリ。ベルカントのバース性を超えた未来の番への求愛行動の数々にシビれました。
自分の番と見定めた相手を絶対に諦めないとばかりに執着よろしくで、せっせっと頑張る姿がなんとも健気……。屈強な男なのに何故か可愛く見えちゃうベルカントがサイッコウに素敵でした。

ベルカントのハチャメチャなアプローチに困惑していたハイリが、どんどん惹かれていく姿は必見です。
大怪我を負ったベルカントの療養中に大胆にもエッチに誘うなど、ハイリの中に燻っていたベルカントへの想いが爆発するシーンは大変に美味でした^ ^


恋はするものじゃなくて落ちるもの。
恋に落ちたクールな宰相の素直になった姿をぜひお楽しみ下さい。

1

一目惚れ→あらゆる手段で猛アタック!! 大型年下ワンコα×天邪鬼β宰相

やーーーー、好きになったら押せ押せ一筋、
猛烈にアタックし、こんなにもストレートに求愛してくる攻め、振り切れない!!

…と心から思ってしまうほどの、大型×猪突猛進×溺愛年下ワンコ攻めによる、
α嫌いの宰相攻略のお話でした(*´艸`)

恋した理由は”一目惚れ”とシンプル、
そしてその後の求愛行動もとにかく”押して、押して、押しまくる”!
「引く」って言葉、知ってるのかな…?多分知らないんだろうな☺︎って
思ってしまう、猛烈アタック攻めでした(好き)!

…なんてったって、恋の成就のためには
”α嫌い”の受けのために、「去勢する!」とか言い出しちゃうお方。
去勢したらエッチできないのに…!

去勢する前に抱きたい!なんて発言もしていて、ちょっと方向性に「?」と
首を傾げたくなるところはあるものの笑、
読んでいて全然憎めずなんだか応援したくなっちゃう、愛おしいキャラでした◎


オスマン帝国がモデルという本作。出てくる国名もオスマンを彷彿とさせます。
そして、オメガバースものでもあります。

主人公は大国・アルスマン帝国の孤高の軍師・ハイリ30歳(β、受け)。
彼は10年前、幼馴染で帝国国王であるエフタンのために知略を巡らし、
戦いの勝利によって国を繁栄へと導いた人物です。

そして10年後の現在、小国・メサティアと同盟を結ぶことになり、
その調印のため帝都へとやってきたのがメサティアの王子で屈強な戦士でもある
ベルカント(α、攻め)。

そのベルカントは、「ハイリに一目惚れした」と言っては
ワンコのようにつきまとい、ハイリにすげなくあしらわれても
猛烈にアタックしてきてー

と続きます。

…なんというかこのあらすじの書き方だとラブコメみたい?に
なってしまったかもなのですが、
隣国との戦いやハイリが”αとは恋愛しない”と決心するに至った
トラウマのような出来事・思いなど、シリアスな面もしっかり描かれています。

まあでも、なんといっても強烈な印象を残すのは
大型の超超超ワンコ攻め・ベルカントの一途な求愛〜!!

ハイリを見つけるとぴゅーっと寄ってきて、
誘ってもいないのに夕食を日々共にする。

皇帝に次ぐ地位にあるハイリに「気軽に話しかけるものではない」と
たしなめられると、
”ハイリに自分から気兼ねなく話しかけられる身分”を手に入れるため
皇帝に直談判し、”少佐”の称号をもぎ取ってくる。

で、先述したように”αとは恋愛しない!”と言い切るハイリに
「じゃあ去勢する!」と言い放ち(なんでそうなる!?笑)、

挙げ句の果てに、狩猟大会で優勝した折の褒美に
「ハイリとの時間、ハイリとの旅行」を所望し、
無理やりハイリに休みをとらせて一緒に旅行ー

と、超・超・強引〜!!

でも、そのストレートすぎる求愛がなんだか清々しくて笑ってしまって、
「がんばれベルカント、押せ押せベルカント!」みたいな感じで
気付けば応援している自分がいました(๑˃̵ᴗ˂̵)


そして、つれないハイリがそんな猛烈年下ワンコに
どう攻略され、絆され、陥落するかー

というところもまた、見応えがあって。

実はβのハイリには、あるトラウマがあるのです。
それは、10年前の戦の時に見た皇帝の、”番”と定めたΩに対する執着心に
関係すること。

自分の作戦によって大勢の兵士たちが死にゆく壮絶な戦を
目の当たりにし、呆然とするハイリ。
そんなハイリが慰めを求めて幼馴染でもある皇帝を振り返ると、
彼はひたすら自分の想い人であるΩのいる国の方向を見据え、
その名前を恍惚と呟いていたー

番と定めた愛する者のためなら、どんなに不可能と思われることでも
全てを犠牲にして成し遂げようとする、αの執着。
そして、そんなαとΩとの強固な繋がり。

それが、ハイリに”βである自分は絶対にαとは恋愛をしない”と
決心させていたー

というもの。(なんだかうまく書けず説明できず、、)


で、この”αとの恋愛”への消極的な気持ちが変わっていく様。
そして、10年前の戦のトラウマによる”自己肯定感の低さ”が変わっていく様。

この2つの大きな変化が物語の軸として描かれていて、
胸熱くたぎる部分でした…!

前者の恋愛面では攻め・ベルカントの一途な求愛が。
後者の”自己肯定感”の面では新たな戦いの幕が上がり、
再び戦場の”知”の大将としてハイリが自分自身に向き合うこと。

絆され愛と、自身の内面の成長と。
この描かれ方が、見事でした・:*+.

で、ツンとしているように見えるけれど
恋心を自覚した後のハイリがもう、可愛くて!

ベルカントを言葉で誘惑し、自分からさりげなく”お誘い”をかけたり、
戦で怪我を負った彼が回復した際には
「なんで自分に一番に知らせなかったんだ!」とプンスカしてたり❤︎笑

くーーーっ。絆されエリート男が恋愛に夢中になる様子、最高◎

あと個人的にたまらなく萌えたのが、
ハイリのことが大っっ好きな皇帝の息子でちみっこ・アヤタの可愛い恋心と、
ベルカントへの対抗心です。

「僕が皇帝になったら、◯◯◯!!!」

って一言の破壊力たるやーーー!
ああ…可愛い。
さりげなく、ベルカント×ハイリの間に座り込んで隣の席は譲らなかったり
するところなど、全てが可愛くて仕方なかったです。。
できればその初恋、成就させてあげたかった。。

…と、いろんな萌えツボをぎゅーっと押されるα×βの変則・オスマン風オメガバース。
とっても楽しめて萌える一冊でした・:*+.

攻めに「運命の番」であるΩが現れてしまいー
といった”当て馬”展開のないところも、個人的に良いなあ〜と思った点でした!

2

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